|
ある晴れた日 アスカちゃんは、珍しくシンジくんと別々に帰宅していました。 「ごめんね、あーちゃん。 ちびっこサッカーたいかいのれんしゅうで、きょうはおそくなるんだ。」 「ううん・・・・いいのよ、しーちゃん アタシもかいものにさそわれているから」 シンジくんは、アスカちゃんに怒られると身構えましたが、以外な答えを聞いて焦りました。 「えっ、あーちゃん! だ、だれとかいものにいくの!?」 「うふっ! しーちゃんたらしんぱいしょうね。 ほら、おなじクラスのモモちゃんよ。」 アスカちゃんは、心配してくれるシンジくんに抱きつきと軽くキスをして囁きました。 「(ちゅっ!) はい、しーちゃん! あんしんした?」 「うん!」 「じゃあ、しーちゃんのためにごちそうをつくってまっているね。」 「うん! なるべくはやくかえるからね!!」 と、アスカちゃんはシンジくんと別れて帰宅していました。 「ねぇ、アスカちゃん? シンジくんとはいつもどんなことはなすの?」 「えっ! えぇ・・・・・と、きょうのこととか、おひるのおべんとうのことをはなすわ。」 アスカちゃんは、急にシンジくんとの日常会話を尋ねられて焦りました。 何しろ、同棲?新婚?生活が半年以上も続いているアスカちゃんとシンジくんの間では、 『以心伝心!』お互いの顔を見るだけで気持ちが通じていました。 でも、そこは珍しいモノ好きの女の子! モモちゃんは、好奇心旺盛な瞳でアスカちゃんを見つめて、次々に尋ねてきました。 「ねぇ、アスカちゃん? アスカちゃんは、おうちにかえってからもシンジくんにでんわするんでしょ?」 「えっ! でんわ!?」 アスカちゃんは、モモちゃんの以外な質問に戸惑いました。 何しろアスカちゃんとシンジくんは、最初からお隣りさんでおまけに昨年のアスカちゃんの誕生日から同棲?生活をしているため、シンジくんと電話で話した回数は数えるほどありませんでした。(^^;; モモちゃんや他のクラスの皆は、アスカちゃんとシンジくんが同じ部屋で生活しているとは知りません。 モモちゃんは、世間一般のカップルのイメージでワクワクしながらアスカちゃんとシンジくんの会話を期待していました。 「ねぇ、やっぱりシンジくんからアスカちゃんにでんわしてくるの? それとも、アスカちゃんからするの?」 「えっ!・・・・・あのぉ?・・・・・・そのぉ?」(^^;;;; アスカちゃんは、覚えのない電話の話題でしどろもどろになってしまいました。 しかし、質問したモモちゃんは、アスカちゃんの表情が照れだと誤解しました。 「やっぱり、アスカちゃんってふだんはこんなにげんきだけど、でんわではシンジくんにあまえるんでしょ?」 「えっ! まぁ・・・・・そうね。」(^^;;; 「で、どっちからきるの? アスカちゃん? シンジくん?」 「えっ! どっちかなぁ・・・・・・」(^^;;; 「ねぇ、でんわのおわったあとってやっぱりさびしい?」 「えっ! そっ、そうね」(^^;;; アスカちゃんは、まったく経験がないシンジくんとのラブコールをただ笑って相槌を打って誤魔化しました。 そして、2人が分かれる街角にくると、アスカちゃんは急に大声で 「ごめん! アタシ、しーちゃんにこれからでんわするんだ、じゃあねっ!!」 と、モモちゃんから逃げる様に走り去りました。 そして、碇家に帰宅するアスカちゃんは、ユイさんのところに一目散に駆けより抱きつきました。 「(トタトタトタトタトタトタ!) ユイママぁ〜〜〜!!」 「きゃぁ!! どうしたのアスカちゃん?」 夕食の準備中だったユイさんは、後ろからアスカちゃんに抱きつかれて驚きましたが、 それも一瞬で普段のユイスマイルを取り戻し、アスカちゃんに尋ねました。 「(もじもじ・・・・・) ユイママ、お願いがあるの?」 「なぁ〜に、アスカちゃん?」 アスカちゃんは、さすがに自分の親でないユイさんに強請るとあって少し遠慮ぎみに言いました。 「ううんとね、アタシでんわがほしいの?」 「えっ、電話? でも、アスカちゃん、電話なんて何に使うの?」 さすがのユイさんでもアスカちゃんの電話の意図が分からず尋ねました。 「うん・・・・・・ アタシ、しーちゃんとでんわでおはなししたいの。」 