目を覚ますと、そこは・・・雪だった、なんてことはなく、真っ白でだだっ広い天井が、無機質な広がりを見せているだけだった。
「あれ、なんでこんなところに・・・いるんだ・・・?」
まだ、いまいち記憶がハッキリしないシンジ。
周りには、何もない、タダの部屋。
真っ白な、個性のない、白い部屋。
雰囲気からか、その匂いからか、そこが病院の一室であることが伺えたが、そもそも自分がなぜ病院にいるのかが、ぴんとこない。
真っ白なシーツ、真っ白な壁、真っ白なベッド、真っ白な照明。
何もかもが真っ白・・・。
その白さからは、何もそこがどこであるかを証明する存在はなかった。
そして、自分が着ている服すらも、真っ白な、病院着。
ってことは・・・見られたのか・・・。
何か場違いな心配に、シンジは一人笑みを漏らした。
だが、ちょっとちがう肌触りに、すこし心配になる。
そして、ふとふところを見た。
| 「あああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!」
|
そう、シンジの草原は、砂漠へと舞い戻っていた・・・。
昨日と今日と、明日
第2話 かかって来いよ/You'd
be so nice to come home to
「はい、作戦部長、葛城さん・・・一尉ですが・・・はい、へっ!?意識が戻った・・・で?えっ、あら、そう、ふふっ、分かったわ、こっちが片づいたらすぐ行くから、よろしく・・・」
ぴこっ、携帯を切るミサト、だが、その表情は、すこしだけ先ほどよりは明るかった。
一応作戦部長としての肩書きを持つミサト、その仕事は、現場での作戦指揮にとどまらない。
平常時には、戦術研究やら、部下の指導やら、技術部との兵器開発に関するミーティングやらでけっこう忙しい。
だてに高い給料はもらっていないのである(降格しても)。
エヴァ初号機が初の戦闘、そして暴走しての苦い勝利を得てから、5日。
ようやく、先日の戦闘に関する報告書をまとめ終わり、一段落つけるか、と言ったところに、シンジが目覚める、という連絡を受けた。
「よしっ、報告書提出して、シンジ君のところでも行くかっ!」
そう言って、プリンターを稼働させる。
真っ白な紙が、黒くなってゆく。
「ああ、葛城君、悪いが、この報告書では受けとれんな。」
「どうしてですか?」
いつものように無表情に見える(冬月には分かるらしいが)ゲンドウと、ちょっとむっとするミサト。
「2日前に、広報でメールを流したと思うが、君はチェックしてないのかね?」
「は、はぁ。報告書をまとめるのに忙しかったもので・・・」
「そうか、では仕方がない・・・とは言えんな。急な通告とは言え、広報で流したメールぐらい読み給え。」
「は、ですが、それがどのように、報告書を受け取れない、と言うことと関係があるのでしょうか?」
むっとしてる度がだんだん上昇していくミサト、に対して、ゲンドウの表情は変わらない。
「ああ、戻ってメールを読み給え。それから、受け取ろう。」
「な〜んで、受け取れないのよっ!!」
そういって、ミーティングと称してリツコの研究個室にクダをまきに行くミサト。
「あなたがちゃんと広報のメールすらチェックしてないのが悪いんでしょう?」
リツコの冷静なツッコミに、
「だって、報告書まとめるのに忙しくてさ〜。」
「忙しくても、やらなきゃいけないことってあるでしょう。」
「そりゃそうだけど・・・。で、そうそう、メールをチョッチ見せてもらえないかなぁ?」
「あなた、お約束はきっちり守るのね。」
「なんのこと?」
「いえ、別に。それで、あなたの端末にも送られてきてるでしょう。」
「それが、その、いや、じつは・・・」
「見るの面倒で、じゃまっけだから全部捨てた、とか言うんでしょ?」
「あったり〜、さすがは赤木 リツコ博士、N2爆雷を発明しただけあるわぁ〜、で、どういう内容なの?」
急に険しい表情になるリツコ。
しまった、という顔になるミサト。
だが、一瞬の気まずさを破ったのは、リツコのコーヒーメーカーだった。
「あっ、ミサト、コーヒー入ったけど、飲む?」
「飲む飲む〜、で、メールの内容って?」
右手でコーヒーを入れながら、器用に左手でキーボードを操作して、メーラーを起動する。
(筆者はこれでコーヒーをこぼして、マウス&マウスパッド一つダメにしました。)
「えーっと、これね。ほら、2日前の、司令発の広報メール。」
「ふむふむ、げっ!マジぃ〜?」
その内容は・・・
「これからいっさいの書類は、その子細に関わらず、データとして、何らかのストレージデバイスにて、提出のこと。
紙面にプリントアウトした物、その他この規格に外れる物は、いっさい受領不可。」
「これってさぁ、どういうこと?」
「紙だと、またデータにし直さなきゃならないでしょ?」
「何でも、データの時代なのね・・・。」
「むしろ、ネルフは遅れていた方よ。今は学校ですら、個人端末でネットワーク結んで勉強している時代だもの。」
「そうよねぇ・・・でも、なんか、無機質じゃない?」
「そのほうが効率がいいんだったら、そうすべきだわ。でしょ?」
「まあね。」
なんか納得行かない表情のミサトを眺めながら、リツコは考える。
(人は、どこまで行くのかしら?)
