少女マンガ好きなら「ポーの一族」という作品を知らない人はいないでしょう。読んでなくても作品名は聞いたことあると思います。「ポーの一族」は、萩尾望都先生により1972年から1976年にかけて『別冊少女コミック』に連載されました。今でも、「少女マンガ最高傑作」という人が多い少女マンガの名作の一本です。 私は、中学生のとき「ポーの一族」を読みました。初めて読んだ萩尾先生の作品で、この作品が少女マンガ界の傑作であるという知識をある程度持っていました。「ポーの一族」が好きになった私は、ファンだったら誰もがするように、年表を作り、バラの花びらを紅茶に浮かべたりしました。 ここでは、「ポーの一族」に関する作品表・作品構成図、年表、エヴァンズ家系譜の資料と、資料に絡めて、「ポーの一族」の考察を行います。 −これ以下はネタばれになります− 1950年、ドン・マーシャルが、文化記念館でエドガー、アランと共に一夜を過ごしますが(『ランプトンは語る』)、丁度そのときは、エドガー、アランはロビンに会っている時期に重なっているのです(『小鳥の巣』)。 また、作品表・作品構成図も「ポーの一族」の作品の完成度を知るには欠かせません。 しかし、発表順・叢書では、『ポーの一族』の前に『すきとおった銀の髪』『ポーの村』『グレンスミスの日記』の3作品があり、読者はメリーベルを体の弱い少女という印象と共に、思い入れを深め、『ポーの一族』を読んだ時に、メリーベルを亡くしたエドガーの悲しみをより深く感じるかもしれません。また、『小鳥の巣』の位置も重要でしょう。単行本・叢書・発表順では、早々と出てきますが、文庫では、10番目という中核の位置に持ってきています。 どれが良いとか、どれが良くないというのではありません。どの順番で読んでも「ポーの一族」は傑作であることには変わりはありません。しかし、読む順番によって微妙に作品の印象が変わっているように思えます。 「ポーの一族」には底知れない魅力がたくさんあります。その魅力を、作品表・作品構成図、年表、エヴァンズ家系譜を使って発見できれば幸いです。 |
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