「でも、アスカちゃん・・・・・・」(^^;; それから、アスカちゃんは今日の帰りにモモちゃんと話した事をユイさんに話しました。 「・・・・そう、そうだったのアスカちゃん。 いいわ、アタシがお父さんに頼んでアスカちゃんとシンジの専用電話を用意させるわ。」 「ありがとう、ユイママ!!」 そして、シンジくんが帰宅し、夕食の後に部屋に入ると、部屋の中に見慣れないモノを2つ見つけました。 「あーちゃん、これなに?」 アスカちゃんは、シンジくんに尋ねられて得意顔で答えました。 「えへっ、これは、アタシセンヨウのでんわで、 そっちは、しーちゃんセンヨウのでんわよ。」 シンジくんは、アスカちゃんの説明を受けてまじまじとシンジ専用の携帯電話を見つめました。 「・・・・・これが、でんわなの?」(^^;; シンジくんは、ダイヤルも無い子機を改造した携帯電話を見て尋ねました。 「そうよ、ユイママにおねがいしてもらったの! ほら!!」 アスカちゃんは、楽しそうにアスカちゃん専用の携帯電話のボタンを押しました。 Prrrrr! Prrrrr!! シンジくんは、突然鳴り出したシンジくん専用電話にでました。 「はい!」 『もしもし、しーちゃん!?』 シンジくんは、電話の相手がアスカちゃんだと分かり、ベッドを挟んで向かい合って電話で会話を始めました。 「もしもし、あーちゃん?」 『なぁ〜に、しーちゃん?』 「もしかして、これは?」 『そう、しーちゃんとアタシだけのでんわなの!!』凸(^0^) シンジくんは、部屋の中で電話を自慢するアスカちゃんを見て頭の大きな汗つけました。 「あーちゃん、ボクたちはおなじへやにいるんだよ?」(^^;; 『そうよ、とうぜんでしょ! アタシたちはふぅ〜ふなんだから!!』 「じゃあ、どうして?」 シンジくんは、当然の如く、当たり前の質問をしました。 『だって、アタシたちっていままでにこいびとどうしのラブコールしたことなかったでしょ!?』 「う、うん」 『だぁ〜かぁ〜ら きょうからしーちゃんと ラブコール することにしたの!』 「そ、そう、よかったね。」(^^;; シンジくんは、呆れましたが、アスカちゃんの嬉しそうな顔をみて、ただ乾いた笑顔で答えました。 しかし、アスカちゃんは、シンジくんとの始めて?のラブコールが嬉しくてシンジくんの顔が分かりませんでした。 『そうでしょ! そうでしょ、しーちゃん!! しーちゃんもアタシとおはなしできてうれしいでしょ!!』 : : : そして、シンジくんはアスカちゃんとのラブコールに延々3時間ユイさんが覗きに来るまで付き合わされました。 「(トントン)シンジ、どうしたの? こんなところでグッタリして?」 「・・・・・えっ、おかあ(!)」 『ピッ!』 「ありがとう、ユイママぁ〜〜〜!!」 シンジは、朦朧とした表情でユイさんの方を振り向きましたが、シンジくんの後からアスカちゃんはベッドを踏み台にしてユイさんに飛びつきました。 「まぁ! アスカちゃん!! シンジとお話できて、満足できた?」 「うん、ユイママ!! ユイママがくれたでんわでしーちゃんといままでおはなししていたの!!」 シンジくんは、アスカちゃんの言葉を聞いて恨めしそうにユイさんを睨みました。 「おかあさん、おかあさんがあーちゃんにこれあげたの?」 「そうよ、シンジ アスカちゃんが欲しがっていたから、昔使っていた電話を改造してあげたのよ。 あっ! これはお父さん公認よ。 だから、シンジはアスカちゃんと電話でお話するのよ!」 ユイさんは、にこやかに微笑みながら、有無を言わさない迫力でシンジくんに言いました。 勿論、両親公認(強制)のラブコールにシンジくんは逆らえません。 「う、うん」(^^;; こうして、シンジくんとアスカちゃんの日課にラブコールが追加されました。(^^;; そして、2人が電話を持ってから最初の日曜日 アスカちゃんは、早朝から目を覚まし、今日はシンジくんと何を話そうかアレコレ悩んでいました。 「きょうは、しーちゃんとなにをはなそうかしら? きのう、しーちゃんといっしょにみたテレビをはなそうかしら? それとも、ようちえんでしーちゃんといっしょにあそんだことかしら? やっぱり、おひるにしーちゃんとたべたおべんとうのはなしもすてがたいわね。 