「さ、はやく行ってらっしゃいな、あなたのハニーもお目覚めでしょ?」
「そうね、ありがと」
「どういたしまして。」
(アリガトは、こっちの科白ね。)
すこし、息抜きの時間をもてたリツコ。
こういうとき、ミサトの無意識な無邪気さはリツコにはありがたかった。
急いで、報告書をMOに落とし、司令室を訪れるミサト。
「ご苦労さんだった。」
「いえ、大した苦労ではありません。」
それよりも。
「それより、司令、シンジ君が目覚めたそうですが。」
「知っている。」
「病院の方へは、お伺いにならないのですか?」
「必要ない。」
人の家庭の事情に口を出す立場ではない、と言うことはミサトも承知しているし、なにより、上官の事情である。
下手に口を挟むようなマネは、普段ならミサトもしない。
だが、それでは、あまりにだまし討ちではないか、と思う。
「来い」という一言だけが、ここまで来たシンジ君の支えでないか、そこには、何か期待するところがあったのではないだろうか。
父親。
まだ、親の恋しい年頃であろう。
それを、この一言で呼んでおいて、訳も分からない物に乗せて、いきなり病院送り。
それは、「裏切り」ではないか。
だから、ミサトは、言った。
「会ってあげるだけでも、いいと思いますけど。」
だが、氷の壁は、崩せない。
「無駄なことだ。」
司令室を出て、廊下を歩きながら、考える。
(そういえば、シンジ君のこと、私は何も知らない。ただ、司令の実の息子で、5日前にエヴァー初号機を起動させて、なおかつ敵と呼ばれる使徒を殲滅したって言う「事実」だけ。)
(だから、会おう、会って、知ろう、彼を。)
ミサトが、ネルフ付属病院に着いた頃には、もう夕方になっていた。
あらかじめ聞いている病室へまっすぐ向かう。
こんこん・・・。
「は、はい・・・どうぞ」
「お見舞い、何がいいか考えたんだけど、よく分からないから、ありきたりの物になっちゃった。」
そう言って、果物のかごを、ベッドの脇のサイドボードに置く。
「ここは・・・どこですか?」
そう言うシンジの目に、何か、自分の置き所がない焦り、というか悲しみを感じるミサト。
「ここはね、第3新東京市。あなた・・・起きる前のこと、覚えてる?」
医師の診察で、すでに記憶も混乱がないことを知ってはいたが、改めて、聞く。
「はい、殴られ飛ばされるまでは、覚えてます。そのあとは、気絶してしまって・・・気がついたら、ここで寝てました。」
「そう、よかった。じゃあ、私のことも、覚えてる?」
「えっと、葛城 ミサト、さんですよね?」
「ミ・サ・ト、でいいわ。」
「あ、み、ミサト、さんですね。」
「呼び捨てでもいいのよ〜。」
「そ、そんな・・・。」
真っ赤になるシンジ。
(からかいがいのある子ね。)
心の中で、ほくそ笑むミサト。
「チョッチ、聞きたいことあるんだけど、いいかなぁ?」
「は、はい。」
「いちおう、ここ、第3新東京市に来た、ってことは、もうここに永住する、ってことでいいのよね?」
「永住するかどうかは分からないですけど、まあ、そう言うことになりますよね・・・」
「はじめから、そういうつもりで来たの?それとも、エヴァーに乗ったその勢いで、ここに残ろう、と思ってるの?」
僅かなため息。
「はじめから、こっちに来るつもりでした。父さんが、来い、って言うから・・・」
「シンジ君は、どう思ってるのかな?だって、こっちに来る前には、友達とか、お母さんとかいらっしゃったんでしょう?」
「母は、いないです・・・」
しまった、と自らの失言を悔やむが、言葉は出てしまえば、もう取り返すことは出来ない。
「そうなの。じゃあ、向こうにいた頃は、誰と一緒だったの?」
「ひとり、でした。」
あまりに酷い、この少年は、親のぬくもりを知らずに育ってきたのだ・・・でも、それは・・・私と同じ・・・?
