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ダイイングメッセージ
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<屋上>
「どうかしら?」
弁当を食べるシンジの顔を、アスカは不安げに覗き込んでいる。バンドエードをいくつ
か巻いた手で、味見を繰り返し何度も作り直したものの不安で仕方が無い。
「美味しいよ。うん。」
「ほんとっ!? よかった・・・。」
その言葉を聞きようやく安心できたのか、シンジの横に腰を降ろして弁当を広げる。中
身はもちろんのこと、弁当箱もおそろいだ。
ぱくっ。
ん? そんなはずは・・・。
ぱくぱくっ。
卵焼きが、どうもしょっぱい。よくよく考えてみると、最後にかけた塩の量が多かった
のかもしれない。シンジの弁当箱を見ると、幸い卵焼きにはまだ手をつけていなかった。
「その卵焼き・・・・。」
卵焼きを返して欲しいと言いかけた時、シンジが箸で摘み口に運ぶ。
「あーーーーーーっ! ちょっと待ってっ!」
「どうしたの?」
アスカが急に大声を出したので、口の前で箸を止めるシンジ。
「その卵焼きちょっと失敗しちゃったから、アタシのソーセージと交換してくれない?」
「いいよべつに。」
再びシンジが、箸を動かして卵焼きを口に入れようとしたので、アスカは慌ててシンジ
の箸にかぶりついた。
かっぷっっ!!
「わーーーーーーっ!!」
突然、自分の箸にかぶりついてきたアスカに驚いたシンジは、アスカを抱きかかえるよ
うな形で後ろに倒れそうになる。
「な、なにもそこまで・・・。」
「失敗しちゃったから、食べて欲しくないの。代わりに、このソーセージあげるから。
ねっ。」
そう言うと、シンジの弁当箱の卵焼きを全て自分の弁当箱へ移し、代わりにソーセージ
を入れる。
<通学路>
サルのキーホルダーをつけたカバンを両手で持ったアスカは、ポケットに手を突っ込む
シンジの横を歩いていた。その視線はじっと、シンジの腕を見つめている。
「ねぇ?」
「何?」
「あのね、腕・・・組んでもいいかな?」
「え?」
「あっ! 嫌ならいいんだけど、腕組んで歩きたいなって思って・・・。」
「う、うん。いいよ・・・。」
少し照れくさそうにポケットに突っ込む左手の三角形を少し大きくすると、アスカはす
ぐに寄り添い右手を絡めてきた。
「へへへぇーーー。」
アスカも少し恥ずかしい様で、照れ笑いを浮かべながらネルフへと向かうべくJRの駅
へと歩いて行く。
「3両目の真ん中がいいんだったわよね。」
「うん、エスカレーターが近いんだ。」
腕を組んだまま2人が寄り添って並んでいると、ネルフ直通の電車が到着した。
<ネルフ本部>
ネルフ本部へ到着したシンジは、プラグスーツに着替える為、アスカと別れると男子更
衣室へ入る。
アスカと腕を組んで歩いたんだよな・・・。
制服のYシャツを脱ぎながら、先程まで腕を組んでいた自分の左手をまだ信じられない
という面持ちでまじまじと見つめる。
なんだか、うれしいな・・・。
喜びの笑顔を満面に浮かべながら、脱いだYシャツをロッカーに掛けようと扉を開いた
瞬間。バサッっと黒服の男が倒れてきた。
「わぁーーーーーーーっ!!」
自分のロッカーの中から黒服の男が倒れてきたので、驚いたシンジは恐怖に顔を引きつ
らせて数歩後ろにあとずさる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
状況がわからず、しばらく倒れてきた男をじっと見ていたが、しばらくして我に返った。
「ど、どうかしましたか?」
恐々黒服の男の肩を揺すってみるが何の反応も無い。シンジは屈み込むと、うつ伏せで
倒れている男の顔を覗き込む。
「し、死んでる。」
シンジはYシャツを着ると、事の次第を報告すべく司令室へと走って行った。
<司令室>
「ミサトさんっ! リツコさんっ! 大変ですっ!」
ハーモニクステストの準備をして待っているにもかかわらず、なかなか現れないシンジ
にイライラしていたリツコとミサトは、司令室へやって来たシンジに視線を集中する。
「シンジくんっ! 何をしてるの? ハーモニクステストが始まらないじゃないのっ!」
「それどころじゃないんですっ! 男子更衣室のぼくのロッカーに、殺された人が入っ
