おませな恋のメロディPS6

(レイちゃん 新たなお友達の章)

 Written by ロン

 

 

ここ、第三新東京市の外れにある葛城家では、レイちゃんの下宿最終日が訪れていました。

 

「きょうでいえにかえれるのね(ウルウル)」

レイちゃんは自分でも帰れることに感動していました。

「おもえばとてもながかったわ・・・」

レイちゃんはこの一ヶ月のイヤな事が走馬燈の如く頭に浮かびました。

毎日ビールを飲まされた事・・・・・

ゴミ捨て場がお姉さんの寝室だったって事・・・・・

寝る時はお姉さんから10メートル以上離れて寝る事・・・・・

お姉さんの作ったモノは絶対に食べない事・・・・・

ドライブ誘われたら死んでも拒否する事・・・・・

トルルルル〜〜〜〜〜〜

トルルルル〜〜〜〜〜〜

 

「はい、もしもし」

「レイ?」

「おばあさま・・・」

「葛城さんとの生活はどうでした?レイ」

「・・・・・なんとかなりました」

「そうですか」

「はい」

「よく頑張りました。ご褒美にプレゼントがあります」

「・・・プレゼントですか?」

「そちらへ迎えに行く時に渡します」

「ここにくるのですか?」

「ええ、楽しみにしていなさい」

「・・・・・たのしみにしてます」

「じゃあね、レイ」

「はい、おばあさま」

 

プツーーーー

 

 

おばあさま、ここに来るのね

まずいわ、早く片づけなきゃ!!

こういう事に関しては容赦ない方だから、私にまでとばっちりが来る!!

レイちゃんは辺りを見渡して、ゴミを片づけようとしました。

「レイちゃーん、誰からだったのーー?」

ミサトさんは、トイレから戻ってきました。

「おばあさまからです。おねえさん」

「なんて?」

「えぇーと、もうすぐしたらむかえにくるそうです」

私は片づけを急いでるの!!

いちいち声をかけて来ないで!!

「それだけ?」

「・・・・いえ、それとプレゼントをもってくるそうです」

「プレゼント?ふ〜ん、楽しみねぇ〜♪(にやり)」

レイちゃんはミサトさんの怪しい?顔を見て、「おねがいだから、ことをおこさないで!!」と心の中で叫びました。

ミサトさんのあの顔を見た時は、必ず騒ぎが起きる事をレイちゃんは身をもって知っていました。

「その前に・・・」

「???」

「ハイこれ!」

ミサトさんはレイちゃんにメモを渡しました。

「?・・・・なんですか、このメモ?」

「シンちゃんと二人っきりでデートが出来る策が書いてあるわ」

「さく?」

「そうよん、この通りに実行すればシンちゃんなんかイチコロよん!!」

「・・・・・」

「どうしたの?」

「・・・・イチコロって、なんですか?」

「え!?し、知らないの?」

「はい」

「じゃあ・・・・メロメロは?」

「それもしりません」

ミサトさんは顔が引きつってしまいました。

そんな・・・・この単語がもう死語なんて・・・

やだ・・・私はまだ20代なのよーーーー!!

・・・・二十代後半だけどね(ボソッ)

まだ、若者の中に入ってなきゃ駄目なの!!

若者の言葉が分からなければ、中年のおばさんになってしまう!!

これではまずい!!!

「れいちゃ〜ん、ちょっと聞きたいんだけど〜♪(ニコ)

「な、なんですか?(こ、こわいわ)

ミサトさんは愛想の良い顔をしてレイちゃんに話したつもりが、レイちゃんには「先ほどの引きつった顔+愛想の良い顔=とても恐い顔」に見えて怯えてしまいました。

「え〜とね(なんで怯えてるのよ!!私の最高に可愛い笑顔で・・・)

