『りぼん』2000年6月号感想

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今月号をもって『りぼん』の所有冊数が246冊となりました。20年半分の『りぼん』を持っているということになります。とはいっても、私は20年半も『りぼん』を読みつづけているわけではありません。(ちょうど、16年)私は『りぼん』を集めてるのです。

現在、探求冊数72冊。丁度、6年分。
6年は『りぼん』を平均的に買う年数よりも長いと思います。とにかくたいへんな量をなので、今のところ早くよりも、安くということを心がけて集めています。別に、『りぼん』を揃えて何をしようというわけではありません。あえていうなら、1993年以前の『りぼん』の目次はないので、集まってきたら作る可能性があるくらいです。このページと同様、自己満足。本棚いっぱいの『りぼん』って壮観なんですよ。


◆GALS(藤井みほな)
「GALS」のノリと、
緊迫感が、うまく融合してきたなと感じます。キャラが走りだしているからでしょう。

ただ、話の展開は無理がある部分もあります。
ユミとマリの描き方が心理描写の中途半端にだからです。
蘭側は安定しているし、亜貴も藤井先生は気合を入れているのが伝わってきますし、あと上手い味を出しているのが、担任の中セン&タツキチ。
この、歯車の中にユミとマリを入れたくないのかもしれません。

絵柄も安定していますね。ただ、亜貴のダサくみえないところが気になりましたが・・・
P25の最終コマと、P27の2コマ目のパースも無理があった。
机の脚のディテールが気がくるいそうなほど細かいのですが、椅子とデザインがあってないし、高さも、机同士の間隔も明らかにおかしい。教室なのに、教室の雰囲気が出せていませんでした。
藤井先生は街の雑踏の雰囲気は上手く出せているのですが、人が少ないところの空虚感はこれからの努力が望まれます。両方かけるようになると表現力の幅が広がると思います。

ちなみに、町田の小田急デパートが出てきますが、地元です。私は今月号で描かれた広場を何百回となく歩いています。しかし、簡単に電車が止まる設定の小田急線って・・・
地元民として突っ込みを入れさせていただくと、

  • 246号は町田を通ってはいません。町田市の最も下の横浜町田インターチェンジ付近のかすめているだけ
  • 246号沿いには田園都市線の駅(田奈、青葉台、藤が丘、市ヶ尾、江田)があるので、自転車でいくよりも田園都市線に乗りかえなかったのは何故か
  • バイクも車も乗ってない人が、町田から渋谷までの道はそうそうわかるわけがない
  • そもそも、246号は交通量が多い国道なので自転車で通ったら危険

とか、変なところ多い・・・何はともあれ、アシスタントさん、町田の取材ご苦労様でした。


◆神風怪盗ジャンヌ(種村有菜)
『りぼん』編集部エライ!来月号で「神風怪盗ジャンヌ」が最終回です。
前々から言っているように、私は「神風怪盗ジャンヌ」のストーリーには興味がなく、種村有菜先生の他の作品が読みたいのです。
まあ、
アニメの影響も考えられます。アニメがヒットして今も続いていれば連載は続いていたでしょう。アニメがささっと終わってしまったので、そこに引きずられている部分が多少はあるかもしれません。
でも、今が引き際ですよ。これで種村有菜先生伸びる可能性が大きいです。今のまま「神風怪盗ジャンヌ」を連載しつづけていたら、ちまい伸びしかなかったとと私は思います。

ちなみに、私はアダムとかイブとかの話を真面目にされてもどうしようとか感じます。聖書をモチーフにしたファンタジーは、あまりにも現実感がない。SF的に持っていくならまだしも、「神風怪盗ジャンヌ」のSF的な面は突っ込みを入れたくなった。笑えてしまった。
おまけに、神と魔王は同一人物という設定はあまりにもありがちでつまらなかった。勢いだけでいっている作品なので突っ込みは禁物の作品だとわかっているのに、突っ込むことで楽しんでいる・・・あまりよくないけど、「神風怪盗ジャンヌ」の楽しみ方の1つに必ずあると思います。

あと、P99の「神様ちがうでしょ?本当は人間の願い事なんて叶えることはできないのでしょ?」の部分のネームは「神風怪盗ジャンヌ」の今までで一番だと私は感じました。感情押さえたほうが、種村有菜先生上手いように思う。過剰なものは、種村有菜先生の良さなのですが。矛盾がでてきますね・・・