てたんですっ!」
「えっ! それは本当なの!?」
「はいっ!」
「今日のテストは中止します。ひとまず、男子更衣室へ行きましょう。」
リツコはテスト中止の命令を出すと、ミサトとシンジを伴って男子更衣室へと走って行
った。
<男子更衣室>
リツコ,ミサト,シンジの他に、テスト中止の知らせを聞いて駆けつけたアスカと、連
絡を聞きつけた加持が男子更衣室に集まった。
「うちの諜報部員ね。」
「あぁ、そうだな。ネルフにスパイが入り込んでいるという情報があったので、俺が調
査させてたんだ。」
ミサトのセリフを引き継ぐかの様に、加持が死んでいる男の身元を明らかにした。加持
が言うには、スパイの調査要員として凄腕の部下を2人動かしていたということだった。
「じゃ、もう1人の部下も危ないんじゃないの? すぐに呼び戻さなくて大丈夫なの?」
「大丈夫だ。」
「どうして?」
「既にロストしている。」
「・・・・・・手遅れってことじゃない。」
ネルフの凄腕の諜報部員をあっさりと殺すことが可能なスパイが潜り込んでいるのだ。
加持を覗く全員の顔に恐怖が走る。
「ねぇ、シンジ。どうしてアンタのロッカーに入ってたのよ?」
シンジの背中にぴったりとくっついていたアスカは、シンジの肩から目だけをちょこっ
と出して死体をちろちろと見ながら小声で話し掛ける。
「そんなの知らないよ。ぼくだってびっくりしたんだから。」
「でしょうねぇ。こんなのが倒れてきたんだもんねぇ。」
2人がひそひそ話をしていると、死体を調べていたミサトが振り返った。
「シンジくんとアスカは、今日は家に帰っていいわ。」
事態が事態なので、シンジとアスカを家に返そうというのだ。
「おいおい、敵さんはどこにいるのかわからないんだぜ。今日はネルフに止まらせるべ
きだろう。」
「うーーん、下手に動くよりここが一番安全・・・か。加持の言う通りね。ただし、危
ないから監視カメラのある部屋以外には、極力入らないようにね。」
「わかったわ。」
「はい、わかりました。」
リツコはMAGIに記録された諜報部員が死ぬまでに通ったルートの調査を、ミサトと
加持は他の諜報部員やネルフ職員に聞き込みをすることとなり、その場は解散となった。
<休憩室>
2人して女子更衣室に泊まったシンジとアスカは、翌朝休憩室に来ていた。
「なんだか、風邪をひいちゃったみたいだよ。グスグス。」
「アタシも・・・鼻の通りが悪いわ・・・。」
「もう犯人、見つかったのかなぁ?」
「まだみたいね。なんだか、サスペンスドラマみたいでゾクゾクするじゃない?」
「そうかなぁ。薄気味悪いよ。」
「それよりさ、喉乾かない?」
「うん、そうだね。何かジュース買ってこようか?」
「あっ、アタシが買ってくるから、シンジは座ってて。何がいい?」
「じゃぁ、コーラでいいよ。」
「おっけー。」
アスカは椅子を立ち上がると、目の前の自動販売機でコーラを2本買い、そのうちの1
本のプルトップを開けてシンジに手渡す。
ん?
アスカが再び椅子に座ろうとした時、足下に赤い絵の具で書いたような落書きが見えた。
「なにこれ?」
ゴシゴシと足でこすると、綺麗に消える落書き。
「なんだか、血で書いたダイイングメッセージみたいだったわね。この椅子の下に人が
死んでたりして〜。なんちゃって。」
ちらっ。
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
何気なくアスカが椅子の下を覗き込むと、そこには白目を向いて倒れている諜報部員の
姿があった。
:
:
:
「アスカっ! 何考えてるのよっ! ダイイングメッセージを消すバカがどこにいるって
ーのっ!?」
シンジから知らせを聞いて駆けつけたミサトは、ダイイングメッセージを足で消したこ
とを知りカンカンに怒る。徹夜した後なので、イライラしてるのだろう。
「だって・・・落書きかと思ったんだもん。」
「こんなところに落書きがあるわけないでしょうがっ! しっかし、うちの諜報部員も
どこに目を付けてるのかしらっ! まったくっ!」
「葛城、もういいじゃないか。で、どんなメッセージが書かれてたんだ?」
プリプリ怒るミサトの横から加持がアスカに助け船を出してくれた。
「うーーーん、確かこんなの。」
