『りぼん』2000年11月号感想

表紙画像 目次画像

発売日の前日、10月2日は内定式でした。7月まで総合職の女の内定者が私1人だったので、どうなってしまうのかと思いましたが、2人になってほっとしているところです。私は小学生の時から建築に興味があり、今はその勉強をしていますし、来年からもそちらの方面に進む予定です。

たまに「また会う約束」を見て、こいつは、編集者か、評論家になりたいのではないかと、恐ろしい誤解をする方がいます。(裏日本工業新聞 5月15日参照 他。すべて誤解は解消済
私がマンガについてあちこち調べてHPで扱っているのは、少女マンガ・『りぼん』が好きなので、自分なりのアプローチで楽しんでいるだけなのです。

私は人にはなりたいものがあるということを当り前だと思っていました。しかし、今は何になりたいのかわからないから就職しないフリーターが増加し、今が楽しければいいという人が増えている風潮があります。そのためなのかもしれませんが、最近の『りぼん』の作品は、“将来なりたいものがある”、“今熱心に打ち込んでいるものがある”というヒロインとヒーローの姿をみかけなくなりました。
部活に打ち込む・その姿に引かれる(「ときめきトゥナイト」・「月の夜星の朝」・「エース!」・「なみだの陸上部」・「ポニーテール白書」・「星の瞳のシルエット」・「空色のメロディ」etc.)ヒロインとヒーローの姿は、80年代後半においてはこれしかないというくらい定番だったのに…

生き抜くことが精一杯、今が楽しければいい、部活よりもバイトにはげむキャラの姿に、これが時代なのかなと思いつつ、寂しさを感じます。
『りぼん』の3本柱はHPのタイトルに使っている“Love Dream Smile=愛 夢 笑い”です。夢とは、“実現しそうもないのぞみ”という読者に幻想を見せる意味ではなく、“大きな希望”(旺文社「標準国語辞典」P868、869より)の意味のはずです。しかし、ヒロインの未来に、お嫁さんの姿しか連想しにくい作品が増えたほうに思います。

話がずれましたが、『りぼん』の感想です。「GALS!」の表紙がいい感じです。
マンガ以外に気になったのは、P400に予告されている「ときめきトゥナイト」のファンブック、
ときめきトゥナイトロマンチックアルバム。820円とは安い…
書下ろしがヨーコ犬なのはちょっと残念ですが(それだけ、池野恋先生の中では「ときめきトゥナイト」は終わっているのかな)、漫画家からの「ときめきトゥナイト」へのメッセージというのが気になります。『りぼん』の漫画家さんは誰が出るのでしょうか?


◆時空異邦人KYOKO(種村有菜)
先月号をはぶいて、今月号での竜族に絡むタイムトリップで、先月号に新たに芽生えた響古の能力である「時を移動できるようになる」というエピソードを組み込んでほしかったです。今月号は、“これが「時空異邦人KYOKO」なのか”とか思いつつ読みました。(先月号は“何ナノ?”だった…)こんな感じで進んでいってくれると嬉しいですね。

華やかさ・勢い・ノリがあることが種村先生の優れた部分だと思います。
華やかさに関しては、コマ構成が上達したことや、スクリーントーンの量が一時期に比べると減っていることから、画面がキレイに読みやすくなっていると感じています。
しかし、勢いに関しては、常に暴走の危機をはらんでいるという感じで、疲れを感じることがあります。趣味に走り過ぎるのを押さえる姿勢がほしいです。
そして、「時空異邦人KYOKO」では、
ノリにかなりこだわっている様子がうかがえます。種村有菜先生は、4コマで「りぼんNEW漫画スクール」に投稿されていた経緯もあるくらいですから好きなのでしょう。私は種村先生の作品のコメディ部分が好きではありません。邪魔とも思いませんが。