「来い」というその一言があまりに大きな威力を秘めていたのも頷ける・・・。
「じゃあ、こっちでは、退院したらお父さんと、暮らすのね?」
「いえ、たぶん、一人だと思います。」
「どうしてそう思うの?」
「父は、そういう人ですから・・・」
やがて、看護婦が巡回に来る。
「すいません、もう面会の時間は終わりますよ。」
「はい。」
夕方まで遅れてしまったのが、悔やまれる。
だが、規則は規則。
「じゃあ、シンジ君、またね。」
「はい。」
ドアを閉めようとするミサトの目に映った、一瞬の光景。
一人でたたずむ、真っ白な部屋。
何か、心が痛かった。
ドアが閉まる、また、部屋は何も見えない、白い世界となる・・・否、シンジは気がついた。
色鮮やかなミサトのお見舞い。
その色の鮮烈さが、目に痛かった。
だから、すこしだけ、シンジは、涙を流した。
目が痛い、という理由で自分を納得させて。
ミサトは、いまだ車の修理が終わらないので、やむなく、本部から電車で帰る。
車窓は、ジオフロントから、やがて地上へと抜け出て、夜の色鮮やかな宝石が舞う町へと移り変わる。
だが、そんな風景すらも、目に入らなかった。
「私と、同じか・・・」
そのつぶやきは、夜空に浮かぶ月へと吸い込まれていった。
夜中、消灯時間を過ぎてから、シンジはトイレに行きたくなって目覚めた。
なぜか、いやにハッキリ目覚めた。
病院内のトイレへ行って、ことを済ませた帰り。
「なんだ、あれ?」
目の前の廊下には、包帯を頭に巻き付けた、ヒトがシンジの前を歩いていた。
その姿は儚げで、まるで夢か幻覚か、と間違えそうなくらい、そのヒトの気配は、稀薄だった。
こちらからは背中しか見えない。
ふと、興味を持ったシンジは、そうっとつけてゆく。
全く周りに無頓着、というか、気にしているのか分からないそのヒトは、すーっとロビーに向かって、夜の病院を歩いてゆく。
(なんだろう、幻想か、夢か、それとも・・・幽霊・・・?)
シンジは、そのヒトの後を付けながら、思った。
やがて、病院のロビーにその人が辿り着く。
それまでは気がつかなかったが、ロビーには、別のヒトがいた。
そのヒトは、今までシンジがつけていたヒトとは、問題にならないくらい、存在感があった。
そして、その姿格好から、相手の存在がいやと言うほど分かってしまった。
それは、ゲンドウであった。
(なんで父さんが・・・でもって、じゃあ僕がずっとつけてたのは・・・?)
二人は、ロビーのいすに座って、何か話し始めた。
そう、そのつけていた人とは、レイ、と呼ばれている、最初に使徒をくい止めていてくれて、そのあと怪我した少女だった。
(なんで父さんが・・・あのこと・・・夜中に会うんだろう)
だが、本能で、ここにはいてはいけないことを悟り、病室にまたひたひたと帰ってゆく。
分からないことだらけだ・・・ここは、ここには、僕が僕である理由が、見つからない・・・。
病室に帰って、またベッドに寝転がると、月に向かってつぶやいた。
「荷物、差し入れてもらおう・・・。」
そして、また目をつぶった。
翌日、ミサトは、昨日とは逆に、朝一番で、病院へと向かった。
「シンジく〜ん、入るわよ〜」
「はい、どうぞ。」
部屋は相変わらず白かった。
「シンジ君、何か欲しいものあるかな?」
「そう、そのことを言いたかったんだ、ミサトさん、えっと、僕がここに来たときの荷物ってありますよね?」
「あるわよ、私が責任もって保管してるけど。」
「ここ、何もないんで、いつまでここにいればいいのか分からないんで、僕の荷物を差し入れてもらえませんか?何もすることなくて、ちょっと退屈なんですよ。」
「それなら、今すぐ人に言って持ってこさせるわね。」
「あ、いいですよ、すぐにでなくて。」
「いいのいいの、人の好意は素直に受け取るモンよ。」
そういうと、ミサトは携帯をかける。
「あ、ワタシ。シンジ君の荷物なんだけど、うん、そう、病院に持ってきてあげてくれるかしら?出来れば今。うん、そうね、よろしくね〜。」
ぷっつり。
「今持ってきてもらうからね。」
「すいません、ミサトさん。」
「いーのいーの。」
すこし間が空く。
平和だ、とミサトは思った。
数日前の戦闘が嘘のように、静かだ。
そりゃそうだ、ここは病院・・・。
「あ、あの・・・」
「ん、なあに?」
勤めて優しい声で返事をする。
「僕がエヴァに乗り込むまえに、戦ってた女の子、えっと、レイ、さんっていますよね?」
「ああ、レイね?」
「彼女って、いったいどこ行っちゃったんですか?」
「ここ。」
「ここ、っていうと、」
「ネルフ付属病院。」
「やっぱり・・・」
「なにが?」
「い、いや、大したことじゃないんですよ・・・」
もうあったのかしら?
だとしたら、もしかすると・・・。
「いいから、おね〜さまに言ってみなさいって。」
「あ、その、えっと・・・」
じっとミサトは待っている。
(この子は・・・催促するより、待ったほうが話してくれそうね)
「ゆ、昨夜なんですけど、僕トイレに行ったんですよ。そしたら、あの、レイさん、が歩いてるの見えたんです。それで、気になって、ちょっと後ろからついてったんですよ、いや、別に悪いことしよう、とかじゃなくて。
それでもって、彼女がロビーに行ったんです。すると、父さんがいて、なんか話してたんで、そこからまっすぐ帰ったんですよ。」
「え、司令が?」
「ええ、あの姿形は、確かに父さんでした。」
ナゼ?