記憶をたどりながら紙にサラサラとダイイングメッセージを書く。
| +α丶L〕,j丶″ |
「なにこれ? 本当にこんなことが書かれてたの?」 「ええ、間違いなくこんな感じだったわ。」 「ふーーーん、まぁいいわ。リツコに頼んで調査して貰うしかないわね。」 ミサトと加持は、その紙を持って司令室へと上がって行った。休憩室はまだ現場検証が ある為、シンジとアスカは邪魔にならないようにその場を離れる。 <廊下> 「何もあんなに怒らなくてもいいじゃないっ!」 廊下を歩きながら、ブチブチ文句をたれるアスカ。 「そりゃ・・・ダイイングメッセージを消したら・・・ははは・・・。」 「こうなったら、アタシ達で犯人を捕まえて、ミサト達を見返してやるのよっ!」 「えーーーーーっ!!」 「傷つけられた。プライドは。10倍にして返してやるんだからっ!」 あまり乗り気で無いシンジの横で、意気込みたっぷりのアスカはガッツポーズをとるの だった。 <女子更衣室> 行く所が無いので、シンジとアスカは女子更衣室でダイイングメッセージをまじまじと 見つめる。ここはパイロット専用なので、アスカが許せば、レイが文句を言うとも思え ないので、シンジが入っても特に問題は無い。
| +α丶L〕,j丶″ |
「うーーん、+αってことは何か付加情報なのかしら?」 「+って、十字架のことじゃないかなぁ。」 「じゃ、αは何?」 「やっぱり、よくわかんないや・・・。はは・・・。」 「これって、絵かしら?」 「死ぬ間際に、絵を書く人なんていないんじゃない?」 「それもそうねぇ。じゃぁ、これってαじゃなくて、aのことかしら?」 「どうして?」 「その後はわからないけど、A級職員のことかなぁって。」 「スパイするくらいだから、その可能性はあるかもしれないね。あの後が名前だとする と、Lから始まるA級職員を調べてみようか。」 「そうねっ、まずは何でもいいから手掛かりを掴まないとね。」 とりあえず目的を見つけたアスカは、シンジと一緒に職員名簿のある資料室へと向かっ て行った。 <資料室> 資料室に入ると、壁一面に無数のSDVDが並べられている。その中の職員名簿だけで もかなりの数があるようだ。 「この中から、Lから始まる職員を探すの?」 「そうよっ! かたっぱしから見ていくわよっ!」 シンジはげんなりしながらも、キャタツに登って数十枚の職員名簿を取り出した。 「さぁ、探すわっ!」 「うん・・・。」 意気込んで探し始めたまではよかったが、Lから始まる名前のA級職員など次から次へ と適格者がでてくる。まだ数枚のSDVDしか検索していないのに、既に100人近く の職員の名前がヒットしていた。 「アスカ?ネルフ本部で、現在も勤務している職員に絞った方がいいんじゃないかなぁ。」 「それもそうね。それじゃそうしましょ。」 そこまで絞り込むと数は激減し、対象人物は1人に絞られた。 「でたわっ! こいつが犯人よっ!」 「・・・アスカ・・・リツコさんじゃないか。」 「・・・・・・あら・・・本当だわ・・・。」 そ、それじゃ、このaはA級職員のAじゃなくて名前のAなのよっ! Aから始まる名 前で検索したら出てくるはずよ。 ピピピピピ。 「出たわっ!」 そこには、またもや”赤木リツコ”と表示されていた。 「うーん。やっぱりリツコが犯人なのかしら・・・?」 「そんなわけないよ。他には?」 「ちょっとまって?」 アスカがNEXTボタンを押すと、次に出たのは。 惣流・アスカ・ラングレー。アスカのAにヒットしたのだ。 「ち、ちがうわよっ! アタシじゃないわよっ! 信じてっ!」 「わかってるよ。そんなこと。」 その後も青葉シゲルなど、何人かの職員の名前が表示されたが今度は数がかなり多くな ってしまい、結局よくわからずに終わってしまった。 <廊下> 何の成果も得られないまま、資料室を出たアスカは、とぼとぼと廊下を歩いていく。丁 度そこへリツコが通り掛かった。 「アスカ? あのダイイングメッセージ、間違い無いんでしょうね?」 「ええ、あんな感じだったわ。」 「監視カメラもMAGIのレコーダーも操作されてるし、ダイイングメッセージも解析 不能。お手上げだわ。」 「MAGIを使っても解析できないの?」 「ええ、そうなのよ。何か思い出したら、何時になってもいいから連絡して頂戴。」 「わかったわ。」 