・・・アナタは覚えていますか?・・・
・・・人を好きになった時の胸のときめきを・・・
・・・夜、電気を消して瞼を閉じたときに・・・
・・・思い浮かんでくるあの人の姿、声・・・
・・・話をするとき、いっしょにいる時・・・
・・・舞い上がってしまったあの時を・・・
・・・もし知らなければとても不幸な事ですね・・・
17万HIT記念
レイの初恋
Written by ロン
ここ、第三新東京市のマンモスマンションに一人で住んでいる少女も恋をしてしまったのです。
「・・・眠れない」
レイがベットに入ってから、30分の時が過ぎていました。
「なぜ?・・・どうして、目を閉じると碇君の姿が浮かぶのだろう・・・」
ゴロン
レイは何度繰り返したか分からない寝返りを、また繰り返した。
「碇君と会えない時は悲しい・・・けど会えた時はとても嬉しいし、話をすると頬が熱くなる。なぜ?」
レイは幾度なく同じ事を考えながら寝返りして、玄関の方に向きを変えた。
「!?」
ポワーーーン
そのモノは玄関の付近で、五センチ位の大きさで丸い形をしており、淡い光りを作っていた。
「使徒?」
そのモノは丸から人型の形になり、光りも段々と眩しくなっていった。
「くっ・・見えない・・・」
光りが強烈になり、レイも目を開けている事が出来なくなっていた。
・
・
・
・
ようやく光りがおさまり、レイはゆっくりと目を開いていった。
「おやおや、お嬢さんには私が見えるみたいだね」
「あなた、誰?」
「私は名もない魔法使いじゃよ」
そのモノはまさに魔女と言う言葉がピッタリと合うようなお婆さんだった。
「お嬢さんは人間ではないね?」
「!?」
「やっぱりそうかい。言わなくても大体分かるよ」
「・・・・・」
自分が作られた人間だと言うことを魔女が知っていたのに驚き、動揺してしまった。
「あ、あなた、誰?」
「さっきも言ったけど、名もないモノじゃ」
「どうして、私の部屋にいるの?」
「誰も居ない所に一人で居たから気になったのじゃ」
「・・・・・」
「おまえさんは先ほど、恋焦がれていたな?」
「恋焦がれ?」
「そう、好きになった人を考えていたのじゃ」
「人を好きになった?わたしが?」
「まだ気持ちが分からぬようじゃな。それはのう、片思いというモノじゃ」
「片思い・・・・分からない」
「初めてなのか?じゃったら、初恋じゃな」
「初恋・・・本で読んだことがある。決して実らない恋の事」
「人の気持ちは変わりやすいものじゃ。大体初恋と言うモノは、おまえさんたち位の歳で経験するモノじゃから、夫婦になるまでに気持ちが変わってしまうのじゃ。時が経てば経つほど・・・」
「・・・・・」
「じゃが、そう暗くなることはない。変わる変わらないは、おまえさん次第なのじゃからなっ」
「碇君への思いが変わる・・・・・それはイヤ!!」
「自覚してきたようじゃな。その気持ちを忘れずにな」
「はい」
「うむ、良い子じゃ。ご褒美に、おまえさんの言うことを一つ叶えてやろう。明日一日だけじゃがな」
「・・・・・碇君に逢いたい・・・」
「初恋の相手じゃな?」
「・・・(
ポッ)」「うむうむ、それで良いのじゃ。おまえさんは感情が知らなさすぎる。おまけで少しだけ、感情も加えてやるぞ」
魔女はそう言うと、妖しげな呪文を唱えました。
レイは呪文が子守歌のように聞こえて、いつの間にか立ったまま眠ってしまった。
「がんばるのじゃぞ」
魔女は呪文を終え、レイをベットに寝かせてから現れた時と反対に消えていった。
・
・
・
・
・
・
・
・
ドンドンドン!!
ドンドンドン!!
ガチャ!!