そうだ、さいしょはアタシのあいのモーニングコールよ!!」 そして、アスカちゃんは何時もの起床時間になったのを確かめてから枕元においてある愛用の電話で、隣に寝ているシンジくんを起こそうと目論見ました。 Prrrrr! Prrrrr!! アスカちゃんは、シンジくんが電話に出たら、モモちゃんに聞いたように優しい言葉で起こそうと思いましたが、 先週からのちびっこサッカーの練習とアスカちゃんとの電話の話し相手に疲れたシンジくんは、アスカちゃんの電話を目覚ましと間違えて【保留】ボタンを押して止めてしまいました。 「むにゅむにゅ・・・・・(ぽちっ!)」 それを隣で見ていたアスカちゃんはわなわなと振るえて閃光一発のピンタをシンジくんに浴びせて部屋を出て行きました。 「(☆パシィーーーーン!!) しーちゃんのばかぁーーーーーーーー!!」 「ふへっ? なに、なんなの??」 後に残されたシンジくんは、何事かと飛び起きましたが、既にアスカちゃんの姿はありませんでした。 「あっ・・・・あーちゃん?」 シンジくんは、すこしぼぉーとしてから、アスカちゃんが怒って部屋から出ていったの認識しました。 そして、枕元の電話の保留ボタンになっているのを気がつきました。 「あれっ? どうしてほりゅうになっているんだろう? これは、あーちゃんとのせんようでんわだから ・ ・ ・ ・ もしかして、あーちゃんからのでんわを!!」 シンジくんは、アスカちゃんが怒った理由が分かり、慌てて部屋から飛び出していきました。 そして、リビングで寛いでいた両親にアスカの事を尋ねました。 「おかあさん、おとうさん、あーちゃんどこいったかしらない?」 「さぁ、わしは知らんぞ!」 「えっ、シンジ! 今日はアスカちゃんとお出かけじゃなかったの? アスカちゃんなら、走って外に出かけていったわよ。 『しーちゃんとこうえんでまちあわせ』だって!!」 シンジくんは、アスカちゃんがユイさんに頼んだ伝言を聞き慌てて外出しようとしましたが、 ユイさんはシンジくんを引き止めて、こっそり小遣いを渡しました。 「はい、シンジ これでアスカちゃんと何処か遊びに行ってきなさい。」 「えっ、おかあさん!?」 「あんまりお嫁さんを泣かせちゃ駄目よ!」 「うん! ありがとう、おかあさん!!」 日曜日の午前中の公園は、平日よりも親子連れで賑わっていましたが、その中でただ独りアスカちゃんは、暗くベンチで蹲っていました。 「しーちゃんのばか・・・・・・・・ しーちゃんのばか・・・・・・・・ しーちゃんのばか・・・・・・・・ しーちゃんのばか・・・・・・・・ : : : : しーちゃんのばか・・・・・・・・」 アスカちゃんは、独り言を繰り返し、繰り返し呟いていました。 アスカちゃんのその姿は、傍から見ても暗く寂しく、誰も近づけない領域を作っていました。 そして、暫くするとアスカちゃんの隣に誰かが座りましたが、アスカちゃんは振り向きませんでした。 どすん! 『だれよ、だれなのよ!! アタシは、ひとりでいたいの! ちかくによらないでよ!!』 アスカちゃんは、隣に座った人影に悪態をついてその場を立ち去ろうとした瞬間 アスカちゃんの手の中の電話が鳴り出しました。 Prrrrr! Prrrrr!! アスカちゃんはシンジくんからの電話に出るのに躊躇しました。 『しーちゃんからのでんわ・・・・・ どうしよう・・・・・・ でも、でんわであやまるなんて・・・・・・』 アスカちゃんは、右の耳に電話をあてました。 「なあに、しーちゃん?」 『ごめんね、あーちゃん』 「ごめんね、あーちゃん」 「えっ、しーちゃん!!」 アスカちゃんは、右の耳から聞こえてくるはずのシンジくんの声が左の耳からも聞こえてきて驚いて振り向くと アスカちゃんの後ろから抱きしめる形で左の耳に電話をあてているシンジくんの顔がありました。 「ごめんね、あーちゃん。 あーちゃんがおこしてくれたのにでんわきっちゃって・・・・・」 アスカちゃんは、シンジくんの抱擁とステレオの謝罪を聞いて一瞬戸惑いましたが、 アスカちゃんは電話をベンチに置いてシンジくんに抱きつきました。 「あーちゃん?」 「しーちゃん、もっといって!」 「ごめんね、あーちゃん。 