司令がレイと夜中に会う必要があるんだろうか?
まさか・・・ロリコン?
この話が出回るとマズイ、と思ったミサトは、とりあえずこのことに関しては、口止めしておくことにした。
「そのこと、あまり人に言っちゃダメよ。」
「はい。」
「でも、なんでレイについてったの?」
「いや、なんか彼女のこと、よく知らないし、それにあのとき助けてもらったから、なんかお礼でも言おうか、とか思って。」
「ホントにぃ〜?」
「ホントですよ!!」
「だって、シンちゃんも、おっとこのだモンねぇ〜」(お約束)
「そんなんじゃないですってば!!」
なんか、年相応の笑顔を初めて見たんじゃないか、とミサトは気づいた。
それまでは、昨日の帰り際見た、あのもの悲しいイメージがミサトの頭から離れなかったからだ。
「でも、レイの後をひそかに付ける、なんてマネはやめた方がいいわ。」
「そうですね、なんか嫌らしいですよね」
「そうね。」
会話に一段落がつく。
すると、タイミング良く、彼女の直属の部下、日向 マコトが、シンジの荷物を持って現れる。
「葛城さん、持ってきましたよ。」
「ごくろーさん。」
「あ、わざわざありがとうございます。」
マコトは、シンジの荷物を、ベッドの横に置くと、ミサトの横に座った。
病院にありがちなパイプ椅子が、軋む。
「はじめまして、碇 シンジ君。」
「あっ、どうも、はじめまして・・・?」
「日向 マコト。これからもよろしく。」
「いえ、こちらこそお仕事で忙しいのにわざわざ持ってきてもらうなんて、すいません。」
「いいんだ、別に今はすこし暇だからね。」
すると、ミサトが鋭く突っ込む。
「あら、そうなの、日向君、だったら、私のぶんもやっておいてくれるかなぁ〜?」
「なんでですか!」
:
:
:
しばらく、シンジの病室には、笑い声が絶えなかった。
さすがに、だいぶ時計も廻り、そろそろ仕事に戻らなくてはならない二人。
ミサトは、出がけに、また閉めかけのドアをのぞき込む。
「いこっか」
すこし、気が軽くなった。
シンジは、荷物の中から、愛用のSDATプレイヤーを取り出し、耳にあてがう。
そして、聞き入りはじめた・・・。
その日の夜、シンジの退院日が翌々日に決定する。
特に身体も異常が無く、脳神経にも問題なし、という医師の判断である。
その日の深夜、またシンジは目が覚めた。
というより、気になって眠れなかった、と言ったほうが正解かもしれない。
むくむくと起き出し、昨晩、レイ、を見た場所に行く。
だが、誰もいない。
(そりゃそうか、いつもあそこにいるわけないよな)
と思って、部屋に帰ろうと振り向いた瞬間。
こっちを見ている、一対の・・・瞳・・・。
あかい・・・血の色・・・・・・あのときも・・・。
使徒にはねとばされて、飛び出たエントリープラグの中にいた少女・・・。
血が・・・流れてた・・・きれいな・・・血が・・・。
アカイ・・・血の色の、瞳。
「あなた、誰?」
ようやく、時の呪縛を解くように、レイが声を放つ。
「ぼ、僕は・・・いかり、シンジって言うんだ。」
月明かりは、何も語らない。
そこには、二人しかいなかった。
「そう、それじゃ。」
すっと、去っていく、月の光。
「あ、待ってよ。」
「なに。」
「この間は、ありがとう。」
「なにが。」
「僕を、助けてくれて。」
「命令、だから。」
「え?」
「命令されたから。」
「そ、そうなの?」
レイは、言葉では何も言わず、ただ首を縦に振った。
「じゃ、さよなら。」
月の光が、消えてゆく・・・。
「あ、まって。」
「なに。」
「名前、なんて言うの?」
「レイ。綾波、レイ。」
「綾波さん、って言うんだ・・・。」
「そう。じゃ、さよなら。」
今度こそ、月の光を捕まえることは出来ず、シンジは見送るしかなかった。
「綾波、レイ、か・・・。」
そうつぶやくと、自分の病室に帰るしかなくなった。
やがて、シンジが退院する日。
受付で、退院手続きを済ましたシンジに、一枚のカードと数枚の紙が手渡された。
一人暮らし用の個室への、簡単な地図と、住所である。
他に行く当てもないので、個室に行くしかないシンジ。
そこは、またしても無機質な、部屋だった。
灰色の、部屋。
狭くはないが、広いとも言えない、一人で暮らすための部屋。
(また、一人か・・・そうだよね、父さんが一緒に暮らそうなんて言ってくれるわけないよな・・・)
ちょっとベッドに寝ころぶと、布団を頭からかぶって、すこしだけ、泣いた。
人に見られないように。
自分にも。
気がつくと、机の上に、何冊か冊子が置いてある。
一番上の冊子の表紙には、「ようこそネルフ江」という文字と(お約束)、ロゴが印刷されてある。
そして、ネルフ内のみならず、ジオフロント内の、地図。
それと、IDカード。
そして、一番下には、「転入届」とある。
そして、メモが挟まれている。
「これを持って、学校に行ってください。
手続きのいっさいは、こちらでやっておきました。
これだけを持っていけば、初日は結構です。」
初日ってことは、明日?
