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シンジとアスカは、強制執行された自分達の新居の部屋で、室内を見回して言いました。 「なかなか、良い部屋ね、シンジ。」 「うん、この部屋が、これからの僕達のスィートルームなんだよ。」 2人は、お互いの顔を見合わせて、ため息をつきました。 「はぁ〜〜〜〜、ねぇ、シンジ、鍵かけた?」 「うん・・・・・気休めだけどね。」 2人は、ヒシッ!と抱き合うと、自分を励ます様に囁きました。 「あーちゃん!! 僕とあーちゃんの愛は、こんな事では変わらないよ!!」 「アタシもよ、しーちゃん!!」 2人は、頬を摺り寄せてお互いを離すまいと、強く強く抱きしめました。 2人が、2人だけの場所と思った部屋は、ゲンドウさんを筆頭とする「2人の恋のメロディ」補完委員会がレイアウトした部屋でした。 つまり、部屋のいたる処に覗き様のカメラが設置されていました。 そして、そのカメラの先では、補完委員会の面々が、2人の悲しみの抱擁にうるうると泣いていました。 「シンジ、アスカちゃん、なんて可哀相なの・・・・・」 「アスカ、シンジくん、負けちゃ駄目よ。」 「シンジくん、アスカの事は、頼んだぞ」 「シンジ・・・・これも試練だ。」 ちなみに2人が泣いている原因は、他ならぬこの4人にあったのです。(^^;; 4人の企画した3世帯同居のための強制引越しが、原因だという事を4人はすっかり忘れていました。 覗かれている知らない(無理に忘れている)2人は、抱き合って2人だけの世界にのめり込んでいました。 「あーちゃん、初めて会った時からずぅ〜と好きだったよ。」 「しーちゃん、アタシもしーちゃんと初めて会った時から、アタシの王子様は、しーちゃんに決めていたんだから。」 : : しかし、暫らくすると、2人の抱擁を邪魔する輩が動きました。 アスカは、急にシンジの胸から顔を離すと、「うっ、気持ち悪い!!」と口に手をあてて、洗面所に駆け込みました。 シンジも後から付いて行くと、アスカの背中を優しく摩りながら言いました。 「アスカ、大丈夫?」 「うん、だいぶ良くなったわ。」 シンジは、アスカの口元を拭いてあげながら言いました。 「最近は、だいぶ治まっていたのにね。」 アスカは、痛々しい笑顔で微笑み返しながらいいました。 「うん、きっと環境の変化だわ。」 シンジは、アスカの健気な笑顔を見ると、抱きしめて言いました。 「アスカと僕達の子供は、僕がきっと守るからね。」 「・・・・・うん、よろしくね。パパ」 と、2人が洗面所でまた2人の世界に入ろうとした時、 洗面所のドアを蹴破って、シンジが今一番苦手なツインマザーズ(ユイ&キョウコ)が登場しました。 「アスカちゃん、ツワリが酷いならどうしてアタシ達に言ってくれないの。」 「そうよ、ママは、アスカと赤ちゃんの事が心配なのよ。」 アスカは、2人の母親に詰め寄られて、たじたじになりました。 「ママ、お義母様・・・・・」(^^;; アスカが、後づさり顔色を変えると、 これ以上、妊婦を刺激するのはいけないと判断したツインマザーズは、矛先をシンジに向けました。 「シンジ、話しがあります。こっちに来なさい。」 「そうですよ、シンジくん。」 「母さん、お義母さん・・・・」(^^;; ツインマザーズは、アスカの前でのシンジの尋問は、アスカの精神衛生上良くないと判断して、シンジをリビングに連行して行きました。 アスカは、連行されるシンジを引き止め様としましたが、キョウコさんがアスカを抱き留めると、アスカを寝室のベッドに寝かしつけて言いました。 「シンジぃ〜〜」(・;) 「アスカは、気分が良くなるまで寝ていなさい。」 「でも、ママ。」 「アスカは、心配しなくていいのよ。 私達は、シンジくんに妊娠中の旦那さんの心得えを教えてあげるのよ。」 そして、リビングのソファーに座らされたシンジは、ツインマザーズにくどくどと説教をされていました。 「シンジ、どうしてアスカちゃんがツワリが酷い事を言わなかったの。」 