『りぼん』2000年4月号感想

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『ぶ〜け』が3月号(最終号)で、5月下旬から『Cookie』が月刊誌になると読んだので、『りぼん』でも広告があるのかな〜と思っていました。そうしたら、『ぶ〜け』の広告ページが、そっくりそのままぶ〜けマーガレットコミックスの広告になっていて、詳細についてはわかりませんでした。
今月号での注目すべき点だったので拍子抜け。それだけ詳細が決っていないのかもしれません。噂が広がっていますが、『ぶ〜け』での広告では不明点ばかりでよくわかりません。出筆漫画家と、『りぼん』との関係は知りたい所です。

今月号の『りぼん』はあまりにも普通で面白くなかったです。心を動かされるような展開の作品が少なかったです。「ペンギン☆ブラザーズ」の休載には驚きましたが、動きがないというか。


◆ペンギン☆ブラザーズ(椎名あゆみ)
3ヶ月の休載&RMCも発売延期。何事もなくただ休みならいいのですが、身体精神面が問題とかいう、休養とかなら不安です。次号の新人の本誌掲載はページ数から見ても(ここ4ヶ月連続での新人の本誌掲載は45Pだったので)予期せぬことという感じがしますから・・・

扉の煽り文句で「役者はそろった!?」とあるんですけど、相変わらず、不完全燃焼気味です。そろってないだろう・・・女の子の新キャラが1カットだけ出てきて、名前もわからない状態ですし、意味ありげなシーンが連続していたように思います。
「ペンギン☆ブラザーズ」は好きです。ストーリーはどうこういう段階ではないのですが、陽菜が魅力的ですね。しかし、小柴・西崎・一色の3人がみんな陽菜に惚れてモテモテとかいう展開にだけはなってほしくないです。今の調子で、少し恋愛要素を排除して、各キャラの魅力を最大限に引き出すエピソードを積み重ねてほしいと思います。

常盤学園の校舎のモデルは気になります。はっきりいってつじつまのあっていない校舎なんですけど、何か見て描いているのは間違いないでしょう。打ちっぱなしの内外装・アトリウム・全面ガラス張り壁面・・・
しかし、陽菜の跳び蹴りの絵は下手でした。悠理(有閑倶楽部)で跳び蹴りは見慣れているんで、妙に気になりました。


◆GALS(藤井みほな)
今月号はどうこう感じるストーリーではありませんでした。ただ、時間が普通に流れて、キャラ1人1人ががいろいろ考えて、悩んだり、成長したり、また、キャラ同士の微妙な関係などを描こうとしているのがわかるので、読んでて安心感があります。
しかし、細い手足・肩幅がない・動きがないetc.ココまで来たか!という感じですね。流行の部分を取り入れつつ、つくづく『りぼん』っぽい絵だなと思います。

今月号は、ストーリーそのものよりも、学校のシステムについて感じることが多かったです。
まず、進学クラスと普通クラスに別れるということ。国立理系・国立文系・私立理系・私立文系という分け方や、理数科・英文科・普通科とかいう分け方ならすんなりいきます。「月の夜 星の朝」などでは前者が使われていましたし、私も前者のようにわける学校だったから、変な違和感を感じてしまって・・・学校のシステムはいろいろあるので、難しいですね。

あと、テスト勉強に関する部分が「今の勉強ってほんとに暗記なんだな〜」と感じずにはいられませんでした。私は学生ですが、学校での暗記の勉強は終えてしまったので、不思議な感じがします。(もちろん、資格試験の勉強もしたりしているので、暗記はよくしますが・・・)
漫画の中の、学校生活(受験なども)は違和感を感じないように、でも普通でなく描かないといけない部分で実は結構難しいのかなと思います。学校生活をメインにしていないなら、試験などの学園生活に関する記述はほとんどないので、そんな心配は要らないと思うのですが・・・


◆Wピンチ!!(亜月亮)
好きですね〜人気もあるようで、カラーも2枚ですし嬉しい限り。『りぼん』にあってほしい漫画だな〜と思います。『りぼん』を読んでいてよかったとか思ってしまいますから。

本当に、あの動物の擬人化具合には、浦川まさる先生というか、樹原ちさと先生というかを思い出してなりません。特に、トト丸は犬だからか、「かん忍!!茜」の藤丸、「桃色ミステリー」東風(いずれも、樹原ちさと先生)に重なってしまいます。あの怪しげな技とか、まさにです。しかし、「ドラゴン拳白書」はないだろう・・・「ドラゴンボール」+「北斗の拳」+「幽遊白書」という、全部『少年ジャンプ』の作品の組み合わせであるのは確かだし、「MIOJIO」も合わせて全部“集英社かい!”という気分になります。文字っているんだから、他社の作品を入れたって全然かまわないような気がします・・・
ストーリーは緩急もあるし、変な新キャラも出てきそうでますます期待です。亜月先生の描かれるキャラは最近、男女共に魅力的でほんとに良いわ。