(僕は、また学校へ一人で行くのか・・・結局、変わらないんだよな、どこへ行っても・・・)
シンジが物思いに耽っていると、突然部屋の電話がけたたましく鳴り響いた。
「はい、いかり、ですけど。」
「あっ、シンジ君?ミサトだけど。退院おめでとう。」
「ありがとう、ございます。」
「それで、さっそくなんだけど、そこにあった書類読んだ?」
「いえ、まだ読んでないですけど・・・」
「じゃあ、そのまま今から、ネルフの本と、IDカードを持って、本部に来てくれる?」
「はい、でも中まだよく分からないんですけど・・・」
「とりあえず、出たら、すぐ電車の駅があると思うから、それに乗って、『ジオフロント行き』っていうのに乗ってくれればいいわ。迎えに行くから。」
「分かりました・・・。」
人のいうことには素直に従うシンジ。
言われた物を、サックに入れて、ネルフへと向かう。
ネルフの入り口では、ミサトが待っていた。
「おはよう、シンジ君」
「おはようございます」
「では、行きましょうか。」
「はい。」
ミサトは、すっと先に行く。
シンジは後に付いていく。
エレベーターに乗ったとき初めてシンジは口を開いた。
「今日、どうして僕は呼ばれたんですか?」
「あなたに、エヴァーの乗り方や、訓練を受けてもらうため。」
「そう、ですか。」
「訓練はいや?」
「いや、何をすればいいのか、よく分からないし、何をしたらいいのかも分からないんで、ちょっと不安になったんですよ。」
「何をすればいいのか、を教えるために、これから訓練をするのよ、とは言っても、たぶん今日はレクチャーだけだけどね。」
エレベーターが、地下へと下りてゆく。
やがて、ある階層で止まり、ミサトはシンジを誘って、「第4会議室」と呼ばれるところへと、向かった。
「いい?シンジ君、エヴァには電源が必要です。普段の平常的な活動においては、外部電源をアンビリカル・ケーブルから取り込むことが出来ます。しかし、万が一、戦闘中に、このアンビリカル・ケーブルが断線するようなことがあれば、エヴァの駆動は内部電源に頼ることになります。
内部電源は、フルに使ってしまえば、僅か1分でなくなるし、まあ普通に活動するぶんには5分持つけれど、外部に特殊兵装を装備した場合には、もっと早く無くなるわ。
これは大事なことだから、覚えておいてね?」
リツコは、難しい言葉を、なるたけ簡単にかみ砕いて説明している。
「はい。」
几帳面にも、ノートに書き込むシンジ。
「さて、だいぶ今日はレクチャーが進んだわね。」
「そうですか?」
「すこし、休憩にしましょうか?」
ミサトは仕事へと戻ってしまい、今はリツコと二人だ。
ただでさえ人見知りなシンジは、リツコと長時間二人でいる、というのは相当応えているようだ。
トイレへ行って、洗面器の前で、顔を洗う。
「なんか、冴えないな・・・」
やがて、レクチャーの続きが始まる。
「エヴァの特殊外部兵装には、いくつか種類がありますが、一般兵装のプログレッシヴ・ナイフや、パレット・ガンとは違って、その電源には、まずたいていエヴァの内部電力を使用します。
たとえば、背中に装備するリヒートジェット、これは、人間ロケットのように背中にしょって、短時間だけエヴァを飛ばすことが出来るけど、搭載されている燃料の少ない上に、恐ろしくその管制に電気を消耗するわ。
パレット・ガンなんかは、その管制には、エヴァの基本管制システムを使えるから問題ないのだけど、手に持つ物以外の装備は、相当電力を消費するので、アンビリカルケーブルが断線した場合は、気をつけてね。」
ちらっと時計を見るリツコ。
始めてから3時間、さすがに二人とも疲れてきた。
「今日は、ここでおしまいにしましょう。明日からは、学校の帰りに寄ってね。」
「はい。」
「それと、明日からは実際の訓練も加わるわね、ちょっときついかもしれないけど、レイと初号機が今、どっちもダメだからね、しょうがないわ。」
「はい、わかりました。」
ふと、リツコは、シンジの方を振り返る。
シンジはのろのろと、教材を片づけている。
なんだかその姿に、哀れな物を感じてしまうリツコ。
ふと、声をかける。
「よかったら、ミサトでも誘って、夕飯にでも行きましょうか?」
「別にいいですよ。」
了承と拒否、両方にとれる返事。
だが、リツコには分かった。
了承だと言うことが。
(これが、この子なりの、コミュニケーションの取り方、ね。人に言われれば、やる。でなきゃやんない。
言われたことには素直に従う。この子なりの処世術なのだろうけど・・・)
ミサトもちょうどあがるところだというので、3人は待ち合わせて、外の町のレストランに向かった。
作戦部長曰く、「ネルフの食堂でもいいじゃない」
反論して技術部長曰く、「味オンチに食事仕切られたくないわ」
結局、普通のイタリアンレストランへと向かう。
注文して、食事が出るのを待つ間、リツコは「失礼」と言って、セーラムを一本取り出し、火をつける。
白い、煙がひろがる。
「あなたね、中学生の目の前よ、すこしは控えたら。」
「あら、ちゃんと失礼、って言ったじゃない、でしょ?」
「失礼、って言えばすむことじゃないでしょう。」
二人が会話しているところにおずおずと割り込む。
「あ、あの」
「「なあに?」」
きれいにユニゾンする。
二人は同時に思う。
(気を使わないフリをして、気を回すなんて、嫌らしい大人・・・)
だが、表面は仮面。
「別に気にしないでください、タバコには慣れてますから。」
「へっ?」
(まさか、この子、吸うの?)