「アスカが、母さん達に心配させない方がいいっていうから・・・・」 「シンジ!! アスカちゃんは、あなたに心配かけたくないから我慢したのよ!! 夫であるあなたが、どうしてアスカちゃんの気持ちを分かってあげないの!!」 「・・・・はい」 ユイさんは立ち上がると、シンジくんに宣言しました。 「シンジ! 罰として、アスカちゃんのツワリが治まるまで、ここの家ではアスカちゃんと同じ食事をするのよ!!」 「でも、母さん。」 「何を言うのシンジ!! アスカちゃんが苦しんでいるのにあなたは、のうのうと何もしないの!!」 「分かったよ、母さん。」(−−;; シンジは、ユイさんの迫力に負けて、ユイさんの案を飲みました。(^^;; 夕食の時間になり・・・・・ シンジは、食卓に並ぶモノを見て困りはてました。 「母さん、おやつなの?」(^^;; 「何、言ってるの。夕食よ!!」 シンジは、テーブルの上に並んでいる料理を見て頭の大きな汗を付けました。 シンジが見た料理は、クラッカーの上にチーズ、きゅうり、ハムなどが乗っている「カナッペ」という料理でした。 ユイさんは、アスカに笑顔でいいました。 「アスカちゃん、つわりがひどい時は、食欲がないけど、何か食べなきゃあ駄目よ。 こんな風な料理ならアスカちゃんが好きな組み合わせを食べれるでしょ。」 アスカは、ユイさんの心遣いに涙を浮かべて答えました。 「はい、お義母様!!」(・;) 一方、シンジは、食卓にカナッペしかないので、涙目で2人の父親に訴えました。 「・・・・・父さん、お義父さん。」 しかし、シンジが助けを求めた2人の父親は、諦め顔で首を振りました。 「シンジ、家での父親の威厳とはそんなもんだ。」 「シンジくん、男とは時には我慢も大切だぞ!!」 「・・・・・分かったよ、父さん。」(・;) そんな男性3人を無視して、ユイさんは明るく言いました。 「さあ、食べましょう。アスカちゃん!!」 「はい、お義母様!!」 そして、ユイさんは、笑いながらも眼でシンジを威嚇して、シンジに言いました。 「シンジ、好き嫌いは駄目よ!!」 「・・・・はい、母さん。」 こうして、碇・惣流・碇家の夕食は、笑顔と涙があふれるモノとなりました。(^^;; 注意:ちなみにカナッペは、食欲の無い妊婦には、最適な食事ですが、健康な成人では、モノ足りません。 ユイ&キョウコの2人は、スーパーの試食コーナーで十分食べていました。(^^;; その日の深夜 アスカを寝かしつけたシンジは、お腹を空かせて台所をゴキブリの如く徘徊しました。 「まったく、母さん達は、アスカと赤ちゃんの事ばかり、考えて・・・・・」 シンジが愚痴りながら、冷蔵庫を開けて覗こうとすると、後ろからシンジの肩を誰かが叩きました。 シンジは、 ”しまった!! ツインマザーズに見つかった!!”(×◇×) と、諦めて後ろを振り向くと、其処にはポットを持ったゲンドウさん、カップラーメンを抱えた惣流さんが立っていました。 ゲンドウさん達は、シンジが開けた冷蔵庫を閉めて言いました。 「シンジ、冷蔵庫を荒らすと、1週間は食事抜きだぞ。」 「まあ、碇。シンジくんは若いからな。 それより、シンジくん一緒にこれを食べるかい。」 惣流さんは、シンジにカップラーメンを1つ渡しました。 シンジは、渡されたカップラーメンを見て、涙目でつぶやきました。 「・・・・父さん、お義父さん、ありがとう。」 3分後 シンジは、ゲンドウさんたちと3人仲良くベランダでカップラーメンをすすっていました。 ずずぅ〜〜〜〜 ずずぅ〜〜〜〜 ずずぅ〜〜〜〜 「まったく、カップラーメンは、日本が生んだ20世紀最大の発明だな。碇?」 「あぁ・・・・学生の頃を思い出すな。」 ずずぅ〜〜〜〜 ずずぅ〜〜〜〜 ずずぅ〜〜〜〜 「父さん?」 「何だ、シンジ?」 「あのぉ・・・・・」 「用件がないなら、早く食べろ!!麺が伸びるぞ!!」 ずずぅ〜〜〜〜 ずずぅ〜〜〜〜 ずずぅ〜〜〜〜 「ねぇ、父さん? どうして、父さん達カップラーメンなんか買い置きがあるの?」 