おませな恋のメロディPS7
(レイちゃん 作戦開始の章)
Written by ロンねこ
「・・・ねぇ」
「なに?」
葛城家から綾波家の帰り道のことです。
「凄く長い間、時間が止まってた気がしない?」
「・・・よくわからない」
「やっぱり気のせいかなぁ・・・」
「どうして?」
「それがね、めちゃくちゃエンジンの調子が悪いの!!」
「・・・・・」
「なんて言ったらいいかなぁ・・・。例えば、長い間放置していた車をいきなり動かしたときとか・・・」
「じゃあ、こわれたの?」
「違う違う、そんなに大層な事じゃないわよ。加速が悪くなるとか、安定しづらくなるとか・・・って、レイに話しても分からないわよね?」
「?・・・わからないわ」
「でもね、『気のせい』なの」
「きのせい?」
「そう。私って、綾波財閥の技術の粋を極めた車なの。だからウォッシャー液の容量から、車内の空気清浄度に温度、タイヤの空気圧やエンジンの調子など、全て私が制御してるの」
「マナってすごいのね」
「そりゃ、コンピュータだからね♪だから、ちょっとでもエンジンとかの調子が悪いと分かるんだけどねぇ・・・・反応がないの。全てオールグリーンで全くの正常・・・」
「じゃあ、いいんじゃないの?」
「良いんだけど・・・・なんか見えない力で、無理矢理正常になってるような・・・」
「・・・・・」
「あとで車をみて貰うことにするわ」
「そうね」
「(きちんと調べて、もし時間が止まって停滞していたとしたら・・・作者は滅殺ものね!車はデリケートなモノなのに、この私をほったらかしていたら、タダじゃおかないから!!)」
こうしてきちんと調べてみたところ、約4ヶ月間も停滞させていた作者は、マナ(車)に土下座させられ、色々と使いっ走りにさせられたとか・・・(閑話休題)
(シンちゃんと二人っきりでデートが出来る策が書いてあるわ)
「そういえば・・・」
レイちゃんは、ミサトさんに貰ったメモを見てみることにしました。
メモといっても、きちんとした真っ白い封筒に入っています。
カサカサ
「?」
レイちゃんは『なにこれ?』と思いました。
封筒の中にあったのは、また封筒でした。しかも今度は四枚の小さい封筒です。そして、封筒には数字が書いてあります。
「どうしたの?」
マナがレイちゃんの声に反応して、訊ねました。
「ふうとうのなかにふうとうがあるの」
レイちゃんは、封筒の中に封筒が入ってたことに疑問を感じました。 まあ、普通はそんなことしないですから・・・
「封筒の中に封筒?・・・・ちょっと変わってるわね。でも、中身を分けたかったのかも知れないわね」
「・・・そう」
「そうそう、一つずつ見て欲しいときなんかは特にね。番号がうってあるでしょ。その順番に読んだら良いと思うわ」
レイちゃんはマナの言うとおりに、1の封筒から開けてみました。
(やっほ〜、レイちゃん♪これからミサト先生が、シンジくん攻略の手順を教えてあげるわね!名付けて『シンしゃんメロメロ大作戦』よ!)
「・・・・・」
レイちゃんはシンジくん攻略ということで、真剣な目になりました。
(この手順に行動したら、絶対にシンジくんはレイちゃんにメロメロよ〜ん♪)
「・・・メロメロ(ポッ)」
またまたレイちゃんはシンジくんのことを考えて顔を赤くしました。
(ではまず、この第1章ではシンジくんにレイちゃんの事を意識させることから始めるわよ)
「レイ・・あの〜、そんなにかぶりつくように読まなくても・・・・」
マナはレイを見て(カメラ)、そこまで真剣に読んでいるレイに苦笑しました。コンピュータでも苦笑はするみたいですね。
「ちょっとしずかにしてて!」
「・・・ご、ゴメン(はぁ・・恋する乙女は凄いわね)」
(で、シンジくんを意識させるにはどうすれば良いのかということだけど、まあ簡単に毎日電話する事ね)
「・・・でんわ」
(1ヶ月は毎日電話するの。そうするとね、いつの日かその電話で話すことが日課になるの。そうなってくると、レイちゃんの声が生活の一部になるわ!)
