サンタクロースは?




今夜はクリスマス。

街はセカンドインパクトの影響で暑くてかなわないのに、なおさらナニを好きこのんでか、熱くなってるアベックで一杯である。

そんな中、ネルフの中央司令室では、一人の女性がぶつぶつ呟きながら、モニターを監視している。

紫色の髪に、赤いジャンパーを羽織って、十字架をクビから下げているその女性のつぶやきを聞いてみよう。

「はー、なんで今日に限って、みんな非番で、あたしがこんなことやってんのかしら・・・ビールでも飲もうかしら・・・でも任務中はマズイか・・・。」

そうつぶやくその女性は、葛城 ミサトその人である。

時計の針は、もう午後の9時になろうとしている。

どうしてこんなことになったのかというと・・・。

それは、11月20日、12月の通常シフトを決める日のことである。

マコトが彼女の前に来る。


「葛城さん、作戦部の職員のシフト表です。」

「御苦労さん・・・って、みんな24日はダメなの?」

「ええ、そうみたいですね。」

「それじゃ、監視業務ができないじゃない。」

「はい、それはそうですけど・・・」


ミサトはマコトを見て言う。


「じゃ、日向君休み返上して、出勤して。」


マコトは、頭を下げて言う。


「いや、勘弁して下さいよ〜、ちょっとその日は・・・」

「その日は!?」


マコトは何かを言おうとしながら、頭でとっさに考える。


「産休で・・・」

「なんで産休なの!?」

「いや、サンキュー、何ちゃって・・・じゃ、よろしくお願いしますね、お先に!!」


ナニも言わずに、マコトは走って帰ってしまった。

「ナニよ、残ってるのいないじゃない!これで上に出すわけには・・・ってもうこれ入力されてる!」


そう、コンピューターを確認すると、すでにミサトの署名入りで上に出されてしまっており、全員そのシフトが認められてしまっている。

そして・・・。


「ええええ!!!!!??????」


葛城 ミサト 24日 13:00−24:00 25日 0:00−24:00


そう、ミサトはクリスマスイブからクリスマスまで、出勤になっている。


「これじゃいくら何でもマギが認めないはずだわ・・・」


だが、そうつぶやいた次の瞬間、マギから回ってきた正式なシフトは・・・。

「ああああああああああああああ!!!!!??????」

皆さんのご想像の通り、そのまま正式なシフトとして、出勤が決定してしまった、と言うわけである。


しかも、作戦部はおろか、技術部やら諜報部やら誰も休みを取っていて、彼女一人の出勤になっていた。

もちろん、ミサトは異議を司令宛に提出したが。


「問題ない」


の一言で片づけられてしまったのは言うまでもない。

24日、誰も午後からはいないので、実験も休みになっており、ミサト一人がネルフに残って監視作業をしていた。

暇であった。

暇でしょうがないので、町の様子をマギを使って覗いていたが、腹が立つだけなので、ミサトはやめて、ただ座っているしかなかった。

「あっ!きっとシンちゃんとアスカが寂しがっているわ!電話してあげなきゃ!」


そう強引な思いつきで、家に電話してみた。

ナニもあの二人は言っていなかったので、今晩は家にいるはずだ・・・。

だが。


「はい、葛城です。ただいま留守にしております。・・・」


「今、もう夜の9時よ!!ナニやってんのかしら、あの二人は!」


留守電に腹を立てて、ミサトは携帯をぶん投げて、ぶんむくれた。

それでも心配ではあるので、いちおう二人のボディーガードに連絡を付けようとしたが・・・。

「セカンドとサードは!どこ行ったの!?」

「は、今日は私も休みでして・・・。」

「アンタ!諜報部が休み取っていいとおもってんの!?あの二人に何かあったらどうするの!!」


だが、諜報部員はふてぶてしく答える。


「は、しかし、指令から休んで良いとのお言葉でしたので・・・。」


つまり、あたし一人をネルフに残した、ってワケね!!


ミサトはそう歯ぎしりすると、またもや携帯を壁に投げつけた。


「あーあ、彼氏もいないし、30行きそうだし、結婚も無理だし、一人でクリスマスすごさなきゃいけないし、ろくなことがないわ!」

そうつぶやくが、誰も答えないので、彼女は一人、ぶんむくれて、座り続けていた。

だが、人間、一人で暇だとついつい眠くなってしまう。

そうするうちに、彼女の意識はすっと遠くなっていく。

そして、彼女はついに居眠りをしてしまった。


波が荒れ狂う、海。

その中に、一人取り残され、救命ボートで流れる、少女。

彼女の横腹からは、血が流れる。

その目は、遙か彼方に、彼女を守った父の血潮を見つめる。

首から下げた十字架は、父の血を浴びていた。

そして、彼女は、言葉を失った。

荒れ狂う、海で・・・。

彼女の意識は、それが夢だと分かっていながら、起きるのをためらわせていた。

空中に、まるで目玉があるような、意識。

しかし、その意識は、遠くなっていく。

世界が、溶けていく・・・。

ミサトの意識が戻ったそこは。

目の前には、なぜかケーキが一切れ残されていて。

はっと前を見ても、誰もいない。

そのケーキには、紙切れが一枚。

"Merry X'mas!!!

風邪引くなよ

Ryouji Kaji"


と書かれたメッセージカードが残されていた。

ふと肩に手をやれば、そこにはぬくもりが残ったままの、スーツの上着が。

見慣れたそれは、彼女が昔愛した男の、懐かしいにおいがした。

ミサトは一人微笑む。

彼女のサンタクロースは、誰だったのだろうか・・・。





どうも、だいちゃんです。

クリスマス記念投稿しようと思ったんですが・・・すこし遅れました。

申し訳ないです・・・。



さて、僕がお世話になっているEF5も35万ヒット!!

なしつぶさん、いつもご苦労様です。

これからも、がんばって下さい!!

それでは、また。

 なしつぶです。

 だいちゃんクリスマス記念&35万ヒット記念ありがとうございます。
こちらこそお世話になっております。

 本編中では飲んだビールも今回は飲みませんでしたね(^^;
最悪のクリスマスになりそうだった彼女にもちょっとしたプレゼントといったところでしょうか?
さびしい夜にちょっとしたやさしさってのが効くんですよね〜。


素晴らしい小説を書いて下さった作者にぜひ感想を!
感想は作者への感謝と次回作を生み出すエネルギーです。
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