雑誌記事

1.『プ〜タオ』2000年春の号
『プ〜タオ』2000年春の号、『少女まんが 最初の記憶』(藤本由香里)・『あなたは「りぼん派」?「なかよし派」?』に触れておきます。

まず、『あなたは「りぼん派」?「なかよし」派?』は、面白かったのですが、予告で私が予想した特集の内容と違っていました。
“初めての少女マンガ”という内容と、“りぼん派・なかよし派”という内容が合わさっていて、どちらも中途半端な感じがしました。アンケートの結果を突き詰めてみるとか、『りぼん』と『なかよし』の比較をするならするで、中途半端に過去に遡らずしっかりやって欲しかったです。

しかし、アンケートの結果を少ししか利用していなくてもったいない。結果を見てみたい・・・

最初に読んだマンガ雑誌
りぼん 4422票
なかよし 3479票
週刊少年ジャンプ 537票

やはり、『りぼん』が1位、『なかよし』が2位ですが、943票差はいかにもという感じがします。『りぼん』+『なかよし』で投票全体の8割を占めていたようです。
私は『りぼん』に1票入れました。

最初に読んだ少女マンガ作品
ときめきトゥナイト 1665票
美少女戦士セーラームーン 1422票
キャンディ・キャンディ 478票
ちびまる子ちゃん 383票
姫ちゃんのリボン 286票

ベスト20の中に、『りぼん』の作品は9つ、『なかよし』は6つこれもいい差です。
5位以下に『りぼん』の作品は、7位 「ハンサムな彼女」(吉住渉)、8位 「ママレード・ボーイ」(吉住渉)、10位 「星の瞳のシルエット」(柊あおい)、12位 「こどものおもちゃ」(小花美穂)、14位 「赤ずきんチャチャ」(彩花みん)、19位「ねこ・ねこ・幻想曲」(高田エミ)がランクされています。『プ〜タオ』の読者年齢が結果からよくわかります。
私は「ときめきトゥナイト」に1票入れました。つくづく私はりぼんっこの王道を歩んでいるようです。

特集以上に私が面白いと思ったのが、『少女まんが 最初の記憶』(藤本由香里)。評論家・藤本由香里さんが、自分の少女マンガ遍歴を書いている文章です。

藤本さんの最初に読んだ少女マンガは、『なかよし』の「リボンの騎士」(手塚治虫)。初の少女マンガと言われている作品から少女マンガを読んでいるということですね。
その後、『りぼん』に転向したそうなのですが、そこでキーポイントとなった作品は「ハニーハニーのすてきな冒険」(水野英子)。一条ゆかり先生と一緒!!(意味は、「一条ゆかりあらかると」でプロフィールを参照して下さい)おまけに、「スイート・ラーラ」(北島洋子)がさらっと出てくる当たりに、嬉しさを感じました。

さらに『りぼん』のふろくのこともしっかり書いてありました。藤本さんの年齢から推定すると、藤本さんが『りぼん』を読んでいた時期は、1960年代後半から1980年代前半にかけてになります。つまりは、乙女ちっくの荒らしが『りぼん』に吹き荒れ、『りぼん』のふろくが最も注目された時期の『りぼん』をまるまる読み、「わたしほど『りぼん』や『なかよし』のふろくを実際に「使った」人はいないのではないかと思う。」とまで書かれているわけです。
私も「わたしほど『りぼん』を好きで、いろいろ研究しまくっている人はいないのではないかと思う。」くらい言えますけど。

ここまでなら、私はこんなに熱くはなっていないと思います。最後に『CREA』1992年9月号・特集「THE少女マンガ!!」の「30歳、それは“りぼん”VS“なかよし”で始まった!〜少女マンガと共に生きた女の軌跡」に触れている部分が面白かったのです。P9より引用します。

「少女マンガと共に生きた女の軌跡」というチャートが載っていて、これが笑えるのである。
『りぼん』か『なかよし』で始まって、それから先どんな雑誌を読んできたか(両方読んでいた場合は好きだった方)をたどっていくのだが、りぼんに転向してから、『マーガレット』→『別冊少女コミック』→『LaLa』→『プチフラワー』とたどると、「大学卒業後、出版社へ。いわゆるバリバリのキャリアウーマン」とあり、現在は「退職し、自分の会社を設立。最近少し疲れている」。
なんや、そのまんまやん!