「・・・・・」

「自分のことを好きにさせちゃうとか、虜にしちゃう時に使う言葉を教えてくれる?」

「わ、わたしはしりません、きいたことはありません」

当然です!!5才の子供がそんなことを知っているはずがありません。

「じゃあ教えてあげるから、これからはそう言うこと」

「はい」

「う〜とね、レイちゃんがある事をして、シンちゃんがレイちゃんの事を好きで好きでたまらまくなる事を、メロメロにするって言うの」

「メロメロ・・・(ポッ)」

「分かったようね。このメモの通りにしたら、シンちゃんなんてメロメロよ〜ん♪」

「わたし、このことばがすきになりそう・・・(ポッ)

レイちゃんは心の中で「メロメロ」を反芻しました。

「あっ!それと、アスカが文句を言ってきた場合の対処法も書いてあるからね」

「・・・・・ホントにだいじょうぶなんですか?(ジト〜)

レイちゃんは今までのミサトさんの行動&言動に不信感を抱いていました。

「な、なによ〜、その目は!!大丈夫だって、お姉さんに間違いは無いわ!!」

「ジト〜〜〜!!」

「わ、私だってビール10年分がかかってるんだから!!」

レイちゃんはミサトさんのビールに対する執着心は凄いことを知っているので信用する事にしました。

「デートができなかったら、おばあさまにいいつけます

「も、もちろんよ(くっ、侮れないわね)」

レイちゃんがこうなったのも、ミサトさんが原因なんですけど・・・

 

 

ピンポーーーン

ピンポーーーン

 

うそ!?もう来たの?

まだ全然片づいて無いのに・・・どうしよう

レイちゃんはオロオロしてます。

「はいはい・・・」

ミサトさんはレイちゃんのその態度を気にせずに、玄関へ向かいました。

 

「お世話になっております・・・」

玄関に居たのはレイカさんでした。

「綾波レイカさん?」

「葛城ミサトさんですね」

「はい(思ったより若そうね。おばあさまってより、奥様って感じよね・・・)」

 

<リビング>

ど、どうしよう

まずは、挨拶よね?

レイちゃんはおばあさまが怒った時の恐さを知ってるので、気が気じゃありません。

何としても、このリビングに見せずにしなければ・・・

レイちゃんは、玄関で済ます方法を頭で考えながら玄関へと行きました。

その際に、手と足の動きが同じなのは動揺しているせいでしょうか?

「い、いらっしゃいませ。おばあさま・・・」

「よくこの生活に耐えたわね、レイ」

「??・・・・耐えたってどういう意味ですか?」

「はい、普通はホームシックなどになると聞いておりますので・・・」

「ああ、そういう意味ですか」

レイカさんはミサトさんの指摘に、別の理由で返答ました。

ミサトさんは何か納得出来ませんでしたが、気にしないことにしました。

「・・・・はい」

レイちゃんは、おばあさまが分かっていた事にようやく気付きました。

おばあさま・・・知ってて私をこの家に住まわせたのね

ここに来て、何かメリットがあるの?

この生活をしたら、シンジくんを奪えるの?

私・・・分からない・・・

レイちゃんは、レイカさんも信用出来なくなりそうでした。

レイカさんがレイちゃんを此処に住まわせたのは、どんな事があろうと負けない神経を養うため・・・

いわゆる、図太い神経にさせるためでした。

成功したかどうかは、分かりませんが・・・

「さてレイ、帰る用意はしてありますか?」

「はい、すぐにかえれます。」

レイちゃんはそういうと、小さいバックを一つだけ持っていました。

来るときは車に入りきらない位の荷物だったのですが、ある方のお陰で捨ててしまったのです。

 

<レイちゃんのイヤな思い出より抜粋>

「あのう、おねえさん。わたしのTシャツはどこにあるかわかります?」

「ああ、洗濯機に中にあるんじゃない」

レイちゃんはミサトさんに聞き、洗面所へ向かいました。

「・・・・な、なにこれ」

レイちゃんはTシャツを見てみると、真っ白だったのがピンク色になっていました。

なぜ洗濯機がピンク色になってるのか調べてみると、ワインをこぼした時に拭いた、雑巾と一緒に入っていたからです

「・・・・・」

その他いろいろと小さくなって着れない服とか、シルクがボロボロの布切れになってたり・・・・

「あのひとにまかせても、ろくなことにならない」

レイちゃんは洗濯を自分ですると決意したのですが、その次の日もミサトさんはお構いなしに洗濯するのです。

レイちゃんも頭にきて、文句を言いました。

(ムッ)おねえさん!!じぶんのせんたくは、じぶんでします!!