今月号で私は一番気になったのは、P35、36の響古が逆滝を意識するシーンです。種村先生は勢いに任せて恋愛関係を描いてしまう傾向があるようで、突っ込みをいれてしまうのです。恋愛経験をしている読者には、辛いものがあります。ヒロインの心の動きを描いているようで、突飛なところがあり、気持ちが追えません。種村先生の作品では、読者がヒロインに共感する部分は、恋愛に関するエピソード以外の部分で支えられているように私は感じることがあります。(共感しようかないんで)

表紙、P458、P465を見る限り、「GALS!」と「時空異邦人KYOKO」が特別扱いを受けています。「神風怪盗ジャンヌ」の時には、上りあがるものがあったので当然の扱いと思いましたが(アニメ化もされましたし、ブームというか)、「時空異邦人KYOKO」に特別扱いされる要素は感じません。アニメ化でもしたいのかとも思うのですが、それは「GALS!」で狙っているように思えます。「時空異邦人KYOKO」はそういう要因ではなく、「神風怪盗ジャンヌ」の余韻がまだ漂っているといった印象を受けます。
まろん&響古、稚空&逆滝は性格は違うのだけれど、顔が一緒なので拭い去れないのかもしれません。逆滝と栄滝のエピソードも感動する場面だったはずなのに、あまりにもありがちなものだったので、読み流してしまいました。
そういえば私は、「神風怪盗ジャンヌ」もこんなふうに私は読んでいたような気がします。深く考えずさらっと読み流すのが、私には一番あっているように思います。考え込むと矛盾が〜ということになるので。。


ランダム・ウォーク(吉住渉)
好きだなとは思わないのですが、楽しませてくれます。こっちはどうなるのか、あっちはどうなるのかと想像してしまいます。

つくづく、吉住先生は新たな挑戦をしていると思いました。というのは、今月号で私はドロドロした展開に突入かと思っていました。そしたら、望とあっさり別れて、望はヒロインのライバルの凉子とめてだくカップル…さらに、新たな男の子登場ですからね。
「ハッピーマニア」のシゲカヨ、「アリーmyラブ」アリーのように、
優架が恋の放浪者になったらすごいと思います。そうなったら『りぼん』では、セックスシーンよりも珍しいことでしょう。ひとりの人を片思いでもなんでも思いつづける一途なヒロインでないといけない雑誌ですから。可憐(一条ゆかり「有閑倶楽部」)は例外なんです。

あと、塔子がいいキャラしていると思います。(P63の3コマ目には笑いました。)
細目でつり目の女の子は今までの吉住先生の作品には出てこなかったタイプです。実際にそばにいたら迷惑だし、読者には嫌われるタイプですが、これといって特色のない優架と対比させることで、
優架を引き立たせることが上手くいっていると思います。最初は桂で対比させて、塔子はサブにまわるのかと思っていました。桂の登場シーンの方がインパクトありましたし。もちろん、今後は、桂との対比もあるでしょうけれど、最初に塔子と対比させたのは成功していると思います。(しかし、“桂”と“塔子”だなんて、「イティハーサ」(水樹和佳、BC全15巻)の“桂”と“透
”を思い出してしまって仕方ない…)

しかし、シアトル系コーヒーのお店とか、流行ものを取り入れてきますね、吉住先生は。だから、トレンディドラマのイメージをもたれるのでしょう。


◆えみゅらんぷ(藤田まぐろ)
魔法のランプをモチーフにした作品は、「アラビアン花ちゃん」(萩岩睦美、RMC全2巻)があります。こちらのランプに入っていたのは女の子で、出したのは男の子でしたけれど。(反対)
表紙を見る限り、普通の女の子の格好に見えなかったので、ハイファンタジーものなのかなと思ったのですが、意外にもそうではなくて驚きました。

動物病院という舞台と夢見がちな設定の部分を生かして、優しい感じのファンタジーに仕上げてほしいと思います。キャラは、今までの藤田先生の作品にはなかったタイプに感じました。藤田先生の作品は、とりあえずかわいいと思いつつ楽しく読むということ以外ないでしょう。