上記は、Essayの「“りぼんっこ”像」で書いている内容と一緒です。
「少女マンガと共に生きた女の軌跡」のチャートは、私がEssayで例に挙げた「70年代のマンガ」とはそう大差ありません。(むしろ、「70年代のマンガ」の方がわかりやすいと思います)ただ、「少女マンガと共に生きた女の軌跡」では出だしが「大都市に生まれる&比較的勉強ができる」=『りぼん』、「地方都市に生まれる&成績は中くらい」=『なかよし』となっています。

しかし、文章中にでてきた

宮台真司の分析に「男の子と普通につきあっている女の子は『別冊マーガレット』を読み、もう恋をあきらめた女の子は『花とゆめ』を読む」

という下りが気になります。この出典は何だろう!調べないといけません。
期待していた特集は普通だったのですが、意外なところで面白いものを見つけてしまいました。


2.『ダ・ヴィンチ』2000年5月号
『プ〜タオ』2000年春の号の『あなたは「りぼん派」?「なかよし派」?』の特集が、“初めての少女マンガ”という部分と“りぼん派・なかよし派”という部分の双方の内容がどちらも中途半端になっていてつまらなかったと指摘したのですが、私が望んでいた形の特集が『ダ・ヴィンチ』2000年5月号の『恋 エッチ 同性愛 私が目覚めたこのマンガ』にありました。

特集の最初のページの読者のアンケートの結果にまず驚かされました。

目覚めキャラクターランキング
オスカル(ベルサイユのばら)
ハルヤマ(ホットロード)
江藤蘭世(ときめきトゥナイト)
ジルベール(風と木の詩)
13 優絵(♂と♀の方程式)
14 光源氏(あさきゆめみし)
19 ナッキー(生徒諸君!)

上位20位以内の少女マンガのキャラクターですが、私が心当たりのある作品が並んでいました。
というのは、“ヰタ・セクスアリス”がテーマになっているとP13にあるのですが、私は今まで、少女マンガとヰタ・セクスアリスの関係の文章で自分が共感できるようなものはなかったのです。どの文章を読んでも
(横森理香「恋愛は少女マンガで教わった」、藤本由香里「私の居場所はどこにあるの?」、別冊宝島「70年代のマンガ」etc.)私の体験とあまりにもかけ離れている作品ばかりが並び、少女マンガが駆け抜けた時代を、その筆者の体験を元に理解できましたという感じだったのです。

さて、“性的なものへの目覚めを3つのプロセスに分けて、マンガからの影響をもう少し深く分析してみよう”(P13より)とありますが、さらに少女マンガだけに焦点を当てて、私なりの感想です。
『りぼん』の話題から離れてしまう部分もあるのをご了承下さい。

1.男と女は違うんだ。はじめてそう気づいたマンガ

少女マンガ作品は「ベルサイユのばら」・「リボンの騎士」が、取り上げられています。

男でも女でもない子供から、男と女に分化して、漠然とそれを認識しはじめる時期になると、特に女性はこの時期には、同時に“性”への恐れを意識下にいだくようになるから、一見“性”を伴わないようにみえるクロスジェンダーなキャラクターたちへの恋は完全な純愛として受け入れやすいのだ。しかし、オスカルやサファイヤは姿は男でも心は女だ。そのギャップを見せられることによって、読者は“性”から逃れるどころか、むしろ、男であること女であることをはっきり見せつけられてしまうのだ。(P14より)

いかにもという文章などですが、気になるのは、今『花とゆめ』は完全にクロスジェンダーなキャラクターばかりです。読者は果たして“性”を意識するのでしょうか?心を入れて読んでないのでどうにもわかりませんが・・・
私が「ベルサイユのばら」を読んだのは、中2でした。同時に「オルフェウスの窓」も読んで一緒にはまりましたが、“性”を意識しました。なんといっても、あのセックスシーンがありましたし。オスカルがアンドレを意識しはじめるところなどドキドキしたものです。