「お〜い綾波〜、
綾波〜、居ないの〜?・・・勝手に入るよ〜」シンジは前の事を思い出して、シャワーの音が聞こえないのを確認してから部屋に入っていった。
「う・・・ん・・・・・・い・・かりくん?」
「なんだ、寝てた・・・
!?うわっーーー」「どうしたの?碇君」
「あ、綾波、どうして裸で寝ているのさ?」
シンジは慌てて後ろを向き、レイに問いかけた。
「寝るのに制服は必要ないから・・・」
「な、何でもいいから服を着てよ、お願いだから・・・」
「どうして?」
「だって・・・見えるから・・・」
「見える?・・・・・・
!?きゃっ!!」レイはようやく状況に気づき、慌てて制服に着替えた。
「(きゃっ!!って綾波でも言うんだ・・・)」
「(私、どうしたの?・・・)着替えたわ」
「ふぅ、ようやくこっちに向けるよ。綾波、これから・・・」
「(
ポッ)」レイはシンジと目が合った途端に顔が真っ赤になってしまい、シンジも真っ赤になってしまった。
「そ、それでね・・・(ど、どうしちゃったんだ、今日の綾波は・・・)」
「はい(なんか、恥ずかしいけど嬉しい。変な気持ち・・・でもイヤじゃない)」
「今日は、何処に行くの?」
「・・・・何のこと?」
「へ?・・・昨日さ、学校の帰りに綾波が僕に付き合ってくれって言ったじゃないか」
「・・・・・」
・
・
(うむ、良い子じゃ。ご褒美に、おまえさんの言うことを一つ叶えてやろう。明日一日だけじゃがな)
(・・・・・碇君に逢いたい・・・)
・
・
「ホントに叶うのね・・・」
「何か言った?」
「何でもないわ」
「そ、そう。で、何処に行くの?」
「・・・分からない」
「分からない?」
「私、ネルフと学校以外に行ったことが無いから・・・」
「そ、そうなんだ」
シンジは「綾波ならホントかも?」と普通の人間には考えられない事に納得してしまった。
「碇君の行きたい所でいい」
「行きたい所ねぇ・・・」
「・・・・・」
シンジもあまり遊びに行ったことが無いので困ってしまった。
う〜ん、ゲーセンに綾波を連れて行ってもなぁ・・・
ショッピングって言ってもお金がないし・・・
そういえば、ミサトさんも禁酒してくれないから会計の方もピンチだな・・・
シンジは行く所を考えていたのになぜか関係のない今月の会計のやりくりの方に考えが変わっていた。
「碇君」
「
あそこのお店はよく安売りするから確かめといた方がいいな」「
碇君!!」「
ミサトさんの給料日は・・・な、なに?綾波」「私、海が見たい」
「海?海ねぇ・・・芦ノ湖じゃ駄目かな?」
レイは返事の代わりにコクンと頷いた。
シンジとレイは駅で電車に乗り、第三芦ノ湖へと向かった。
セカンドインパクト後は季節が無くなり木々も青々したものやら、紅葉のものやらになっていたが、見る人にはとても神秘的な風景を醸し出していた。
「キレイ・・・」
「うん、キレイだね。綾波」
シンジは返答をしたものの、綾波の言動に違和感を感じ取っていた。
「あれが湖?・・・」
レイは、神秘的な木々の並木道を通って芦ノ湖の畔まで歩き寄った。
「透き通っている・・・」
「そうだね。あっ、あそこ見て」
レイはシンジが指した辺りに目を向けた。
「アレは何?」
「珊瑚礁って言って、綺麗な水じゃないと育たない生き物なんだ」
「生物なの?」
「うん、ちゃんと生きてるよ」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「どうしたの?綾波」
急にレイが下を向いてしまったので、シンジは何かまずい事でも言ったのかな?と思った。
「何か変な事言ったかな?」
レイは隣にいたシンジの方に向き、顔を横にプルプルと振った。
「じゃあ、どうしたの?」
「これ見てるの辛くなって・・・」
「辛い?」
「私、生きる事なんてなんとも思ってなかったの。命令され、それを実行するだけ。死ねと言われれば死ぬし、殺せと命令されたら殺す事に・・・・」
「・・綾波・・」
「でも、もう駄目・・・・珊瑚礁を壊せって命令されても出来ない。ちゃんと生きてるんだから・・・それに殺せって言われても・・・・」
「・・・・・・」
「私、もうイヤなの・・・・やりたくないことを命令されるなんてイヤ!!」
ガバッ!!
レイはシンジの胸にしがみつき、軽く嗚咽をあげながら泣いた。
「大丈夫だよ、綾波。もうそんな事は絶対させないから」
「・・・グスッ・・・・グスッ・・」
「心配しないで。きっと護るから・・・護ってみせるよ」
「・・・ありがとう、碇君」
シンジはレイの涙を拭いてやり、頭を撫でた。
「でも、どうしたの綾波?今日は変だよ」
「こういう私はイヤ?」
「い、いやそんな事無いよ」
「ありがとう碇君」
チュッ
レイは前に読んだ少女小説に書いてあった事と同じような雰囲気だったので、書いてあった通りに実行した。
「あ、綾波・・・」
「(
ポッ)」レイは自分のしたことに照れてしまい、シンジは何が起きたか分からずに呆然としていた。
「今日はありがとう、碇君」
「もう良いの?」
「うん」
レイは屈託のない笑顔でコクリと頷いた。
「じ、じゃあ帰ろうか」
シンジはレイの笑顔にドキドキしながら、綾波は僕が絶対に護ろうと誓った。
レイはシンジと別れて帰る途中にコンビニでノートを買い、自分の部屋に帰った。
「今日から日記を書こう。私が人間になった初めての日だから・・・」
日記に今日の出来事とその時の自分の気持ちを書いた。
いつかシンジに見せる為に心を込めて・・・
そして、最後のページにはこう書かれてあった。
・・・碇君へ・・・
・・・私を護ってね・・・大好きよ・・・
・・・そしてお婆さんへ・・・
・・・素敵な思い出をありがとう・・・
Fin
<後書き>
こんにちわ ロンです(^^)
15万HITに間に合わなかったので、17万HIT記念とさせて頂きました。
いかがでしたか?
やっぱり中途半端でしたかねぇ・・・
あんまり長々と書くのも駄目かなと思いましたのでここで締めました。
良ければ感想を下さいね。
文句でも良いですよ。LASを書け〜でもOKです。
それでは、次回作の「おませ〜PS6」でお会いしましょう!!
あなたもレイちゃんと同じようにふとんに入って魔法使いを望んだことはないですか
素晴らしい小説を書いて下さった作者にぜひ感想を!
感想は作者への感謝と次回作を生み出すエネルギーです。