今回一番感じたことは、藤田先生と朝比奈先生の絵の横顔が似ているということ。(どこで比較してもいいのですが、P90の最後のコマとP211の最初のコマなどを見て下さい。)そして、朝比奈先生の横顔はおかしいと思うのに、藤田先生の横顔はおかしいと感じないことでしょうか?それだけ、絵柄に安定感があるということなのかもしれません。


◆GALS!(藤井みほな)
P139に吹き出した。「GALS!」のコメディ部分は笑えるものがちょくちょくあります。
でも、今は蘭で笑っている場合ではなくて、何といっても、
綾と乙幡と片瀬の三角関係です。綾に心境の変化が出て、片瀬に告白されて、全体的にもう一歩という感じがしなくもないですが、多少勢いが戻ったように思います。(ただ、まだ作品にダルさを感じますが。)

いいなと思ったセリフは、P147、片瀬の「勉強仲間がいないからパニクるのかもよ」。先月号の「ソラソラ」の中に(P137)、「学校は友達と話す所 大切な人がいる所 好きな人がいる所 勉強がおまけです」というネームに共感した人は多そうですが、私は違和感がありました。学校という場所は遊ぶのはもちろんですが、1人で勉強するのではなく、友達と一緒に勉強するというところが大切だと思っているから。告白したときのセリフには「くさいな」と思っただけでしたが、このあたりのセリフで、片瀬を見直すことができました。

P163の「どうしてそんなに親切にしてくれるの?」はどういう心境だといえるのでしょうか?下心があるに決まっているでしょう。私は相手の気持ちに気付いていて甘えている、或いは無意識に甘えていている場合などでも、こんなセリフは言えないです。告白されたりすると落ち込みますが、自分ではシラを切るでしょう。綾は、残酷な娘なのか、ものすごくいい娘のどちらかなのだかなと思いました。(もちろん、いい娘のつもりで書いているでしょうが、読者側の取り方としては2通りに分かれるセリフという意味です。)

P165〜168にかけて、綾と美由のかけあいありますが、蘭ではなくて美由を相手にするというのはいいですね。よく少女マンガだと、恋愛も友情もヒロイン中心にまわっていて、何事もヒロインを通さないといけないみたいな部分を感じることがありますが、適材適所ってことがあります。このあたりが、藤井先生のキャラが立っていると思える部分です。

違和感を感じたのは、最初の方の綾の髪型。気合はいっていますね〜元気を無理やり出すためか?心情にあわせた髪型くらいしてほしかったように思いますけれど…
あと、P146の「今のままじゃ 6大学なんか とてもムリ」というセリフがおかしい。こんなこと言う受験生いないと思うよ。6大学って野球・ラグビーのリーグなどでひとくくりにされていますが、それぞれの大学間では偏差値にかなりばらつきがあるものなんです。先月号の進学クラスの記述でも思いましたが、大学受験を経験したからと言って忠実に描けるとは思いませんけれど、かなりいい加減な記述が多いです。(進学クラスということで、すでに科目の専攻が行われているでしょうけれど、生物を専攻しているということは、国立文系志望ということになります。その部分でも6大学というところに矛盾がでてくる。)

しかし、気休めに参考書を買うというのはリアルでした。参考書など、普通に学校の授業を受けたり塾に通っていればあまるほどあるはず。まさに、形だけとりつくろうとする人がやる“気休め”の行動でしょう。こんなことしても成績はあがるわけないのですから。成績落ちたら、勉強方法を変えたり、勉強時間を増やすのが普通です。だから、片瀬と勉強する流れは自然なわけなのですが。