2.マンガが恋の先生だった。「好き」という気持ちを知ったマンガ

これが、少女マンガが主役の部分。

まず、『りぼん』関係3作。
「ときめきトゥナイト」・「星の瞳のシルエット」は、私が最もはまった恋愛ものマンガかもしれません。
「ときめきトゥナイト」では、蘭世と真壁くんの関係に夢中になりました。私が始めて読んだ少女マンガでもあります。
「星の瞳のシルエット」では、香澄:久住:真理子、久住:香澄:司、沙希:司:啓子という脅威の三角関係に毎月どっぷり・・・女2・男1の方が恋愛ものは白熱する(女のエゴがむき出しになるから)と感じたのもこの作品が最初でした。
他には「月の夜 星の朝」。小3の時に連載が終了してしまったので、はまったのが小6くらいになってからなので私はリアルタイムではないのですが、リアルタイムではまってみたかったと思わせる傑作でしょう。

『りぼん』以外の作品では、「ホットロード」・「生徒諸君!」が挙げられています。
「ホットロード」を始めて読んだのが、中3。これがちっともわからなくて・・・「瞬きもせず」とか他の紡木たく先生の作品も読んだことがあったのですが、この方の作品からは私は目覚めるものはありませんでした。
「生徒諸君!」を始めて読んだのは中3か、高1でしたが、私は女子校だったので、この作品にあるような男女の関係は経験したことがなかったので恋愛という面ではイメージがわかない部分がありました。しかし、ナッキー:飛島:マール、岩崎:ナッキー:沖田etc.恋愛ものの要素というか、思春期の男女というものが描かれている作品だと思います。個人的には、初音のレイプシーンがショックでした。私が読んだ初めての少女マンガでのレイプシーンだったと思います。

3.はじめてエッチを知った、衝撃のマンガ

「あさきゆめみし」・「♂と♀の方程式」・「ジョージィ!」・「風と木の詩」・「パタリロ」の5作品が例に上がっています。「ジョージィ!」・「パタリロ」は読んだことがないので、残りの3作品について。

「あさきゆめみし」が上がるとは驚きました。この作品こそ私が少女マンガでセックスシーンを見たマンガです。小5・6の時でした。源氏物語には、身分違いの恋・近親相姦・遠距離恋愛これでもか〜というくらいの恋愛の形が詰め込まれています。女同士でどのキャラが好きと話し出すと盛り上がる作品です。(私のNo1は朧月夜です)
「♂と♀の方程式」は、中2くらいの時に読みました。こんな娘がポルノ小説書けるはずないよ〜と思いつつ読んでいました。妄想主体というのは一見良さそうで、当時の私にはすでに物足りなかったようです。妄想vs妄想みたいになってしまうからでしょうかね・・・
「風と木の詩」を読んだのは高2くらいの時でセックスシーンはなかったにしても、少年愛ものでは「トーマの心臓」などを読んでいました。最初のセックスシーンを見た時には、少女マンガ評論本の中で超有名シーンということを何度も読んでいたのでシーンとかでの衝撃はありませんでした。セルジュとジルベールよりも、オーギュストとジルベールに夢中になりました。

“同棲愛に目覚めたマンガ”で読んだことのある作品は、レズ「秘密の花園」、ゲイ「日出処の天子」が上がっていました。私は同棲愛に目覚めてはいないので、客観的な感想しかないのですが、確かに「秘密の花園」で最後にハッピーエンドで結ばれたということが、すごいことだったんだと改めて思いました。レズ的な要素を作品にいれることは、『なかよし』でも「美少女戦士セーラムーン」・「カードキャプターさくら」、『りぼん』でも何度もあったことですが、最後はあやふやになってしまうか、悲恋に終わっています。それをパッピーエンドにしたというの今の時代を象徴することだったようです。

“男×女だけが恋愛じゃない『やおい』の世界に目覚める!”で読んだことのある作品は、「ニューヨーク・ニューヨーク」・「花」。この分野はほとんど読んだことがないので目覚めていないといえるのですが、やおい初心者でも大丈夫として小野塚カホリ先生のインタビュー付き。私が始めてやおい分野の作品を読んだのがほかでもない小野塚カホリ先生。他のやおい作品を読もうとは、残念ながら小野塚先生の作品を読んで思わなかったのですが(普通の作品の方が小野塚先生はおもしろいとわかったので)確かに、やおいを読んだことない人でも読めることは読める方ではあると思います。