あと、まろんと稚空のセックスシーンがありますが、『りぼん』においてのセックスシーンの開放っていつ頃だったのでしょう。

私が『りぼん』を読み始めた1984年は『りぼん』においてセックスシーンは開放されていませんでした。70年代に、24年組が『りぼん』というか、少女マンガにおいてセックスシーンを開放して、少女マンガにおいて、セックスが描かれるようになりましたが、「ベルサイユのばら」に代表されるように、肉体的なセックスではなく、精神的なセックスでした。
80年代中盤は、内田春菊・岡崎京子先生など女流エッチ漫画家などと当初いわわれていた、女性作家によりセックスが描かれるようになっていました。また、「櫻の園」(吉田秋生)に代表される、肉体と精神の間にある思春期の女性の心境を描くような作品も多数生まれました。
現在、少女マンガにおいて、セックスシーンはインフレを起こしています。セックスシーンがあると、アンケートの結果がよくなるという話もよく聞きます。

『りぼん』においては、1980年後半は一条ゆかり先生だけが、お嬢さんのバージンの危機だって―「ロマンチックあ・げ・る」より、お祝いにぼくの10日間の童貞あげようか―「女ともだち」よりetc.セックスに絡むセリフを入れています。しかし、「女ともだち」のラストで、このあとセックスがあることを匂わせましたが、具体的なセックスシーン描いてはいません。

それに前後して、「ハンサムな彼女 第2部」で、吉住渉先生が微妙なシーンをいくつか入れます。「もっと他のことしないか」のセリフでセックスを匂わせ(このシーンはほんとに絶妙です)、キースの部屋でのセックス未遂シーンがあります。(私はセックス未遂シーンよりも、「日本に帰したくなくなるから」という一哉のセリフにが好きでした)

低年齢化した『りぼん』に対抗するように、セックスが開放されていきます。引き続き、「この手をはなさない」で、小花美穂先生が、セックスシーンあっさり挿入。男の子側からの心境も入れることに成功。
その後も、同時期に「天使なんかじゃない」(矢沢あい)、「ママレード・ボーイ」(吉住渉)セックスを匂わすエピソードが連続します。この時点で『りぼん』でのセックスシーンは禁止されたものではなく、必要あれば描いてよしモードに変わります。私はこの時点でセックスシーンの開放とみています。(1993〜1995年)

さらに、「こどものおもちゃ」(小花美穂)でセックス未遂シーン、「ご近所物語」(矢沢あい)でセックスシーンが入る。「秘密の花園」(藤井みほな)で女同士のセックスシーンに度肝を抜かれる・・・(女同士のセックスシーンは『りぼん』初ではありませんよ。久しぶりですが)

この流れを受けて、あゆかわ華先生「やっぱ愛でしょう!」の連載がスタート。あゆかわ先生が叩かれる。『りぼん』のセックスにおいて、肉体的な部分を入れたから?大したことないだろう・・・「神風怪盗ジャンヌ」(種村有菜)のレイプ未遂シーンにとの相乗効果で、過剰反応する人がたくさん現れる。種村有菜先生も叩かれる。私は、なに過剰反応してんの?と冷めた心持ちでした。
『りぼん』どこにいくのか?

長くなりましたは、今回のセックスシーンでは種村有菜先生は叩かれないのでしょう。決戦前のセックスシーンは少女マンガのお得意で、普通のものなので。

ふろくで種村有菜先生顔出されていましたが、う゛〜ん゛、あまり出さないほうがいいのでは?どうも、こういうことがお好きなようですが・・・


◆グットモーニング・コール(高須賀由枝)
何というか、感想を書きにくい作品です。エピソードがあるようで、ないような状態が続いています。

男の子キャラが、“かわいい”って系統のキャラが多い作品です。男って実際に女から見てかわいいと感じる部分があると思いますが、当り前ですが実際のと明らかに違う・・・(まず、欲情しませんし)「グットモーニング・コール」のかわいさは、高須賀先生の生み出されたことなのですから当り前ですけど。

「グットモーニング・コール」は好きだし、楽しいとも思いますが、何度も読み返したり、次号を楽しみにしたりする作品ではありません。この雰囲気にどっぷりつかれるタイプでないというか、心の余裕というか、かわいさを私はもっていないからかもしれません。「グットモーニング・コール」の世界は小道具は身近なのですが、内面的な部分の雰囲気はあまりにも遠い・・・

次号、吉住渉先生の新連載「ランダム・ウォーク」と、「神風怪盗ジャンヌ」の最終回のために、「グットモーニング・コール」が休載とは、ちょっと驚きましたが、高須賀由枝先生は少しリラックスされた方がいいような感じがするので(これで、アニメ化の打ち合わせのためとかだと遊べないかもしれませんが、アニメは所詮は関わらないのですから、気は楽でしょう。「グットモーニング・コール」のアニメ化は私は考えられませんか・・・)たくさん遊んで下さい。