「わかったわ!」
レイちゃんは手紙に向かって一人で返事をしてます。
(そして、1ヶ月くらいしたら2の封筒を開けてね。それまでは絶対にほかの封筒を読んだらダメだからね!!)
「はい!わかりました、せんせい」
「レイ、2の封筒を開けてみない?」
マナ続きが凄く気になって、レイちゃんに催促しました。
「ダメ!せんせいのいうことは、まもらないと・・・」
レイちゃんはもう、ミサトさんの事をお姉さんから先生に代わってるみたいです。
「そうなんだけど、あの人って信用なさそうだから・・・」
「・・・・・」
レイちゃんもマナの言うことにとても共感して、開けようか迷いましたが、ビール10年分のかかったミサトさんを思いだして、あの執念なら大丈夫かも・・・・そう思い直しました。
「じゃ、早速電話する?」
「ちょ、ちょっとまって!(アセアセ)」
「?・・・携帯電話なら付いてるから、すぐに電話できるわよ」
「シンジくんとはなすのがひさしぶりだから・・・」
「ふ〜ん、そうなんだ。それは緊張するわね」
「・・・うん」
「じゃ、5分待つわね」
こうしてる間にもゆっくりと車は家に向かって走ってます。
本当は帰ってからでも良いのですが、それではマナが盗聴出来ないので、マナはそれとなくここから電話させようとしました。
「・・・・・」
「そろそろ良い?」
「うん、だいじょうぶ」
「じゃ、受話器を持って。えっと、席と席の間の所にあるから・・・」
「これね?」
「そうそう、受話器だけあるでしょ」
「どうやってかけるの?」
「ああ、それは私がするわ。ほとんどの電話番号はメモリに入ってるから大丈夫よ」
「じゃ、おねがい」
<碇家>
トルルルル〜〜〜〜
トルルルル〜〜〜〜
「あらっ、電話だわ」
パタパタ
ユイさんは早歩きで電話の前まで行き、受話器を取りました。
「はい、碇ですが」
「あ、あの・・・わたし、あやなみレイといいます。はじめまして、おばさま・・・」
「あら、初めましてレイちゃん。シンジから色々聞いてるわよ。いつも遊んでくれてありがとうね」
「いえ、そんなことないです。わたしのほうこそしんじくんには、いろいろとおせわになってます」
ユイさんはレイちゃんの言い方に苦笑しました。
「(さすがは、綾波財閥の子。ここら辺はしっかりと教育されてるのね)」
「シンジくん、おられますか?」
「シンジ?ちょっと待ってね・・・」
「・・・はい」
「シンジ〜、電話よ〜!」
ユイさんは、リビングでテレビを見ていたシンジくんを呼びました。
「は〜い!」
シンジくんはユイさんに呼ばれて、電話機の前まできました。
「はい、レイちゃんからよ」
「えっ、レイちゃんから?・・・・・もしもし、シンジです」
「シンジくん?こんにちわ、レイです」
「あっ、レイちゃん。げんきだった?」
「・・・うん。シンジくんは?」
「ぼくはげんきだよ」
「よかった」
「そうだね」
「・・・・・」
「・・・・・」
<車の中>
「・・・・ねぇレイ、どうして黙ってるのよ」
「え?・・あ、うん。・・・・シンジくん?」
「なに?レイちゃん」
「・・・・げんきだった?」
「う、うん。・・・・・あの、さっきもいわなかった?」
「・・・そ、そうだったかな?」
「・・・うん」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・チェロはがんばってる?」
「うん、れんしゅうしてるよ」
「そうなんだ」
「うん」
「・・・・・」
「・・・・・」
「(も〜〜!文章の無駄遣いよ!!)シンジくん、ちょっと待っててね!!」
プチ!
その瞬間、マナは回線を保留に切り替えました。
「へっ?」
シンジくんは、その声を聞いたあとに保留のメロディが聞こえてきました。
「・・・・だ、だれだったんだろう?」
「レイ、どうして普通に喋らないの?」
「えっ?・・・・あの・・・シンジくんのこえをきいたら、それだけでまんぞくしちゃって(ポッ)」
「レイ・・・(ホント、凄い変わり様ね)」
レイちゃんの、恋する乙女に変身した姿を見たマナは「これでは計画が遂行できない」と思いました。それと、1ヶ月+αで性格が変わったかも知れません。
「仕方ないなぁ・・・私がナビをしてあげるから、レイはその言葉を言うのよ!」
「・・・わかった」
「(えっとぉ・・・・確かメモリに『恋人との会話100選』があったはずなんだけど・・・・・・ん?あった!これよ、これ!!)」
プチッ!