最後に“今どきの目覚めコミック”として、16〜25歳(特に10代中心、読者層よりも若い世代の読者に街頭で、そして何故かキャバクラでインタビューしている)のコメントが載っているページがあります。少女マンガのみをピックアップ。

「ホットロード」・「闇のパープル・アイ」(25歳)
「11人いる!」(16歳)
「クローバー」(16歳)
「なんて素敵にジャパネスク」(16歳)
「ねこ・ねこ・幻想曲」・「ハンサムな彼女」(20歳)
「快感・フレーズ」(16歳)
「天使なんかじゃない」・「恋愛カタログ」(16歳)
「ハッピー・マニア」(22歳)
「星の瞳のシルエット」(19歳)
「ホットロード」(21歳)
「ときめきトゥナイト」(17歳)
「♂と♀の方程式」(20歳)
「花より男子」(20歳)
「ママレード・ボーイ」「ハンサムな彼女」(16歳)
「ピンクのラブソング」・「ハッピー・マニア」(25歳)
「ふしぎ遊戯」(19歳)

『りぼん』率高い・・・『なかよし』の作品が一つもないというのが意外です。
記事では、若い世代だけが挙げた作品で「天使なんかじゃない」・「ハンサムな彼女」に注目しているのですが、「天使なんかじゃない」が「生徒諸君!」の後継者という分析の方に私は魅かれてしまいました。そう思えるのかな。
そして、“学園ハッピーマンガ”と「天使なんかじゃない」は言われてしまうのですが、これを継承した作品がないと書いてあるのだけど、「恋愛カタログ」・「花より男子」はそうじゃないのかい!と突っ込みたくなります。「彼氏彼女の事情」にしても継承者はさらに下の世代だよと国庫みたくなります。

コメントでおもしろかったのは

  • 「ねこ・ねこ・幻想曲」・・・猫の姿のときに交尾するシーンがショックでしたね。
  • 「ハンサムな彼女」・・・男の子に押し倒されるシーンも小学生なりに驚きました。

みるところはしっかり見ていますね。最後に、

みな、多少なりとも目覚めを導いたマンガはあるようだが、「マンガをリアルなものとして読んでいない」「マンガはマンガだから」という声も多く耳にした。どうも、現代の読者にとってのマンガは、未来の自分を投影する、恋や性のテキストではなく、現実とは大きくかけ離れたファンタジーとして一歩引いた目で楽しまれているようだ。10代の現実はマンガを追い越しつつあるということか。(P29より)

で締めくくられています。重いですね。私は『りぼん』で恋愛ものを読みたいという強い気持ちがあるのですが、検討ちがいということでしょうか?でも、『りぼん』世代の読者だけは、マンガに本気になっていると思っていますけど。

何だか、気持ちが悪いくらい私の目覚めマンガを追ってくれてありがとうという特集でした。


3.『PUTAO』1999年4月号
『りぼん』について書かれている記述を集めるのが私は好きです。どのように、『りぼん』が見られているのか知ることができるわけですから。

立ち読みはしていたのですが、先日『PUTAO』1999年4月号を手に入れました。巻頭特集「まんが雑誌[傾向と対策]ガイド」の『りぼん』について触れられた記事に注目したいと思います。

Essayの「『りぼん』はつまらない雑誌なのか」で、『りぼん』について触れられた記述についてまとめてありますが、この記事は中でも比較的最近のものです。
この『りぼん』の解説は、現役読者向きのものではないでしょう。
『PUTAO』の読者層を考えれば、小・中学生はないのですから当り前ですが、この文章の意味がわかるようになるには、高校生以上の『りぼん』歴が必要だと思います。

私なりに、解説をつけていきます。

  • かつて私たちが現役読者だったころ、『なかよし』よりちょっと大人な小学生向け雑誌が『りぼん』だった。

現状は、『りぼん』は『なかよし』よりも、対象年齢層が同じくらいですが、実際の読者は年齢が高いようです。
しかし、“かつて私たちが現役読者だったころ”とは、1970年代後半から80年代前半を指していると思われます。