ずずぅ〜〜〜〜 ずずぅ〜〜〜〜 「ねぇ、父さん?」 ずずぅ〜〜〜〜・・・・ ずずぅ〜〜〜〜・・・・ ゲンドウさんは、カップラーメンを食べ終わると、髭にナルトを着けてシンジに言いました。 「シンジ、よく聞くんだ。」 「うん。」 「これは、だな・・・・」 「これは?」 「夫婦喧嘩のための備えなんだ。」 「・・・・・夫婦喧嘩」(^^;; 「シンジは、物心つく頃からアスカちゃんと2人で食事してきたから分からんが、 ユイは、喧嘩すると何時も家事をボイコットするんだ。 ひどい時は、3日も飯抜きなんだぞ。」(TT) 「碇、お前はまだいいぞ。キョウコは1週間の時もあるぞ。」(TT) 「父さん、お義父さん、苦労してるんだね。」(^^;; 「「分かってくれるか、シンジ(くん)!!」」 2人の父親は、シンジの両肩をつかむと涙を流して、肯きました。 シンジは、この頼もしくて頼りない父親に笑顔で答えようとしましたが、2人の後ろで光る4つの瞳を見つけて青ざめました。 「父さん・・・・・う・・・し・・・ろ」 ゲンドウさんと惣流さんが、慌てて振り向くとそこには、真っ赤な炎を背負ったツインマザーズ立っていました。 「ユ、ユ、ユイ!!」 「キョ、キョ、キョウコ!!」 「こ、こ、こ、これには訳が・・・」 「そ、そ、そうなんだ!!」 「シンジがお腹を空かせて可哀相だから。」 「そ、そう、シンジくんが、あまりにも可哀相だから。」 ユイさんは、弁解の余地無しと宣言しました。 「1週間カナッペね!!」 続いて、キョウコさんが止めの一言を言いました。 「来月から、お小遣いカット!!」 「「そ、そ、そんなぁ〜〜」」(TT)(TT) 「「何か、文句あるの、あ〜なぁ〜たぁ〜」」 「「いえ、ありません。・・・・」」 こうして、2人の父親は、しぶしぶとベランダから追い出されました。 残されたシンジは、ツインマザーズから悪魔の取り引きを持ち掛けられました。 「シンジ、いくらお腹が空いていても、1日くらい我慢できないの?」 「うん。」 「じゃぁ、シンジ。1つ取り引きしない?」 「取り引き?」 「アタシ達の考えた名前を赤ちゃんに付けてくれたら・・・・」 「くれたら?」 「お父さん達のお小遣いをシンジにあげるわ。」 シンジは、即座にニヤリと笑い肯きました。 そして、9月のある日 碇・惣流・碇家の近所の産婦人科病院に、ある妊婦が出産の為、入院しました。 初産の奥さんと付き添いの旦那さんは、お約束通り落ち着かずオロオロしていましたが、 その2人に付き添う親達4人は、少し変っていました。 これから祖父と呼ばれる2人は、色んな撮影器材を用意していました。 14年前から愛用のDVDカメラ 初孫撮影用に特注したレトロなスチール写真撮影用カメラ 初孫の第1声を録音する為の集音マイク 撮影用のレフ板、スポットライト これらの器材が分娩室前に用意されたので、病院の看護婦は呆れて何も言えませんでした。 そして、これから祖母と呼ばれる2人は、人名占いの本を読みながら、廊下で習字の用意に励んでいました。 勿論、看護婦は諦めて、何も言えませんでした。 4人は、一通り用意が整うと、お互いの顔を見合わせてニヤリと笑いました。 「あなた、女の子でしたら、私の考えた名前ですからね。」 「あなた、男の子でしたら、私の考えた名前ですよ。碇もいいですね。」 ユイさんとキョウコさんは、片手に半紙を持っていいました。 勿論、ゲントウさんと惣流さんは、反論できません。 「ふっ、問題ない・・・・その代わり」 「その代わり何ですか、あなた!?」 「「我々の小遣いの支給再開を・・・・・頼む」」<(_)><(_)> ユイさんとキョウコさんはお互いに微笑むと、宣言しました。 「その代わり、赤ちゃんのオムツ代は、差し引きますからね。」 こうして、ゲンドウさんと惣流さんの小遣いは、無事再開されました。 それから数時間後 オンギャア〜〜 オンギャア〜〜 オンギャア〜〜 オンギャア〜〜 オンギャア〜〜 オンギャア〜〜 ゲンドウさん達4人が見守るドアの向こうから、元気な赤ちゃんの産声が聞こえてきました。 