◆5−ファイブ−(芳原のぞみ)
ページをめくった時に、絵が上手くなって、眼の大きさも適度だし、いける!と思いました。
ストーリーはというと、バンドもの。前回の連載の、デザイナーもの同様、派手な設定のものを選んだなと思ったのですが、今回の方がまだ、無理ななさそうな気がしました。
音楽のマンガは音が聞こえないと真に作品の良さはでませんが、周りの雰囲気だけでそれなりに見えてしまえるものです。「あなたとスキャンダル」(椎名あゆみ)でも、音は聞こえませんでしたが、それ以外のノリが面白ろかったので、良い作品に仕上がったと思います。音を聞こえなくても楽しめるように、椎名先生が仕上げたのだと思います。

でも、デザイナーものはビジュアル的に服を含めたデザインセンスがないとはなっから駄目です!「杏ちゃんのめくるめく日々」では、芳原先生にそのセンスは感じられず、ストーリー面でかなりのマイナスに感じられました。
前回の初連載よりも芳原先生が確実にレベルアップしているように感じますし、次号の展開に期待します。
しかし、芳原先生は変身ものがかなりお好きのようですね。ここまで同じ設定でこられると何やらすごいものを感じます。2度目の連載になりますし、他にも新しい面をいろいろ見させてほしいものです。(下着が見えるという展開も一緒だし・・・)
あと、“篤郎”という名前は今を時めくバンドものマンガ「快感・フレーズ」にいたような・・・


◆グットモーニング・コール(高須賀由枝)
これはすごい・・・
内容がとてつもなく薄い号でしたね。新連載(5−ファイブ−)と、感情の起伏が極端な作品(神風怪盗ジャンヌ)に挟まれているので、余計にそのように感じたのかもしれません。人気があるので、ストーリーをまとめたり、早めたりする必要がないのでしょう。
でも、事件の種はまいていたので、次号の展開に期待しましょう。

別に楽しくなかったというわけではありません。英単語帳をパタパタはたく上原くんを見たら満足しましたから。しかし、iMacが中古で10万とは、高い買い物だよ・・・上原くん。


◆神風怪盗ジャンヌ(種村有菜)
最近、散々種村先生のいろんな話を聞いて飽き気味です。たまりにたまって、本業に支障がでてしまったなと思いました。種村先生は被害者ですが、先生・関係者共々、プロ意識を高めるようにしてほしいと思いました。
「神風怪盗ジャンヌ」の良さはなんと言っても、勢いと展開の速さ。個々のシーンでのキャラの心情にはどうにも納得できない作品ですが、展開で楽しむのは好きです。


◆パートナー(小花美穂)
「パートナー」の「これまでのお話」を読むと字の量・漢字の量・文体共に他の『りぼん』作品と違うなと感じます。(いつも思うのですが「これまでのお話」ってほんとに上手いです。編集者の国語力は素晴しさを実感できます。あらすじ1つろくに書けないよ・・・私は)
今月号は落ち着いた気持ちで楽しめました。派手な話の展開(アクションシーン)はなかったのですが、小花先生はアクションシーンは上手くないので、反対に違和感を感じなかったようにも感じます。また、P301ページが非常によくて満足しました。

小花先生の漫画の手法について少し触れてみます。
小花先生のネームの文字部分でなく、コマ構成の部分に焦点を当てると“間白”(コマの余白、余白そのものコマ。マンガコラムニスト、夏目房ノ介氏の造語)が非常に多いことに気付くと思います。今月号では、P272、276、277、282、286、287、288、289、290、292、294、296に、“間白”、或いは同様の効果があるものがあります。

最近は、少女マンガではトーンで原稿用紙を埋め尽くす、原稿が重いほうがいいといったような風潮が少なからずあるのですが、“間白”は私にとって読むリズムを取りやすくしてくれます。小花先生の間白のほとんどは画面転換や、時間経過を表すフェイドアウト感を表していますが、それ以外にも、間白により、自分なりに読むテンポを整えたり、息をついたりしやすくなっています。作者がどのように読んでほしいのかといったことも掴みやすいです。
一概にいい効果だけとは言えないように思いますが、小花先生があまりにも使っているので、触れてみました。