「な〜に言ってんのよ。洗濯する時なんか、椅子もって来なきゃ届かないくせに・・・」

「・・・・・」

「洗面所を椅子使わずに出来たら、自分ですればいいわよ」

「・・・・・」

レイちゃんは何も言い返せませんでした。

顔を洗う時や歯を磨く時などは、いつも椅子を持って行きました。

レイちゃんは悔しいのですが、仕方がありません。5才ですから、背が届かないのは当然です。

 

<玄関>

イヤな事を思い出しちゃったな

でも・・・・結構楽しかったかな?

どうしてだろう・・・・さっきまで早く帰りたいって思ってたのに・・・いざそうなると、寂しいな・・・

「・・・イ・ゃん・・・レイちゃん・・」

「は、はい。なんですか、おねえさん?」

「大丈夫?ボーっとしてたけど・・・」

「わたし、ボーっとしてたの?」

「思いっきりね。・・・あっ、分かった。この一ヶ月間の楽しかった事を、思い出していたわね(ニヤリ)」

「たのしかった?・・・なにが?」

辛かったの間違いじゃないの?

「へ!?楽しくなかった?私は楽しかったけどなぁ・・・うふふ・・」

「・・・・・」

レイちゃんはちょっとは楽しかったかなぁ・・・と思い、何も言いませんでした。

「悪いけどレイ、時間がないの」

「はい、すぐいきます」

「それじゃあ、葛城さん。本当にありがとうございました。お礼はアトで持ってこさせますね。」

「はい!!よろしくお願いします。」

レイカさんはそういうと、先に外に出ていきました。

「ミサトさん、ほんとうにありがとうございました。」

「レイちゃん!私たちは離れていても家族なんだから・・・ね!!」

「はい、おねえさん・・・グスッ・・・」

レイちゃんは今まで我慢していたのですが、とうとう泣いてしまいました。先ほどの回想から一気に今までの一ヶ月間を思い出したのでした。

「・・・・レイちゃん、泣かなくても大丈夫よ。たまには遊びに行ってあげるからねっ」

「グスッ・・・・グシュッ・・・お・・ねえさ・・ん」

レイちゃんはもう、まともに喋ることが出来ませんでした。

「ほらほら、レイカさんが待ってるわよ」

ミサトさんはレイちゃんの手を握って外に連れていきました。

 

「あれ?レイカさんが居ないわ?」

「・・・・・」

ミサトさんはレイカさんを捜したのですが、周りには誰も乗っていない軽自動車が一台あるだけでした。

レイちゃんもようやく落ち着いたのか、ミサトさんと一緒にレイカさんを捜しています。

「レイちゃん、何か聞いてる?」

ミサトさんはレイちゃんに尋ねたのですが、レイちゃんは頭をフルフルと振るだけでした。

ブルルルル〜〜

突然、誰も乗っていない軽自動車がエンジンをかけて、レイちゃんの前にゆっくりと進んで来ました。

ガチャリ

「どうぞ、乗ってくれる?」

いきなりドアが開き、中から声がしたのでレイちゃん達はビックリしてしまいました。

「早く、乗ってよ」

「な、何?・・・・・・これってもしかして・・・・・前世紀のTVにあったナイトライダーってヤツ?

「・・・・・」

レイちゃんは変なモノを見るような目で、ミサトさんはまるで宝物を見るようなキラキラした目で、自動車を見ていました。

「伝言があるの」

「伝言?」

自動車の問いに、ミサトさんが答えました。

「レイ?ビックリしてると思うけど、これが私のプレゼントです。綾波財閥の技術を駆使した自動車だから、安心して乗れるわよ。それと、人工知能も搭載しているから、私が居ないときにも話し相手になってくれると思います。名前はレイが決めてあげなさい。」