「あっ、レイちゃん?」
ようやく保留の音が切れて、待ちくたびれたシンジくんはレイちゃんに話しかけました。
「あ、はい」
「なにかしてたの?」
「・・・いや、なんでもない」
「・・・そうなんだ」
「(やっぱり私が出ないと進まないわね・・・)」
「・・・・・」
「・・・・・」
「(えっと、恋人との会話その1。テレビの話をするの!)」
「シンジくん、さいきんテレビはなにをみてるの?」
「テレビ?・・・うんと、サザエ○んをきのうみたよ」
「サザエさ○?」
(注)をいをい、伏せ字になってないぞ!
「うん、おもしろいよ」
「・・・ごめんなさい、わからないわ」
「しらないんじゃわからないね」
「・・・うん」
「(こ、これではダメよ。恋人との会話その2。スポーツの話をするの!)」
「そういえば、シンジくんおよげるようになった?」
「いや、まだおよげない・・・」
「やっぱりみずはこわい?」
「・・・うん」
「じゃあ、まいにちおふろばのせんめんきで、かおをつけるれんしゅうをしてね」
「せんめんきでするの?」
「そうそう、そうしたら・・・・」
ようやくレイちゃんとシンジくんは話の波に乗り、40分くらい話し込みました。そのあいだ、マナは盗聴しながら綾波家周辺を走り、時間稼ぎをしてたようです。
「じゃあシンジくん、またあしたね」
「うん、じゃあね。レイちゃん」
「(レイ・・・や、やるわね)」
レイちゃんは、明日の電話の約束をそれとなくシンジくんに気がつかないように約束しました。マナもレイの抜け目のなさには、一目置きました。
「お疲れさま〜」
「・・・シンジくん(ポッ)」
「あの〜・・・」
「・・・・・」
「・・・お〜い、戻ってこ〜い・・・」
電話を切ったあとにマナが声をかけたのですが、レイちゃんは思いだしているようです。
「(シンジっていう子はそんなに格好いいのかなぁ?声を聞いただけじゃ、どこにでも居るような子だと思ったんだけど・・・)」
マナはレイちゃんを見てますが、レイちゃんはまだまだ『あっちの世界』帰ってきません。
「(そうだ!レイを呼ぶときはこれね!)」
「レイちゃん」
「!?・・・し、シンジくん?」
マナは、先ほどの録音した内容からシンジの声を出しました。
「やっぱり、恋する乙女は違うわねぇ。あの子の声だとすぐに戻ってきた」
「・・・・・」
騙されたことを知ったレイちゃんは、結構気分が悪そうです。
「ねぇ、明日もここから電話しようね!」
「イヤ!」
「ど、どうしてよ?」
「・・・・・」
「あっちゃ〜、怒っちゃったの?」
「・・・・・」
「ゴメンね、レイ。でも、私が居ないと会話が続かないよ」
「・・・・・」
レイちゃんは、しばらくのあいだ考えたのですが、今日みたいな事を考えるとマナがいた方が心強く感じました。
「・・・わかったわ」
「OK〜♪任せといてよ!」
こうしてこれから1ヶ月のあいだ、毎日シンジくんの家へ電話をして、『シンちゃんメロメロ大作戦』は始まりました。それと、1ヶ月の電話の内容はマナが自分専用としてしまい、記録を取り出そうとすると攻撃してきて、残念ながらお見せすることは出来ませんでした。
「悪いけどこれは私の楽しみだから、誰にも読ませたくないの♪」
と言うわけでマナが、完全録音したメモリ第1巻(自分専用)が作成されました。
題名は、
『〜おませな恋のメロディ(PS)7〜レイちゃん 作戦開始の章〜』
FIN
レイちゃんやっとミサトさんのところでの修行のせいかが発揮できる機会がめぐってきましたね。
マナというつよーい味方まで得て,
それにしてもとても車だとは思えませんね。
ある意味マギよりすごいかも(^^;
| 素晴らしい小説を書いて下さった作者にぜひ感想を!
感想は作者への感謝と次回作を生み出すエネルギーです。 |