ネット上で小花先生が三原順先生の後継者だ!という人がいて興味深かったのですが、三原先生のレベルとは、「パートナー」は完全に違うところにいると思います。もちろん、「こどものおもちゃ」は、アダルトチルドレンという視点から重なるという気持ちはわかりますが・・・


◆もっとちょーだい!(あゆかわ華)
ストーリーの展開が単純で、ストーリーも「やっぱ愛でしょう!」にヒロインが重なって来ます。
一つ気になるのが、P322の伊織が、陸を抱き上げて走り出すシーンです。『少コミ』じゃないんだから、体重のないようなシーンはちょっと。

『COMIC GON!』Vol.5に「主人公の女って、めちゃめちゃ華奢ですぐ男にこわきに抱えて持ってかれちゃって、口では「いやぁっ」とかいいつつもほとんど無抵抗で服を破かれる始末。でも本当に犯されはしないのが少コミなの」という記述に苦笑したのを思い出しました。これが許されるのは、篠原千絵(生み出した人でしょう)先生だけだと思います。陸はおしりが重そうだから、抱えられないって・・・


◆世紀末のエンジェル(倉橋えりか)
マンガが流れていかないんですよね・・・展開が早いというわけではなく、物語の中に入れないという意味です。読んでもイメージわかないので感想をいつも書けません・・・


◆プリズム・ハート(浅月舞)
浅月先生の作品を読んだのは、「彼と彼女のロマンス」に続いて2作目です。「彼と彼女のロマンス」は、「魔法のとけたプリンセス」(柊あおい)+「魔法をかけて」(椎名あゆみ)÷3といった作品でした。
絵は、眼球肥大症気味ですがかわいいですし、線もきれいだと思いました。背景は全然書けていませんでしたが、今回驚くほど背景がしっかり描けていて、新人の伸びる力はすごいはと感心しました。
「彼と彼女のロマンス」のストーリーはキャラの心の動きも流れも自然で上手いと思いました。ただ、上に書いたように、既存の作品の上手さには及びませんが・・・特に、ラストの盛り上がりが物足りないのが残念でした。
特に、敦士のクラスメートが芽衣を責めるところが気になりました。あんなに単純に面と向かって人を責めたりするでしょうか?それこそ、裏で言っていたのを聞いたとかいう方がありそうだし、ショックを受けるような気がします。このシーンは後に続く重要なシーンなのでもっと練ってほしかったと感じました。

さて、前置きが長くなりましたが、「プリズム・ハート」も上手いと思いました。4ヶ月連続で新人の読み切りがありましたが、私はこの作品が一番好きです。
ストーリーの設定は、「彼と彼女のロマンス」以上に普通です。(「Wピンチ!!」、「5−ファイブ−」と一緒で、2つの顔を持つヒロインで、新鮮味はまったくない)しかし、エピソードの重ね方が上手いので、話に引き込まれました。

ちょっと付け加えるなら、キャラの心の微妙な揺れなどをもっと演出できるとさらにいいです。
例えば、涙のシーン。ヒロインが泣くシーンは、キャラの感情が最も揺さぶられていると捉えられるので、非常に重要です。
P397の涙はP398の笑顔の対比で引き付けました。これは上手いです。しかし、P409からの涙はインパクトが弱いです。P397とページも近く、前の涙、そして笑顔が残っています。そこに、また涙のシーンでは弱すぎです。もちろん、前の涙とは種類が違います。その変えた点は評価できますが、この涙の種類が、自分の好きなものを取り上げられた子供って感じです。恋する女の子の涙は描けてほしかったと思います。


「どーしてネットに悪口書き込むヤツらってあんなに偉そうなの〜!? そんなに他人をこきおろせる程、立派な仕事を自分はしてるの〜?」と言われていた漫画家がいました。

ネット上での漫画の感想は、感想を書くことで作品を紹介(宣伝)しているという役目も果たしていると思います。(ついでに、データを整理している役目もあります)マイナスの部分を指摘されたくらいで、愚痴を漏らすのは、作家として器が小さいなと感じました。(自分が偉そうだ)愚痴はマンガの質をただ落すだけ・・・ほっとけばすむことがほとんどですから。

私には、褒める人だけしかいない世界は、気持ちが悪いです。嫌いな人・苦手な人・生理的に駄目な人が、自分の好きな作品にいるのは当り前なことだと思います。ネガティブな部分を含めてたくさんの人の意見を聞きたいと思います。もちろん、悪口が全部では疲れますが・・・


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Presented by Eiko.