ちょっとびっくりした二人。
怪訝な表情を察したのか、シンジはあわてて弁解する。
「子供の頃から、っていうか、父さんと一緒に暮らしていた頃は、煙の中で遊んでいましたから。」
「碇司令って、タバコ吸うんだ・・・知らなかった。」
「今はどうなのかしら?」
「シンジ君は知ってる?」
(ミサト!!)
キツイ視線を送るリツコ。
(いいから。)
視線で切り返す。
「いや、知らないです・・・。ずっと離ればなれだったから・・・」
「ふうーん、シンジ君、あなたお父さんとは会わないの?」
「そうですね、あのときも声だけだったし・・・病院にも、僕じゃな「へぇ〜、そうなの?じゃあ、今は一人で暮らしてるのね?」
無理矢理シンジの言葉に割り込んだミサト。
はっ、として、あわてて繕う。
「あっ、その、そうですね。」
「寂しくない?」
「ずっと、寄宿舎で一人で暮らしてましたから。慣れてます。」
「誰かと暮らしたり、したくない?」
「別に、いいです・・・」
食事が来て、話の流れが変わる。
というより、リツコが無理矢理変えた、と言った方が正しい。
「シンジ君は、趣味とか無いの?」
ちょっとうつむき加減だったシンジだが、すこし面を上げる。
「いちおう、ギター、弾けますけど。」
「あら〜、そうなの。どんなの弾くの?」
すこし照れたように、
「あんまり誇れるようなものでもないですから。」
話に乗ってきたミサトが、ワインを傾けながら、聴く。
「まあ言ってみなさいって、おねーさまがたに。」
「ミサト、飲み過ぎないでよ」
「いいから、で、シンジくぅーん、どういうの弾くのかな?」
ちょっとだけためらって、シンジは恥ずかしそうに、言う。
「ジャズ、です。」
「あら、そうなの。私、楽器とかよく分からないけど、オペレーターの青葉君、っているでしょ。」
「ちょっと分からないですけど。」
「ロンゲのむさそうなやつ。」
「わかんないですね。」
「そう?まあいいわ、彼もギター弾いてるのよ、しかもジャズ、とか言ってたわ。今度紹介するわ。」
「お願いします。」
なんでもない話題、意味のない、楽しいだけの会話。
でも、今はそれでいいのよね。
ミサトは、仮面をかぶる。
やがて、帰り際個人宿舎の方へと帰ってゆくシンジを見送りながら、リツコは訪ねる。
「なんで、あのとき、あんな話題出したの?」
二人は、尉官以上に支給されるマンション郡に向かいながら、ちょっとキツイ口調でいう。
「シンジ君にとって、お父さんのことは、司令のことは今はあまり言うべきではないでしょう。」
ミサトは、ゆっくり歩きながら応える。
「うーん、なんて言うか、目がね。」
「目が?」
「昔、私が鏡で見た私みたいでさ、ほっとけなかったのよね」
部屋に戻ると、シンジはゆっくり深呼吸した。
学校。
シンジにとっては、別になんの感慨もない。
同じ年の人がたくさんいるところ。
でも、それだけ。
友人とか、苦手なのだ。
人と、ふれ合うのが。
というより、人に近づくのが。
「行って、どうするんだろう、ぼく・・・」
ベッドに寝ころぶと、目覚ましを書けてそのまま寝息を立てて、寝てしまった。
「きりーつ、気をつけ、レイ礼!」
ずささ。
「ちゃくせーき」
がたごと、ずさ。
「えー、おはよう、今日の欠席は・・・綾波と・・・鈴原か、ふむ。」
老教師である担任の声が響く。
「では、転校生を紹介する。入ってきたまえ・・」
シンジは、教室の黒板のまえに立つ。
「どうも、碇 シンジです。よろしくお願いします。」
「ふむ、では、座りなさい、そう、真ん中の空いてる席だ。
今日は他に特に何もないから、このまま授業にしよう。この前の続きだな・・・」
シンジは言われたままに座る。
クラスの視線は、80%が転校生への好奇と興味の視線、17%が無関心、そして、僅かに一人、眼鏡の奥に鋭い目を光らせている少年がいた。
シンジは気がつかない。
1時限目の、担任の授業は、面白くない。
担任も分かっているのか、あまりまじめに授業をせず、脱線している。
シンジは、あらぬ方を見やりながら、ぼーっとしていたが、目の前の、シンジの物だけ色がちがう学習用個人端末のメール欄に、新着メールが来ているのを見た。
(なんだろ?)
