『りぼん』とふろくの関わり〜1985年

  現在、少女マンガ雑誌の多くはふろくをつけています。『りぼん』が“児童向け”少女マンガ雑誌に分類されるのは、ふろくが創刊時から常についているからです。つまり、児童向け少女マンガ誌のふろくは、他の少女マンガ誌とは比べ物にならないほど重要視されているのです。
その中でも、児童向け少女マンガ雑誌の中でも特に『りぼん』は、ふろくに関して特異な歴史を持っており、ふろくが少女に与えた影響力も大きいものがあるでしょう。

  『りぼん』の今井鈴人編集長は「特集アスペクト41 少女マンガが効く!」のインタビューの中で「『りぼん』といえば付録も人気の秘訣です。」とふろくの存在を重視し、かつ自信にあふれた発言をされています。そこで、『りぼん』の重要な要素であるふろくについて整理しました。

  はじめて、『りぼん』のふろくが注目を浴びたのは1963年から始まった「りぼんカラーシリーズ」(neko's Page に「りぼんカラーシリーズリスト+α」としてまとめられています)という別冊ふろくでした。
「子供の昭和史 少女漫画の歴史 昭和38年−昭和64年」には、「連載マンガ中心だった当時、貸本長編程度の長さのある、意欲的なシリーズとして、読者だけでなく作家にも支持された」、「少女マンガの新しい可能性へ向けた実験場でもあった」と記述されています。
また、当時「りぼんカラーシリーズ」の交換・譲りますコーナーがあったということから、ふろくについて紹介する現在の「ふろくファンルーム」と異なる交換・譲りますといった性質のコーナーがあったことがわかります。

  1970年代半ばから80年代初めの『りぼん』のふろくに関しては「たそがれ時に見つけたもの−『りぼん』のふろくとその時代」(大塚英志、太田出版)という本になっています。「たそがれ時に見つけたもの」と手元にある『りぼん』から、当時の付録の内容と特徴についてまとめました。(「たそがれ時に見つけたもの」と異なる解釈である部分は私自身の意見を優先にしています)

  『りぼん』
の読者層
『りぼん』の
性格
代表的な
漫画家
作品の特徴 ふろくの内容 ふろくのキーワード
〜1974 小・中学生 芸能情報・生活情報もフォローする少女向け総合誌 一条ゆかり・
もりたじゅん・
山岸涼子
“24年組”と呼ばれる作家性がある漫画家による従来の少女マンガの枠を超えた作品 人気アイドルグッズ
別冊ふろく
(マンガ関連のふろくは工夫が少ない)
ジャンボ・とてもじょうぶetc.
機能性、実用性、豪華さを示す単語
1974〜1983 小学生〜
大学生
低年齢向けとヤングレディース向けの両方の性格を併せ持つマンガ雑誌 陸奥A子・
田渕由美子・
太刀掛秀子
読者に現実性のある設定のもと、読者の等身大の他愛ない恋愛をテーマにした作品 漫画家のイラストによるファンシーグッズ
(小物収納関係・文具類・キッチンよりの生活雑貨)
カラフル・ハッピー・カジュアル・メルヘン・ギフト・アイビー・チャーミングetc.
かわいさ、ファッション性といったファンシー的な単語
1983〜1985 小・中学生
(再び幼年化)
児童向け少女マンガ誌(メディアミックスを意識) 池野恋・
小椋冬美・
高橋由佳利・
萩岩睦美・
本田恵子
乙女ちっく漫画家に影響されながらも、洗練された都会的・センスを持つ作品、メディアミックスを視野にいれた作品 作品のキャラクターグッズ
(アニメ関連ふろくの出現)
入学・卒業・バレンタイン・ひなまつり・クリスマスetc.
単語は継承しているが、季節行事との関連が深まる

  “1974〜1983”は、『りぼん』のふろくが非常に特殊だった時期です。私はこの時期の『りぼん』をリアルタイムで読んでいないので、当時の『りぼん』を読んで推測することしかできません。だだ、「ふろくファンルーム」の雰囲気、ふろくのユニークさは今とは明らかに異なるものを感じます。

  私が『りぼん』のふろくを使用しなくなったのは、中学生になってすぐでした。中学生が使わなくなったからといって、その時の『りぼん』のふろくがレベルが低いものであったという事ではありません。実用性とかではなく、眺めるだけなら充分楽しんでいました。「中学生以上はちょっと距離をあけて楽しむ」それが『りぼん』のふろくでは当り前のことだと思ってました。大学生までも夢中にさせられたのは、陸奥A子・田渕由美子・太刀掛秀子各先生方がいたからであり、今後これほどに特殊な時期は来ないと思います。

  しかし、特殊なこの時期のふろくのみが素晴らしいわけではありません。私には、1984〜1987年のふろくに最も想い入れがあります。『りぼん』を夢中に読んでいる人がいる限り、その一瞬の時期のふろくが最高だと思っている人がいると思います。


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