「おばあさま・・・」

レイちゃんはレイカさんの心遣いに感謝しました。

この一ヶ月間はミサトさんと暮らしていたので、一人ではありませんでした。しかし、帰ってしまうとレイちゃんはまた一人ぼっちです。使用人はレイちゃんと普通に話してくれませんし、シンジくんとはいつも一緒に居れる訳ではないのです。

「良いわ、これ・・・・」

ミサトさんは自動車を丹念に調べています。

外見はビートのようにとても小さくて二人乗りで、格好いいってより、可愛いという言葉がピッタリな軽自動車でした。

ミサトさんは謝礼を、ビール10年分の代わりにこれを作って貰うことを密かに心に決めたようです。

「早く乗ってくれる?」

「は、はい」

コンピューターの言葉通り、レイちゃんは自動車の運転席に腰掛けて、あれこれ見ています。

「こんにちは、レイ」

「アナタ、だれ?」

「私?名前はまだないわ。アナタに決めて貰うまでは」

ミサトさんが後ろに廻って、マフラーとかを調べている間にレイちゃんは、コンピューターに話しかけられていました。

「わたしがなまえをきめるの?」

「そうよ、これからはアナタが私のマスターになるんだから」

「マスター?」

「私の所有者って事!」

「・・・・そうなの」

「私の名前は決まった?マスター」

「・・・・・」

「?」

「マスターってやめてくれる?レイってよんでほしい・・・」

「分かった。じゃあレイ。・・・悪いけど、ちょっと飛ばすわよ!!」

「キャッ!!」

そういうと、自動車は黒煙をあげて走っていきました。

「ゴッホ・・・ゴホ・・な、何よあの車!!」

ミサトさんがマフラーを見ていた時に思いっきり排煙を浴びて、顔中真っ黒です。

「今度あったら覚えてなさい!!傷つけてやるんだから・・・」

ミサトさんは手をガッツポーズにしながら、走り去った方向に叫びました。

「何あの人・・・・怪しすぎると思いません?奥様」

「ええ、警察を呼んだ方が良いのかしら?」

ミサトさんは近くの人の声を聞き、慌てて家に帰って行きました。

 

「どうしたの、いきなり・・・」

「レイと一緒にいた人が私にぺたぺた触るから、気持ち悪くてね。」

「・・・・それで?」

「意地悪をしちゃった。テヘッ!」

レイちゃんは状況を考えて、お姉さんなら心配ないかという結論をだしました。

「このまま家へ向かうわね。」

「うん」

レイちゃんは流れる景色を見ながら、自動車の名前を考えていた。

「・・・マ・・ナ・・」

「マナ?」

「うん、あなたのなまえはマナよ」

「どうしてマナって決めたの?」

「わたしのおかあさんのなまえはレナっていうの。だから、にたようななまえをかんがえたら、マナになったの」

「・・・・分かったわ。これからはマナって呼んでね。」

「うん!!」

レイちゃんはお母さんを思い出しながら、家へと帰っていった。

 

と言うわけで綾波家では、長編編集したメモリアルS−DAT第3巻が作成されました。

 

題名は、

『〜おませな恋のメロディ(P・S)6〜レイちゃん 新たなお友達の章〜』

 

Fin

 

 

<後書き>

お久しぶりのロンです。(^^)

この度は更新が停滞してしまい、誠に申し訳ありません。m(_)m

次回は出来るだけ早く書き上げます。

次回は「レイちゃんVSアスカちゃん」です!!

それでは、第7弾でお会いしましょう。(^^)/~~~

 



次話



 なしつぶです

 レイちゃん,葛城家での苦行の1ヶ月ご苦労様でした。

それにしてもホッとしました。
なにが安心したかって言うとレイちゃんがミサトの影響をほとんど受けていないということです。
初めミサトに修行を受けるときに心配したことはレイちゃんの性格がいきなりミサト化,または学園エヴァのノリになってしまうことです。
 レイちゃんの純潔がミサトなんかに奪われないでなしつぶうれしいです(^^)
 

素晴らしい小説を書いて下さった作者にぜひ感想を!
感想は作者への感謝と次回作を生み出すエネルギーです。


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ロンねこ

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