と思って、後ろの方を見ると、女の子が二人、小さく手を振っている。
(え?)
メールを見ると、シンジはびっくりした。
「碇君が、巨大ロボットのパイロットって本当ですか?」
なんでこんな情報が漏れてるんだろう、訝しんで何もせずにいると、同じ内容がまた送られてくる。
シンジはすこしだけ、考えると、返事を送る。
「Y・e・s」
次の瞬間、クラス中が蜂の巣をつついたような大騒ぎになった。
「えー!ほんとうなの!!」
「かっこいいいいいいいいいいいい!!」
「どんなふうになっているの!?!?!?」
「すごぉぉぉぉぉぉぉぉぉい、イカリクンってかっこいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
ちょっといい気分のシンジを囲む、クラスメート。
だが、そんなシンジを見つめる1対の視線があることを、シンジは気がつかなかった。
「ちょっと、みんな席について!!授業中なのよ!!」(お約束爆発)
だが、学級委員らしき彼女の声は、全く意味を為さなかった。
その日の放課後、その日はいろいろ聴かれたり、もみくちゃにされて、忙しかったシンジに、一人の少年が、声をかけた。
「碇、って言ったな。ちょっと、いいか。」
その眼鏡をかけた少年は、それだけ言うと、先に歩いていってしまう。
(なんだろ。)
ちょっといい気分に水を差されたようで、シンジはすこし不愉快になったが、彼についていくことにした。
校庭の横にある、体育倉庫の裏、ちょうど教室なんかからは影になって見えない、その場所まで来ると、その眼鏡の少年は、いきなりシンジの方をくるっと向いた。
そして、いきなり・・・
シンジの目から火花が飛び散った。
非力な少年が放った拳は、不意をついたシンジをぶっ倒れさせるのに、十分だった。
口をすこし、切ったかな・・・。
シンジは改めて、相手の少年を見た。
「碇、俺は、お前を殴らなきゃ、いけないんだ。調子にのりやがって・・・」
そういうと、眼鏡の少年はシンジの胸倉をつかみ、馬乗りになった。
「今日の欠席者、憶えてるか?綾波と、鈴原。綾波はいいとして、鈴原、ってのがどういう奴か知ってっか?
あいつはなぁ、妹さんが病弱でよぉ、家の人間も研究所勤めで忙しいからって、毎日学校が終わると妹さんのところ行ってたんだよ。
それでもって、先日のロボット騒動あっただろ?あん時、戦闘に巻き込まれて、怪我したんだよ。
足、骨折しちゃってなぁ。
幸い、命に関わるような怪我じゃなかったからよかったようなものの、これじゃあ妹さんのところ行けないって、涙流すんだよ。
お前、分かるか?調子に乗ってるけどな、お前、あいつがどういう気持ちで、今入院してるか分かるか!?」
シンジは、目を伏せて何も言えなかった。
「俺は 相田 ケンスケ、いつでも文句あったら、かかって来いよ。
俺は喧嘩も弱いけど、お前見てると、腹立つんだよ!英雄気取りで学校きやがって、ふざけんな!!」
それだけ言い捨てると、ケンスケは、立ち去っていった。
シンジは、しばらく、青空をその場に寝転んで、眺めていた。
切れた唇は、しみて、痛かった。
だが、ケンスケの言葉は、心にしみて、もっと痛かった。
その日は、夕方からネルフで実験がある、と言うことで、シンジは起きあがると、ネルフへと向かった。
第4会議室、の扉をノックする。
「はい、いるわよ。」
リツコが、待っていた。
「あら、どうしたの、口?」
「ああ、何でも、無いんです・・・昨日の、続きでしたよね」
リツコは、触れてはいけないことだと察し、講義をはじめた。
「さて、今日は講義はこのくらいにして、訓練に入りましょう。」
1時間ほど、講義をしたところで、リツコは切り上げ、訓練を始めることになった。
突然エヴァに乗ることになった少年。
何も、教えられていない状態から、ある程度死なないようにするためには、訓練のみならず、こういった講義も必要だったのだ。
シンジは、渡されたプラグスーツを身につけ、実験用プラグへと来ていた。
訓練とあってか、ミサトも来ており、リツコと時々訓練の打ち合わせを行っている。
というより、茶々を入れに来ているようだ。
「今日は、シンクロテストを行います。仮想的に、エントリープラグ内の状況を作り出し、そこでシンクロ率を測定します。
そのあと、仮想戦闘モニターを利用して、今日は基本的な行動を訓練します。
これで、いいかしら、葛城作戦部長。」
「結構です。」
「では、始めましょう。」
やがて、実験用プラグにLCLが注水され、電化されていく。
そして、神経回路が接続されていき、シンクロ率が出る。
「現在、シンクロ率、約40%。」
「やっぱり、初戦の時よりは低くなってるわね。」
茶々を入れ始めるミサトに、リツコは声だけで、答える。
「それはそうよ、精神の状況によって、シンクロ率は大きな影響を受けるわ。その上限と下限をすこしずつあげていくのが、この訓練ですもの。」