◆世紀末のエンジェル(倉橋えりか)
なんか話も動かず、
かなりメリハリに欠ける回でした。元々倉橋先生の作品には、メリハリはないものなのですが、特に。

気を抜いて読んでいたら、読み間違えて焦りました。というのは、鈴花と凪を間違えたのです。(P180…鈴花は露天風呂から上がっていることを忘れていた。)倉橋先生がキャラの描き分けができないことはわかっているので、そういったモードで読んではいますが、気を抜いたら誰が誰だかわからなくなってしまうのです。今度また区別がつかなそうな女の子が登場しますね。気を引き締めないと、また混乱しそうです。

あと、倉橋先生って温泉にあまり行ったこことがないのではないでしょうか?かなり不自然な箇所が多いです。P176では、凪はタオルをまきつけて露天風呂に入っていますが、TVではよくあるのですが、こういうことは普通は温泉では禁止されています。何故1人だけそんなことをしなければならなかったのかは後でわかることですが…それに、旅館(保養施設)の謎のプランが気になってしまいました。

来年には新世紀を迎えるので、「世紀末のエンジェル」というタイトルは悲しいものがあります。小林以外みんな平和というのは盛り上がりに欠けますが、なんとしなしにクライマックスに向かっている感じがします。


◆偽りのライオン(朝比奈ゆうや)
『りぼん』の新人勢力の双璧(槙ようこ&朝比奈ゆうや先生)の片方の新連載です。
槙先生の初回のすべりだしは順調だと私は思ったのですが、こちらの初回は、
悪くはないのですが、別に面白いというわけでもなく、こじんまりしていると感じました。

「偽りのライオン」という作品は、元々は『りぼんオリジナル』2000年8月号に予定されていた読み切りのタイトルです。(「えみゅらんぷ」もそうですが)ネームをしているうちにストーリーが膨らんだのかどうかは知りませんが、いつのまにか『りぼんオリジナル』は「ヒーローの才能」という作品が掲載され、「偽りのライオン」はボツったのかと思ったら、新連載のタイトルになったので驚きました。

朝比奈先生の作品からは、キャラを突き放したようにドンドン描いているようなイメージを受けます。朝比奈先生はキャラに感情移入しているというよりも、マンガを描くという行為そのものに気合を入れておて、若さにまかせて勢いで突っ走っています。これは悪いことではありませんが、ハイテンションに『りぼん』を楽しむ読者はいざ知らず、冷静に『りぼん』を楽しむこともできる読者である私は、朝比奈先生の作品に疲れを感じることがあります

一番気になったシーンは、P231の「−たんぽぽ好きなんだ」
勝呂の金髪は、タイトルの元にもなっている重要なモチーフです。(「それいけ!!まんが情報隊α」で触れられているように、礼中菜→レオ→ライオンと、金髪→金色のタテガミの動物→ライオンの二つが合わせっていると思われます。“偽りの”は実は染めているという事実と、他にも何か理由があるかもしれません。)このシーンにいたるまでの間のセリフの掛け合いで、「ピーターパンの空」(椎名あゆみ先生の初連載作品)とダブって感じたのです。
「ピーターパンの空」で、ヒロインの由香が、片思いの相手・桐野の額に傷痕があることを知り、弟の友成にその原因を聞くのですが(桐野には拒絶されたので)、そのやりとりを思い出しました。ウソ(冗談)を言ってから、誰にも理解できない突拍子もない答え(「ピーターパンの空」では、空を飛んでみたかったという理由で、もちろんこれもタイトルにかけています。)というところに、見せ方が一緒だなと感じました。他のエピソードや、シーンはありがちでも、ここだけは何とかしたほしかっただけに残念です。
そうなると、遡ってレオは背が低いというコンプレックスがあるけれど、由香は女の子っぽくなりたいから髪を伸ばしたいという身体的なコンプレックスがあって、その部分も重なるかとか思ってしまいました。
別に真似したというわけではないのはわかっていても、
新鮮味にかけました