あーちゃんがおこしてくれたのにでんわきっちゃって・・・・・ あーちゃんがボクのためにおこしてくれたのに・・・・・ あーちゃんをきずつけることをしてごめんね。 どんなにあやまってゆるされないけど・・・・・ごめんね、あーちゃん」 シンジくんは、胸の中で俯いているアスカちゃんに誠心誠意謝りました。 そして、少しの間をおいて、アスカちゃんはシンジくんにキスをして囁きました。 「(チュッ!)うん! しーちゃんのこと、ゆるしてあげる。」 「ごめんね・・・・ ありがとう、あーちゃん」 : : そして、シンジくんの腕の中で何時ものアスカちゃんの顔が戻ると、シンジくんはさっきの事を尋ねました。 「あーちゃん? どうして、さっきでんわやめたの?」 「えっ・・・・・・ だって、やっぱり・・・・・・ しーちゃんのやさしいことばは、でんわなんかよりもちょくせつききたかったの。」(*^0^*) アスカちゃんは、真っ赤になって照れながら言いました。 でもシンジくんは、そんなアスカちゃんを見てより一層愛しくなり強く抱きしめました。 「えっ、しーちゃん!?」 「あーちゃん、ボクも、ボクもあーちゃんをこうしてだいていたかったんだ。 だって、あーちゃんとでんわではなすときは、あーちゃんをだきしめられなくてさびしかったんだ!!」 アスカちゃんは、シンジくんの胸にまわしている腕の力で答えました。 「えっ、あーちゃん?」 「アタシも、アタシも・・・・ほんとうは、こうしてしーちゃんにだいてもらえなくてさびしかったの。」 「あーちゃん・・・・・」 「しーちゃん・・・・・」 ・・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・ こうして、シンジくんとアスカちゃんの携帯電話でのラブコールは、1週間で廃止になりました。(^^;; そして、月曜日の朝 アスカちゃんとシンジくんは、幼稚園への通園路でモモちゃんと一緒になりました。 モモちゃんは、今日も仲のいい2人を見て、興味深々でアスカちゃんに尋ねてきました。 「ねぇ、アスカちゃん? シンジくんとでんわでなにはなしているの?」 その質問を聞いたアスカちゃんは、シンジくんとニヤリと微笑んでから 「アタシとしーちゃんのあいだには、そんなものいらないの!凸(^◇^) だって、アタシとしーちゃんはみつめるだけでわかるんだもん!! ねぇ〜〜、しーちゃん!!」 「うん、そうだね!!」 「ははは・・・・・そうなの、ふたりはアイコンタクトできるんだ」(^^;;;;; アスカちゃんは、嬉しそうにシンジくんの腕を捕まえるとその場に立ち尽くしたモモちゃんを忘れて楽しそうに歩き始めました。 「さあ、しーちゃん! いきましょう!!」 「うん!!」 勿論、アスカちゃんとシンジくんのラブコールはMDに録音され、公園での光景はDVDに収録されました。 そのDVDには と書いてありました。 後書きです。 う〜〜ん やっぱりこの2人には、ラブコールは必要ないですね。 何しろ、起きる時から寝る時まで一緒の2人ですから!! 好奇心旺盛なアスカちゃんには、シンジくんとのラブコールも新鮮なんでしょう。 でも、ラブコールよりも最後はシンジくんの耳元での囁きに軍配が上がりましたね。(^^;; ちなみにモモちゃんは、あるゲーム(「こみパ」とも言います)に登場するキャラクタをイメージしました。 次回は、期限が迫っている記念品の予定です。(^^;;; では、また!! |
急にモモちゃんにシンジ君との電話の話を振られて慌てているアスカちゃんの姿が印象的でした。
そりゃあアスカちゃんは電話なんかした事ないでしょうね。
でもそれに適当に相槌うっているアスカちゃんも世間体というかそんなものを気にしたんでしょう。
しかっりユイさんに伝言を頼んでいるアスカちゃんに「しっかりしているぞと」と突っ込み入れちゃいましたが声だけじゃなく体のふれあいの方がいいとアスカちゃんもやっとわかったようですね。
最後,シンジ君の胸にまわしている腕の力を強めてさらに抱きしめてアスカちゃんもシンジ君に答えているのが電話なんかいらないとわかったアスカちゃんの答えなんですね(^^)
| 素晴らしい小説を書いて下さった作者にぜひ感想を!
感想は作者への感謝と次回作を生み出すエネルギーです。 |