◆Wピンチ!!(亜月亮)
絵もかわいいし、「Wピンチ!!」はいいですね。

しかし、先月号の感想で予想した通り、「ときめきトゥナイト(第2部)」と話の展開がまったく同じになってしまいましたね・・・想像はしていたけど、あまりにも似ているのでがっくりきてしまいました。亜月亮先生はあまり器用な方ではないのでしょう。というか、無器用さが亜月先生の良さとなっている部分もであるのです。

しかし、底上げブーツには笑えました。「不必要なアップでだまされてた〜」という、突っ込みもよかったです。ナオミの落ちもスムーズです。でも、アリサはスタイルいいですね。あのショートパンツから伸びる足はすごいです。

猪神がありさのひたい(頭か・・・)にキスしますが、暁名が見ていたらにしたのでしょう。ひたいにするというのが不思議でした。ひたいにして意味があるのでしょうか?唇にしたら、意味あるでしょうけど(ファーストキスじゃなくてもねぇ)

ジュリィに続いて、またも新しいキャラ宮沢エリカの登場で、ますますパワーアップしそうですが、キャラを丁寧に描いていくことを大切にしてほしいです。キャラの使い捨てっぽくなりかねない危うさをを少し感じます。


◆5−ファイブ−(芳原のぞみ)
芳原先生の描かれるカラーの絵は
線がほそいように感じます。今月号は特にでしょう。
『りぼん』の扉絵は、キャラのインパクトを強調したものが多く、背景を写真館で写真を取るようにあってないようにして、キャラの描線を背景よりも濃くさせたものが多いです。

芳原先生の扉絵はいいとか、悪いとかそういう評価をしたくて扉絵について触れたわけではないのですが、扉絵でも自身の作品の世界を作り出せるようになってほしいなと思います。絵は上手いのですが、扉絵を見るとそのインパクトがなく、不安定さを感じます。
何はともあれ、
表紙の3人(コータ×のりこ×篤朗)の3角関係に今後なるのか〜と思いつつページをめくりました。

キャラの区別がやっとついてきました。連載はすでに3回目だというのに、全体的にエピソードを進めていて、細かいキャラ個々のエピソードがなかったので、区別できなかったのです。とはいえ、P217の晶と、学の顔の区別がつきませんでしたが・・・

篤朗がネックレスを落しますが、目の前で落されたら、その落としたものなんかろくに見ないで、普通は拾ってすぐに渡さないか?ちょっと不自然に感じました。今後、重要になるエピソードだっただけに、とってつけた感じではなく、もっと念入りにやってほしかった。(MAMIって今後どうでもいい存在なら別にかまわないのですが、ありえないから)

芳原先生ってコメディ部分が上手くない。なんだか、無理してコメディやっている感じもしてしまいます。何というか、芳原先生は優等生のイメージがあります。『りぼん』の作家にはたまに、このタイプの作家がいます。本田恵子・水沢めぐみ・柊あおい先生などがこのタイプに当たります。わかる人にはイメージが伝わると思うのですが・・・真面目な作品を描けというわけではありません。コメディ以外にも芳原先生らしい良さがあるのではないかなと思います。

だからか、芳原先生の作品はこじんまりしている感じがします。先生の未知の力を作品から感じません。新人作家は、自分の実力を越える異様なるパワー(欠点を見えなくさせるようなパワー)を持ってないと、ブレイクは難しいです。作風と資質があってない矛盾というか・・・

あと、コマ構成がもう一つですね。あっという間に上手くなりそうな気がしますが、変に飾りたてているだけで、全然よくないところがあります。絵はキレイなので、ごちゃごちゃしては感じないのですが。


◆パートナー(小花美穂)
小花美穂先生の作品はファッション面は、最先端を行こうという気がまったくないですよね。「パートナー」では、社会から隔絶された場所ということで、この傾向はますます強くて、洋服はほんとにどうでもいい程度まで落とされている感じがします。

洋服を中心に小道具は少女マンガにおいて重要です。「神風怪盗ジャンヌ」、「グットモーニング・コール」、「GALS」にしても、ファッションにかなり作家は気を使っているのがわかります。
そういう部分を排除して、というか最初から眼中にない漫画家は少女漫画家の中ではかなり少数です。(『りぼん』では、さくらももこ先生とか、ギャグ作家の方とかのみ)

顔とトーンの関係がかなり気になります。
以前から言っているように、小花美穂先生は絵が上手いかたではありません。人の表情を自在に描ける画力はないと私は思っています。そこでということもないのでしょうが、小花美穂先生はトーンと組み合わせることで、キャラの表情をより効果的に見せています。
とにかく顔という顔に、トーンをかぶせてあります。キャラの顔は白いままなのが普通なのですから、「パートナー」でのかぶさり方は異様です。