1970年代中盤、『なかよし』は「キャンディ・キャンディ」で快進撃を続けており、発行部数は『りぼん』より上でした。
『りぼん』は当時、“乙女ちっく”全盛期。陸奥A子、田渕由美子、太刀掛秀子先生らが活躍していました。“大学生も『りぼん』を読んだ”とされ言われ、高年齢化した特異な時代を迎えていました。70年代後半から、小椋冬美・高橋由佳利・本田恵子・池野恋先生らが活躍し、徐々に『りぼん』も低年齢化します。
とはいえ、当時の両誌の代表作と比較すると、

『りぼん』 「花ぶらんこゆれて・・・」(太刀掛秀子、1978〜1980年)
       「砂の城」(一条ゆかり、1977〜1981年)
       「ときめきトゥナイト」(池野恋、1982〜1999年)
       「星の瞳のシルエット」(柊あおい、1985〜1989年)
『なかよし』「おはよう!スパンク」(たかなし・しずえ、1978〜1982年)
       「なな色マジック」(あさぎり夕、1986〜1988年)

傾向違うよな〜と思わずにはいられません。恋愛主体というか・・・「キャンディ・キャンディ」 vs 乙女ちっく作品でも同じ事がいえますが。

  • が、最近は逆にストレートな恋愛話も多く、少女まんがらしい恋愛モノはこちらでは?と思わせる雰囲気なのだ。

ストレートな恋愛話が『りぼん』に少ないと記述される理由がどうも私には納得できません。私のイメージでは、『りぼん』の方が『なかよし』よりも、昔から恋愛主体というイメージがあります。
『なかよし』に詳しくないからわかりません。いつ頃の時代と比べているんだろうか?

  • まったく正反対のベクトルを持つ作品が一誌に収められているのも、『りぼん』らしいといえば、らしい。読者的にも読みがいがあって嬉しい。

「神風怪盗ジャンヌ」(種村有菜)と「下弦の月」(矢沢あい)を比較しての記述なのですが、これは非常に『りぼん』の特徴を捉えていると思います。

乙女ちっくと一条ゆかりのメロドラマ、「星の瞳のシルエット」(柊あおい)と「ちびまる子ちゃん」(さくらももこ)・「お父さんは心配症」(岡田あーみん)、一条ゆかりと「姫ちゃんのリボン」etc.対象読者層がどう考えても合わない、対象年齢層がどう考えても異なる作品が一辺に入っているということは昔からありました。
これは、『りぼん』の厚み・大きさを見れる特徴の一つだと思います。

この記事に、恋愛度、身近度、乙女チック度、美少年度、ファンタジー度、大人度を表したグラフも持っているのですが、ファンタジー度(異世界、芸能界を舞台にしたもの、SFテイストの作品が多いかどうか)が、5段階評価で、“5”ってのは納得できません。
1999年2月号での判定です。確かに、「神風怪盗ジャンヌ」、「赤ずきんチャチャ」、「下弦の月」、「ラブラブ・ショック!」、「ティンクル★ティアラ」と多いのだけど、一瞬でしか『りぼん』を見てないような気がします。長期的に見れば、“4”以下だと思うのですが・・・


4.『ダ・ヴィンチ』2000年10月号
ダ・ヴィンチ』2000年10月号の特集『男がヒタる少女マンガ 女がはまる少年マンガ』を、『りぼん』作品について触れられている部分に注目します。

マンガの話題を扱っている雑誌は、『ぱふ・『プ〜タオ』・『コミック・ファン』etc.ありますが、私は『ダ・ヴィンチ』が一番肌にあいます。
『ぱふ』は、アニメ・声優・同人情報も扱っているのですが、マンガもその系統に引きずられて、その方面が好きな人が興味がありそうなマンガが多く、まったく興味がない私には、興味がひかれませんし、書いてあることがよくわからないのです。
『プ〜タオ』は、漫画家のエッセイマンガが多くミーハー的な感じで、白泉社から出ているのでどうしても白泉社系の漫画家が多く、白泉社系は読んでいるようで浅くしか知りませんし、私は漫画に対してミーハー的な気持ちは薄いのでついていけません。
『コミック・ファン』は、マンガに詳しいわけではない私には(私のレベルは、少女マンガの流れがわかる程度)濃すぎて興味がわきません。
その点、『ダ・ヴィンチ』は対象年齢もあっていますし、書籍の話題も扱うことでマンガの話題のマニアック度は低くなっているけれども素人向けでもなく、適度なミーハー路線で丁度いいのです。