そんな会話の後、リツコと別れたシンジとアスカは、再び女子更衣室へと帰って行った。 <女子更衣室> 更衣室に戻ってきたシンジは、ベンチにごろりと横になり、アスカはロッカーにもたれ ていた。 「あ〜あ、くたびれ損の骨折り儲けってやつね。」 「逆だよ・・・それ。アスカ。」 「何が?」 「まぁいいけど・・・。でも疲れたね。」 「そんなとこで寝転んだら、頭痛いんじゃない?」 「うん、でもちょっと横になりたくて。」 「しょうがないわね。」 アスカは、寝転ぶシンジの枕元に座ると、頭を両手で優しく持ち上げ自分の膝の上にそ っと乗せた。 「ア・・・アスカ。」 「これなら痛くないでしょ?」 「う、うん・・・。あ、ありがとう・・・。」 「どういたしまして。」 片方の手でシンジの頭を支え、もう片方の手でいとおしげに頭をなでてやるアスカ。そ んなアスカの膝の上で、シンジは目を閉じてアスカを感じていた。 アスカって、いい香りがするんだ・・・。 「+にα・・・Lとj・・・何が言いたかったのかしら・・・。jはjapanのこと かなぁ?」 幸せに浸っていたシンジの耳にアスカの声が入ってきたので、目を開いてみるとダイイ ングメッセージを食い入るように見つめている。 「ねぇ、アスカ?」 「何?」 「ぼくはアスカと違って、頭が良くないからかもしれないけど、死にそうな人が難しい 暗号なんて考えないと思うんだけど?」 「え?」 「A級職員とかさぁ・・・そんなこと考えてる余裕は無いんじゃないかなぁって。」 「ちょっと、それどういうことよっ!」 「ぼくなら、ひらがなで名前だけ書くけど・・・。」 「ひらがな・・・ひらがな・・・ひらがな・・・。」 再び、ダイイングメッセージをじーーっと見つめるアスカ。
| +α丶L〕,j丶″ |
「こ、これってっ!!」
| +α丶 / L / 〕 / ,j丶″ |
「こうやって切ったら、”なしつぶ”って読めない?」 「あっ、本当だっ! すぐにリツコさんに報告しようっ!」 紙に書いたダイイングメッセージを手にして、シンジとアスカが女子更衣室を出ようと した時、女子更衣室の扉が突然開きネルフの職員の服を来た1人の男が姿を現した。 「誰よアンタっ!」 「申し訳ありませんね。今そんなことを報告されちゃ困るんですよ。」 「ア、アンタが”なしつぶ”なわけぇ?」 「ええ、世界最大のスパイ組織EF5のボス”なしつぶ”です。以後お見知り置きを。」 入り口を塞がれてしまい狭い女子更衣室をじりじりと後退するアスカ。そんなアスカの 前に立ちはだかり、シンジは背中で守ろうとする。 「そんなに恐い顔をしなくてもいいですよ。わたしはあなた達のファンでしてね。危害 を加えるつもりはありませんから。」 「じゃー、アンタ・・・なんでこんな所に入ってくるのよっ!」 「いえ、わたしが退去するまでに報告されるとやっかいなことになるもので。それより サインを貰えませんか?」 「はぁ?」 「サインを貰ったら、すぐに姿を消しますので・・・。」 そう言いながら、アスカの前に色紙とサインペンを出す”なしつぶ”。アスカもこんな ことで抵抗しても仕方無いので、さらさらと自分の名前を書いた。
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Soryu Asuka Langley |
「あっ、すみませんがそこに”なしつぶくんへ”と書いておいてもらえませんか?」 「もうっ! わかったわよ。」
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Soryu Asuka Langley |
サインを書き終わり手を出す”なしつぶ”に、アスカが色紙を渡そうとした時、袖から
1つのビンがするりと落ちてきた。
「「うっ!」」
そのビンに収められているクロロホルムに、くらっとなるシンジとアスカ。
「それでは、これで失礼しますね。」
ふらふらする2人に対して紳士的なお辞儀をした”なしつぶ”は、その部屋を悠々と出
て行く。
「うーーー、まさかクロロホルムなんか持ってるとはねぇ。」
ふらふらしながらもこれぞチャンスとばかりに、べったりとシンジにもたれ掛かる・・・
いや・・・抱き付くアスカ。シンジも少しの間ふらふらしていたものの、頭を振って正
