「裏切り」
アスカが僕を裏切った。
僕の気持ちを裏切ったんだ!
悔しい、悔しい、悔しい、悔しい。
シンジは目の前に座っている、意地の悪い笑みを浮かべたブラとショーツしか身につけていないアスカを、やりきれない思いで見つめる。
どっちにせよ、今とりうる手段は限られている。シンジは自分の手札から最良と思われるものを選び出し、アスカに反撃しようと手を伸ばした。
僕もアスカを裏切ってやる!
早鐘を打つ心臓を必死に静めながら、シンジは手をアスカのほうへ伸ばしていった。
「……じゅう、いち」
「ダウト!」
間髪いれずアスカが声をあげた。シンジはびくっとして手を引っ込めようとした。その手をアスカはつかみ、持っているカードを見えるようにひっくり返した。カードの数字は3。
「んふふ、シンジぃ、あたしをだまそうなんて100万年早いのよ」
「ううぅ……」
「さ、約束どおりそのパンツ脱いで。言っとくけど、隠したりしたらためにならないからね」
「勘弁してよぉ」
泣きそうな顔で懇願するシンジ。ここでブリーフを脱いだら全裸なのだ。
二人がなにをやっていたかというと。脱衣ダウトである。
ルールはかんたん。二人しかいないので、よく切ったカードの半分を使い、配られた手札から一枚ずつ数字の順に伏せて出していく。
相手の出したカードがその数字ではないと思ったときは「ダウト」といってその手札を見て、もし違っていたら今まで出したカードはそのカードを出したほうに、正しいカードだったらダウトといったほうに行き、最終的にカードがなくなったほうが勝ちである。
二人だとそれだけだとゲーム性がとぼしいので、ダウトをかけたときに負けたほうが一枚脱ぐことにした。ゲームに負けたときは全部脱ぐ。脱いだら相手が満足するまで隠すのは無し、となっている。
「うだうだ言ってないで、男らしくさっさと脱ぎなさい!」
好奇心に満ちた目でせかすアスカ。どうやらアスカは許してくれないようだ。シンジはため息をつくと、立ち上がってアスカに背を向け、あきらめてブリーフを脱いだのだった。
この後なにがあったのか当局は一切関知していないが、その後二人の関係がいっそう親密になったとかなんとか。そういえばアスカは次の日なにやら股間が痛いような歩き方をしていたという。
おしまい