P14の「オトコが好きな少女マンガBEST20」は、『りぼん』の作品は11位に「有閑倶楽部」(一条ゆかり、RMC既刊18巻)が唯一ランクインしています。
解説部分に「(男性は)少女マンガを少女マンガとして楽しむ、というよりは、男性マンガとしても読める少女マンガを読んでいる」とあります。ランキングを見る限り(1位「BANANA FISH」、2位「日出処の天子」、3位「動物のお医者さん」…)この分析は妥当であると思われます。
では、少女マンガの大王道を突き進み、女の子だけを対象に作品を生み出しつづけている『りぼん』にあっては、この枠を超えるのは当然「有閑倶楽部」しかありえないわけです。
ちなみに、「オンナが好きな少年マンガBEST20」の解説部分の「(女性は)男のマンガを男のマンガとして楽しむことができる読者」と対比すると、妙に納得してしまいました。

P20、21の藤本由香里さん、村上知彦さんの「「少女マンガ」「少年マンガ」って何?」は、このお2方の文章はいろいろと読んでいるので、読みなれているのですが楽しめました。
HPの方でも「はまった」と何度となく書いている「イティハーサ」(水樹和佳子、BC全15巻)を、藤本さんは「男性が読んでも面白いもの」(男性でも読みやすいと思うの意味で)として挙げられています。水樹和佳・内田善美先生といった路線の『りぼんコミック』に影響されて『りぼん』でデビューし、『りぼんデラックス』→『ぶ〜け』で活躍された先生方(ポスト『りぼん』24年組とでもいいましょうか)には、70年代の『りぼん』の作風の領域の広さを感じ驚かされます。村上さんの

ひと頃、陸奥A子さんや田渕由美子さんたちの、いわゆる“おとめちっくアイビー”が男の子の間で流行ったのも、スタイルとして客観的に読めたからなんでしょうね。客観的にヒロインをかわいいものと思える。女性が少年マンガや青年マンガを読むのも同じ理由だち思います。主人公にのめり込まないので、気楽に読めるからいい。

には、かなり衝撃を受けました。
まず、一条ゆかり先生(24年組の1人)、水樹和佳子先生(ポスト24年組)ときたら、『りぼん』ででの重要なキーワードは、陸奥A子・田渕由美子・太刀掛秀子先生の“乙女ちっく”でしょうね。マンガ関連の話題を扱う評論家は、最新のマンガの全体像という面では網羅しきれていませんが、70年代のマンガにはやたら詳しいので、流れははずさないという感じです。とはいえ、「“少女マンガ”“少年マンガ”それぞれの役割、目的、読者層、手法、歴史的経緯」(P21)を語るのに、“乙女ちっく”というキーワードを使ってしまうとのうのは驚きでした。

衝撃を受けたというのは、男性が少女マンガを読む視点というものに対してです。私は女で、少年・青年マンガをまったく読まない人です。私はマンガを上の文章とあわせるなら、主観的に読んでいます。
私の文章を「客観的だ」と感じた人がもしいたならば、それは錯覚です。私は頭の中までどっぷりとマンガの世界に入り、作品を楽しむタイプです。つまらないマンガは距離を置きますけれど、少女マンガの場合、客観的な読み方をするのは稀です。1回どっぷり行った後に、冷静に作品を振り返りはしますが、基本的には最初の時の印象が大事なのです。

「BANANA FISH」のような男性でも読みやすい作品を私が読めるのは、私が映画が好きだからでしょう。少年・青年マンガを読むならば私は「映画の視点で読める作品」を選びます。
少女マンガ読みの中には男性読者の存在は欠かせません。私は男性読者の少女マンガの話はほとんど理解できません。理解したいとも思わないのですが、知るという意味では面白いものなのです。今までに男性読者から同意(反論)を求めれても、なんで私が同意(反論)しなければならないのか、その意図そのものが理解不能ということがありました。今後は「スタイルとして客観的に読む」ということを心の中にしまっておこうと考えました。