「そうそう、あのシンジ君の傷はなあに?まさか、あなたが・・・」
「違うわよ、もうここに来たらあったわよ・・・って、知ってるんでしょ、どうせ諜報部から来てるくせに。」
「まあね」
ミサトは、諜報部から来ている情報を思い出した。
「相田ケンスケか・・・お姉さんの名前はももかな?」
引き続き、実験用プラグ前面に、第3新東京市の仮想画面が現れる。
「シンジ君、それでは、この前みたいに、歩く、というイメージを作って。」
歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、
仮想画面が、にゅるにゅると動く。
ふと、傷のことを思い出した。
次の瞬間、仮想画面がひっくり返った。
「エヴァ、転倒。」
「まだまだね・・・」
リツコは、ボールペンで、手元の紙になにやらさらさらと書き込んだ。
その日から、シンジの一日は、学校へ行き、帰りにネルフで実験、帰って寝る、という生活になった。
毎日、繰り返す同じ生活。
1週間経つと、シンジは教室で一人でいるようになった。
シンジは、人と深くつきあうのが苦手だった。
だから、遠くから、離れてその人を見る。
懐に入れるのが怖いから。
ケンスケは、あれ以来何も言わず、一人で個人用端末になにやら打ち込んでいる。
だが、一回も、シンジとは目を合わせなかった。
そして、鈴原 トウジも、いまだ退院できないようであった。
さらに1週間経った。
シンジが知る限り、はじめてレイが教室に来る。
「お、おはよう。」
シンジは声をかけてみる。
「なんか、用。」
レイは、無表情のまま、机に腰掛ける。
「退院できて、よかったね。」
「そうね。」
会話にならない・・・もどかしさ・・・シンジは、何もできない自分が、すこしいやになった。
その日の昼休み、シンジは一人でSDATを聴いていた。
目をつぶって、ゆっくりと流れてくる曲に、耳を傾ける。
最近のお気に入りは、フランク・シナトラの、"You'd
Be So Nice To Come HomeTo"。
外から見ると、別段目をつぶって聞き入っているように見えるが、内面では必死こいて英語の歌詞を憶えている。
だが、あまりまじめに勉強しているとは言い難いシンジの英語力では悲しいかな、訳の分からない英語になってしまう。
(ゆーどぅびーそーないすっ、とぅーかむほーむとぅー)
完全、日本語英語である。
レイは、一人で本を読んでいる。
他の生徒は、まちまちに昼のくつろいだ時間を満喫している。
昼休みの終わりを告げるチャイムと同時に、突然、ズボンのポケットから強烈なバイヴレーションがかかった。
パターンから、緊急通信と分かる。
レイを見ると、レイも携帯電話を取っている。
「パイロットは、速やかにネルフ本部へと向かうこと。繰り返す、パイロットは速やかにネルフ本部へとむかうこと。
緊急事態、緊急事態、繰り返す。パイロットは・・・」
そんなシンジを、ケンスケは眼鏡越しに見やった。
ふと、シンジもケンスケを見る。
だが、眼鏡の反射に隠されたその視線からは、何も読みとれなかった。
(第3話に続く)
第3話へ行く
どうも、第2話後悔公開です。
あちゃー、結局、戦闘シーンまで行けなかったな・・・。
まあ、初心者の限界、と言うことで許してやってくださいな。
さて、前回や今回、この話全編には、英語の副題がつきます。
今回なんかは、挿入曲の歌の題名なんですけど、これは、いわゆるジャズのスタンダード・ナンバーから持ってきてます。
今回の、"You'd
be so nice to come home to"なんかは、ちょっと前ビールの宣伝で、サザンの桑田が歌ってましたね。
歌詞は、原曲の物です。
本当なら、歌詞をそのまま挿入したかったんですが、著作権の関係で、掲載できず、歌詞を著作権者のページへとリンクさせていただきました。
興味がある方は、見てみてください。
ちょっと長いあとがきになりますけど、じつは筆者だいちゃんは、つい最近、劇場版をようやく見ました。
きつかった・・・。
この話は、ああいう風にはしない、つもり(今のところは・・・)です。
まあ、そんなこんなは、また今後のあとがきに回しましょう(ネタ切れ起こしますしね。)。
すこしだけお話ししますと、おかげで全体をもう一回見直さなきゃいけなくなりましたね。
ホント、「気持ち悪い」は、LAS人の僕には厳しかった・・・。
この話?さあ、LASまでいけるか?
てなわけで、いつもながら、掲載のみならず、原稿の訂正、更新までもやってくださるなしつぶさんに感謝!!
素晴らしい小説を書いて下さった作者にぜひ感想を!
感想は作者への感謝と次回作を生み出すエネルギーです。
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