その声を聞いたゲンドウさん達は、一目散に分娩室に駈け込みました。 「「「「シンジ(くん)、アスカと赤ちゃんの具合はどうなの!?」」」」 「「「「で、赤ちゃんはどっちなの?」」」」 分娩室でアスカの出産に立ち会っていたシンジは、親達のあまりのユニゾンに笑いながら答えました。 「はい、アスカも赤ちゃんも無事です。 赤ちゃんは、立派な女の子ですよ。」 これを聞いた4人は、一旦廊下に出て、廊下で用意していた器材を分娩室に搬入しました。 その光景を唖然として見ていたシンジにゲンドウさんは、モデルの仕事を申し付けました。 「シンジ、なにぼさっとしている。早くアスカちゃんの枕元に行け!!」 シンジは、言われるままにアスカの枕元に寄り添い、アスカに囁きました。 「アスカ、ゴメンね。 これから、お父さん達の撮影大会みたいだよ。」 「いいのよ、シンジ。・・・・それより名前は考えてくれた?」 「うん。」 シンジは、ユイさんから渡された半紙をアスカに見せました。 |
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ア ユ カ |
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アスカは、その名前を見て、微笑んで言いました。 「シンジ、大変だったのね。」 「やっぱり、分かるかい。」 「えぇ、だってその名前、お義母様が考えたんでしょ。」 「・・・うん」(^^;; 「アタシの名前とお義母様の名前を組み合わせて作ったのね。」 シンジとアスカが、名前を話していると、寝ていた赤ちゃんが何故か嬉しそうに声を出しました。 「。。。。だぁ」 「あなた、アユカは、名前が気に入ったようよ。」 「まさか、まだ聞こえないだろ!?」 「でも、ほら笑っているわ。」 : : 勿論、我が子を撮影して15年のベテランの親たちは、若い親子の何気ない会話、表情を漏らさず収録していました。 カメラ、マイクを扱いながらも4人は、15年前の2人の出会いを思い出していました。 パチーーーン!! 「よろしく、しんじくん」(^^) : : 「「「「あれから、15年・・・・・待ちに待った我が孫よ!!」」」」 (・;)(・;)(・;)(・;) そして、収録したDVDには、 と書いてありました。 後書きです。 \(^0^)なしつぶさん、「EF5」30万ヒットおめでとうございます!! なしつぶさんが、マシン整備に追われている間にとうとう達成しましたよ。(^^;; 反省!! う〜〜ん、前回と違い、今回は作成期間が短くてうるうるでした。<(_)> 色々考えましたが、赤ちゃんの名前は、アユカにしました。由来は、本文中の通りです。 実は、今回一番苦労したのは、2人の間の呼び名です。 恋人では「あーちゃん」「しーちゃん」でもいいですが、 子供が出来て、「アスカ」「シンジ、あなた」に変更しました。 次回からは、子育ては4人に任せて、2人は遊ばせます。(う〜ん、特別編なんですが、おかしいですね。(^^;;) では、また |
NASAさん,30万ヒット記念ありがとうございますm(__)m
今回もすばらしい作品をありがとうございました。
今回は大活躍?の補完委員会の面々,特にツインマザーズにはシンジ君もたじたじですね。
それにつけてもベランダでカップラーメンをすすっている父親3人(1人はまだですね)にはなしつぶ男として読んでて哀愁を感じました(^^;
アユカちゃん,いい名前です。なしつぶ気に入りました。
でも孫が生まれてツインマザーズはツイングランドマザーズになったということですよね。
次回は子供をほっぽっておいてあそばせるですか。
いいかもしれませんね。なにせ何時NASAさんの他のHPでの投稿小説のように主役を子供に奪われるかわかりませんからね〜(^^)
| 素晴らしい小説を書いて下さった作者にぜひ感想を!
感想は作者への感謝と次回作を生み出すエネルギーです。 |