P22、23の「あの漫画家が描いていた意外な少女マンガ&少年マンガ」では、『りぼん』が最もたくさん出てきます。
「男性作家が描いた少女マンガ」では、「ひみつのアッコちゃん」(赤塚不二夫)が取り上げられています。横山光輝先生の作品は「東京の青い空」(『少女ブック』連載)が取り上げられていましたが、個人的には「魔法使いサリー」などの『りぼん』作品だと嬉しかったです。それぞれの雑誌から公平に選ばれているようなので、『マーガレット』の前身である『少女ブック』は外せない意図もわかるのですが。
楠桂先生が男性誌で活躍する女性作家の例で取り上げられているのですが、「古巣の『りぼん』、などでも活躍中。」などと、誤りがあります。楠桂先生は『マーガレット』・『コミッククリムゾン』に、活動の場を移されていらっしゃいます。
「これはビックリ!あの作家が少女マンガを」では、「ルミちゃん教室」(つのだじろう)、秋本治先生の『りぼん』1999年2月号の別冊ふろくのことや、みなもと太郎先生が『りぼん』系雑誌でデビューされたことについて触れられています。秋本治先生の別冊ふろくに関しては、++Appendix++の
今のふろくに対する不満で、その他の男性漫画家に関しては、++From Ribon++ですべて触れているので何のこと?という人は確認して下さい。++From Ribon++にいる男性作家のほとんどは、50、60年代の『りぼん』で活躍していらっしゃった方です。

P26、27の「彼氏に読ませたい少女マンガ」の「この女の世界を知ってほしい編」の第10位に「天使なんかじゃない」(矢沢あい)が、「彼氏でもきっと読みやすい編」の1位「BANANA FISH」、2位「動物のお医者さん」に続いて、第3位に「有閑倶楽部」(一条ゆかり)、第8位に「お父さんは心配症」(岡田あ〜みん)と、『りぼん』の作品がランクインしています。
「有閑倶楽部」は、女性には男性でも読めると思われているのに、実際には女性が考えるほど男性には読まれていないということがわかりました。やはり、一条先生は絵が華麗ですから絵だけで無理という男性もいるのかもしれません。
「お父さんは心配症」は、『ダ・ヴィンチ』では、前にも出てきたことがありますし、『ダ・ヴィンチ』読者の好みがわかります。(ギャグマンガの特集のときです)

「天使なんかじゃない」は実際に3人の男性が「まっすぐにいこう」(きら)、「ぽっかぽか」(深見じゅん)、「イマジン」(槇村さとる)、「ウルフ物語」(岩田江利子)といった作品と一緒に読んで感想が★で示されているのですが、見事評価が5作品中最低でした。
本来なら、この原因を探るべきなのでしょうが、男性の感想・評価などには興味ないってことで事実として受け止めるだけにします。個人的に、作品の説明文の

現在はなぜか安野モヨコの対抗勢力としてヤング女子の支持を受けている

に釘付け。これは『Zipper』だから?おしゃれマンガと思われているから?“なぜか”という部分に共感してしまいました。私には、安野先生と矢沢先生は本質が別なところにあると思っているのです。「天使なんかじゃない」のコメントに「ヤンキー系地方女子が好みそうな感じ」というのがあるのですが、安野先生の作品は「好みそうな感じではない」のですから。矢沢先生の作品の「ヤンキー系地方女子が好みそうな感じ」は私は苦手です。(『Cookie』第2号2000年7月号参照)

P30、31は、とり・みきさんの「違いがわかる、新・ジェンダーレスマンガ!」ということで、少年・少女マンガのキャラクターの歴史と変遷をヒーロー・ヒロインに置き換えてパロディにした2ページのマンガです。
「少女マンガには時代時代を代表する共通概念がある」「少年マンガは核となる共通概念がない」というとり・みきさんのコメントが非常に興味深かったです。
『りぼん』の読者は必ず、この時代の『りぼん』には思い入れがあるという時代があって、その時代が一緒だと“共通概念”があるのが当然ですし、『りぼん』の略年表を作成しながら、“時代時代の代表する共通概念”を追ってきたので驚きました。
パロディマンガには、P30(9コマ目)に24年組を代表して、樹村みのり先生(結構、マニアックな方なのですが、人間の描き方が深く方です。)が、P31(2コマ目)に乙女ちっくを代表して、田渕由美子先生を明らかに真似した絵が出てきます。