気を取り戻す。
「風邪をひいて鼻がつまってなかったら、気絶してるところだったよ。」
「シンジ、早くミサト達に知らせないとっ!」
「そうだねっ!」
<司令室>
手掛かりが掴めず頭を抱えるミサトと加持の所へ、走って来るシンジとアスカ。
「犯人がわかったわ! ”なしつぶ”よっ!」
「それは本当かっ!?」
「さっき会ったから間違い無いわ。今逃走中よっ!」
「そうか・・・あの世界No1のスパイの仕業だったのか・・・どうりで・・・。」
その後加持は諜報部員に指示を出し、すぐに”なしつぶ”包囲網が第3新東京市全体に
張り巡らされた。
:
:
:
それから1時間ほど経過した時、東京湾で”なしつぶ”発見の報がネルフ本部へ入る。
加持を始めとする諜報部員と、顔を知っているシンジとアスカは現場へ急行した。
<東京湾>
東京湾で、漁船に乗った”なしつぶ”は諜報部員の乗るモーターボートに取り囲まれて
いた。そこへ到着するシンジ達。
「間違いありません。あの人です。」
「そうか、よくやったシンジくん。」
それを聞いた加持は、拳銃を”なしつぶ”に向けて構える。
「これで世界最大のスパイ組織、EF5もおしまいだな。」
「いえいえ。もう1度アスカ嬢の顔を見てから、おいとましようと思って待ってただけ
ですよ。しかし、どうしてクロロフォルムが効かなかったんでしょうか?」
「風邪をひいて、鼻がつまってたのよっ!」
「あらら・・・お体には注意してくださいね。では、そろそろわたしは・・・。」
”なしつぶ”は、そう言うと東京湾へ飛び込んだ。それを合図に海に向かって一斉射撃
するネルフの諜報部員達。
ズゴゴゴゴゴゴゴゴ。
「なに? この音?」
不気味な音が海底から聞こえてきたので、アスカはしっかりとシンジに抱き付きながら
海面を見つめる。すると、ゆっくりと大きな潜水艦が浮かび上がってきた。
「あ、あれは・・・。」
驚いて言葉を詰まらせる加持に、ミサトがどうしたのかと顔を覗き込む。
「どうしたのよ?」
「あれは、”なしつぶ”が利用しているという、スパイ用潜水艦WWWCだ・・・。」
「あれが? あの有名な?」
バンバンバン。
諜報部員が潜水艦に向かって銃弾を浴びせるが全く効果も無く、WWWCは東京湾を出
ると太平洋の海の中へと潜っていった。
「さすがは、EF5のボス”なしつぶ”だな。捕らえるのは無理か・・・。」
加持は苦笑いを浮かべると、諜報部員を連れてネルフ本部へと帰って行く。
「シンジ、アタシ達も帰りましょうか?」
「そうだね。」
自分のサインを持って行った”なしつぶ”の消えた海を見ながら、寄り添うアスカの肩
を抱きしめるシンジ。
”なしつぶ”はどこへ消えたのか、消息はつかめない。おそらく、世界最大のスパイ組
織EF5のボスは、次のターゲットのスパイ活動を行っていることだろう。
今日は、あなたのSiteの情報をスパイされているかもしれませんよ・・・。
fin.
あうあう,なしつぶってスパイだったのね(^^;
タームさん,EF5のCM用SSありがとうございます。
これでCM小説は2作目,T.Bナッシュ博士につづいて
スパイ用潜水艦WWWCを駆る世界最大のスパイ組織「EF5」のボスという役目までもらっちゃってなしつぶ大感激です(Π▽Π)
それにしても突然なしつぶの名前が出てきた時には思わず吹き出しちゃいましたよ。
しかもクロロホルムまで出てくるとは,なしつぶそんなもんもってませんよ。
決してクロロホルム=正式名称「トリクロロメタン」,分子式 CHCl3 をメタンと塩素を置換反応させて生成するとかなんて知りませんよ(^^;;;
(ちなみにクロロホルムには毒性と発ガン性があったとおもう)
NERVの凄腕諜報部員を二人も殺っちゃって生きて帰れるかな?なんて思ったけどもし殺されるにしても飛び道具じゃなくぜひアスカ様の手で直になら(*^^*)
しかし今回は惜しくも?生還できました。
さーて今夜もWWWCでスパイ活動に出かけるかな( ̄ー ̄)ニヤリ
(もちろんアスカのあんなシーンやこんなシーンを探すためにね(^〜^)
PS:なしつぶだけクロロホルムがなぜ大丈夫かというのはなしつぶがアレルギー性鼻炎だからです(^^;
| 素晴らしい小説を書いて下さった作者にぜひ感想を!
感想は作者への感謝と次回作を生み出すエネルギーです。 |