しかし、記憶のないはずのものが覚醒するなんて「輝夜姫」っぽい。しかし、賢があっさり打たれて驚きました。萌がもっとかばったり、止めに入るような変な演出をしなかったのは、すごいともいえるかもしれませんが。


◆世紀末のエンジェル(倉橋えりか)
「フザけてチューできる仲なのね〜あんた達は・・・」のセリフに笑った。

今月号は珍しく、作品が頭の中に入った気がします。理由はよくあるエピソードのため。
初めてでなくても、勝手にキスするというのは悪いことです、今野。初めてじゃなきゃと思っているような奴は私はイヤです。おまけに、キスしたあとに告白するな!順番が逆だって。
少女マンガには上のようなエピソードはよくあります。つまり、読んでいる読者がそういう設定に憧れるからでしょう。自分で告白もしないで、相手から迫られてキスして、告白される・・・ 気疲れするだけだと思うのは、私がまずいのか・・・

何はともあれ、ストーリー構成が上手くかみ合って楽しめた回でした。

しかし、最初の方でしていた鈴花のカチューシャの柄があまりにもおかしいので、鈴花の顔よりもいつも頭を見てしまいました。もっと、普通のものにした方がよかったのでは?


◆もっとちょーだい!(あゆかわ華)
カラー頑張りましょう!本誌のカラー扉は貴重なものです。あと、背景も頑張りましょう!
女の子の絵ははかわいいと思うのですけどね〜

下腹が膨らんでいるのは、皮下脂肪というきれいな落ちでよかったです。現実だったら、便秘でしょう・・・

しかし、エピソードが散漫な話だな〜


◆近距離恋愛(朝比奈ゆうや)
変な扉絵だな〜武蔵の表情と全体の構成と背景があってない気がします。

P355で、シオの眼よりも武蔵の眼の方が大きくて、『りぼん』もここまで来たか〜とか思ってしまいました。男の子のキャラの眼もここまで巨大化するとは・・・というか、女の子よりも、男の子の方が顔に気合が入っていますね、朝比奈先生。
気持ちはわかりますが、特に横顔とか、女の子もかわいく描いて欲しいです。読者は女の子のキャラに感情移入するので、かわいいほうがいいに決まっています。

パンのエピソードや、「・・・さーて どうやってぶっ壊してやろうか」の後の落ちがよかったです。最後のページの、全部下手でセリフだけという演出も効果的でした。
来月号で最終回ですは、
武蔵に流れるのは辞めて欲しい・・・
2000/04/21の**Talk**で書いた、“ありがちな少女マンガのパターン”の

  • 好きな先輩がいるが、いつもちょっかいをだしてくる同級生の男の子をふとしたきっかけで見直す。そんなときに、先輩に彼女がいることがわかる。
    同級生の男の子は先輩には彼女がいることを知っていたので、主人公が傷つくのと気使い、反対にケンカしてしまったりする。

に当てはまってしまうよ・・・


◆ゴキゲン女王SUMMER(おおいま奏都)
上手いというか、
手慣れている絵を描く人だなという第一印象。

山口が『りんぼ』を見て仔猫作戦も、**Talk**の“ありがちな少女マンガのパターン”

  • 近寄りがたい雰囲気を持つ男の子が、雨の日に捨てられていた仔犬(仔猫)に優しくしている。

をギャグにしたものです。失敗したのは、山口というキャラが、“近寄りがたい雰囲気を持つ男の子”ではなかったためです。明るい奴がやっても様になりません。

「君におくるエール」(あいざわ遥)、「バラ色の明日」(いくえみ綾)とか、この系統の作品を思い出しました。この手の話はよくあるのですが、私は好きです。前半では、P420の「んな余裕がないんだな」というネームがすごく好きです。後半では、P434〜439がよかったです。絵もネームもバランスが取れていて上手さを感じさせる方です。

しかし、私の暗い部分を刺激されたからかもしれませんが、“破天荒な開きなおりラブ・コメディ”というのは違うと思います。
6ヶ月連続での新人の読み切りですが、No.1はこの作品ですね。『りぼん』の年齢層が上の読者には読みやすい作品になっていると思います。


吉住渉先生の新連載「ランダム・ウォーク」ですが、2000/04/03の++Talk++に

私は「ピーチガール」のキャラの出てくるような作品が読みたいです。

と書いたのですが、その通りになりそうで嬉しいです。吉住渉先生の作品はかっこい女系が私は好きです。(「ハンサムな彼女」第1部&「気しかいらない」路線)しかし、P59の優架の左側って男?!男女の見分けがつかない絵柄だ・・・


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Presented by Eiko.