『りぼん』関連だけで、これだけ突っ込みできる読み応えのある特集でした。


5.『編集会議』(2003年4月号)「少女マンガ特集」より

『編集会議』は業界系の雑誌なので、一工夫あるかと思いましたが、あまりにも少女マンガ特集を読み慣れてしまっているのか、印象は普通でした。
『りぼん』に関する記述は、以下の部分です。

★ふろく
ここ2年くらい少女漫画批評・評論内の『りぼん』に関する記述は、『ちゃお』、『なかよし』と並列して“ふろく”のみ。作品で挙げられるようなものはないから、仕方ないけれど、いい加減「またかい!」と思ってしまいます。後藤真希のフィギュアを“飛び道具”と称したのは『編集会議』の文章だった気がしますし…

★上原きみ子
『りぼん』出身漫画家にして、『ちゃお』の創刊時の巻頭カラー作家。当時の『りぼん』の体制について少し触れられていました。上原先生のインタビューははじめてではないですし、『りぼん』で使ってくれないから、お金も必要で、自分をより買ってくれた編集者がいた小学館にいった」というのは有名な話ですが、『りぼん』出身者ということで作品もバッチリ読んでいるので、親近感がわきます。(私はやはり「マリーベル」が好きです。)

★少女マンガ誌マッピング
『りぼん』の紹介文は、「亜月亮・酒井まゆ、種村有奈、吉住渉など読み応えのある内容」でした。“有奈”じゃななくて、“有菜”だよとか、槙先生はいないんだとか、つっこみを入れてしまいます。しかし、『りぼん』を“読み応えある”とか称するところに違和感が否めない。。

★少女マンガカタログ全173作品
『りぼん』の作品は紹介順に、

  • 「こどものおもちゃ」(小花美穂)
  • 「有閑倶楽部」(一条ゆかり)
  • 「ちびまる子ちゃん」(さくらももこ)
  • 「こんぺい荘のフランソワ」(陸奥A子)
  • 「さよならなんていえない」(小椋冬美)
  • 「フランス窓便り」(田渕由美子)
  • 「月の夜 星の朝」(本田恵子)
  • 「花ぶらんこゆれて…」(太刀掛秀子)
  • 「デザイナー」(一条ゆかり)
  • 「銀曜日のおとぎばなし」(萩岩睦美)
  • 「ときめきトゥナイト」(池野恋)

でした。最低限これくらいは読んでないと『りぼん』って何だとは言えない超基本ラインナップだと思います。あえてつっこみを入れるなら

  1. 「日出処の天子」の存在があまりにも偉大すぎて、「アラベスク」(いずれも山岸凉子)は、意外とこの手のベストから落ちる気がする。(超名作なのは周知のことのはずなのに)
  2. 「さよならなんていえない」は「リップステック・グラフィティ」でもいいと思う。
  3. 「お父さんは心配症」(岡田あーみん)はいれてほしかった!
  4. 「月の夜 星の朝」があるんだったら「星の瞳のシルエット」(柊あおい)も入れるべき。
  5. 「デザイナー」だから仕方ないですが、「砂の城」という名作もあるのに…
  6. 同じく「NANA」だから仕方ないですが、「天使なんかじゃない」という名作もあるのに…

という部分だと思います。
残念ながら、谷川史子・吉住渉・椎名あゆみ・水沢あゆみ先生はこの手の特集では絶対外れます。(羅列紹介モノではよく入っていますが。ちなみに、取り上げられることが多い順番です。谷川先生の方が吉住・椎名先生よりも多いと感じるのですがいかがでしょう…)
若手の現役の『りぼん』の漫画家で、この手の特集に名前が挙がる方は、現在、誰もいらっしゃいません。『りぼん』のファンである私が、贔屓目で見ても、「ポーの一族」・「ベルサイユのばら」とか挙げられている特集で、今の『りぼん』の漫画家の作品を並べる勇気はありません。


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