あとは、勢い先行なために、キャラの言動が理解できない部分がちらほら。
最初の寝坊して新学期遅刻するもの。よくあるエピソードなので、それ自体がどうこうというわけではないけれど、どうしてその場所で寝ていたのか理由が重要だと思ったら、なんと理由が出てこないというアバウトさ。(P223でレオが勝呂を見つけたところも同じ場所のようですが、勝呂は理由を言っています。)
P231でいきなり金髪にしている理由を言ってしまうのも、強引ですが理由があるから納得できますが、P224で何故レオは勝呂の横に座りたいと思ったのでしょう。勝呂とのそれまでの会話や、その場の会話からは隣に座る理由は感じられません。レオがそので寝ていたわけをそこでからめるとか、丁寧に描いてほしかったところです。(盛り上がる前だし)
あと、中原朱里とP217のレオのクラスメートが同一人物だと思って、一瞬混乱しました。

主要キャラ4人の出し方は、作品内で上手く馴染んでいたのでよかったと思います。だから、作品の流れにまとまりは感じました。


◆グットモーニング・コール(高須賀由枝)
まず、ストーリーですが、珍しくストーリーが
具体的な流れをもったものになっています。このエピソードを橋掛かりにクライマックスに突入してほしいです。

2人はセックスはしないと思いますが、このことをキッカケに2人がラブラブになるならば連載はまだまだ続くことでしょう。しかし、こじれると可能性が高いと思います。少女マンガの定番はこちらですし(2人きりでというエピソードは、「ハンサムな彼女」は+、「あなたとスキャンダル」は−に作用しました。旅行+陰謀+幽霊という意味で「あなたとスキャンダル」の方により似ていますが。)、今月号で天然ボケキャラの菜緒がやたら上原くんを不自然に意識していることが強調されていることからです。今までこじれることがなかった2人の関係がこじれるとなると、連載はクライマックスに向っていると考えられます。まあ、こじれないと一星が再登場できないという理由もあります。あのまま一星というキャラををほっとくわけないでしょう。布石だと考えるのが自然でしょう。

次に絵ですが、P239・1コマ目の駅ホームとP242・1コマ目の駅員、P254・3コマ目の料理と同4、5コマ目の旅館の人で、普通の絵にどう考えても崩し絵の中高年のキャラを重ねるという手法が使われています。私は、この手法は、主要キャラ(大家のおばあちゃんとか)にはいいと思うのですが、普通の中高年キャラにまで使うのは、かわいさを出す必要性を感じないので苦手です。


◆ペンギン☆ブラザーズ(椎名あゆみ)
ページ数が少ないので(32ページとなっていますが、実際は26ページ)、
粘りっこさが一切なくて淡泊になってしまったところは残念ですが、1話分としてのまとまりはありみせてくれました。しかし、いきなりの休載、単行本発売の延期、ページ数の変更など、「ペンギン☆ブラザーズ」は楽しいのですが、椎名先生の仕事ぶりの不安定に不安を感じます。

P276の流羽がかわいいです。バックに花が飛んでいます。花はインパクトのある登場シーンでしか飛ばせてもらえません。
今月号の花は、7月号P74の白雪つぐみの初登場のシーンなどでも使われています。背景の花ランクとしては最も高いようで、印象に残してくれというオーラを感じたので触れてみました。陽菜は花の背景のイメージではないためか、流羽との絡み以外で単独では、9月号P101の回想シーンくらいしかありません。こんな陽菜だからこそ、8月号の黒塗りのところに花を描いた珍しい組み合わせが生まれたのかなと、今月号を読んで思いました。(イメージぴったりで、ひきしまっていてよかったなと思ったので印象に残っているのです。)

あと、一色の携帯電話の相手は、滝神浩介(生徒会副会長)でしょうけれど(一色も相手が誰だかなんて、わかっているみたいですし。)、スネークの正体同様にあっさりとしたものです。
正体がわからない、外れてしまったというのは重要です。しかし、スネークの正体も白雪だということは即わかりましたが、だからといってストーリーの本質の部分の展開は読めませんでした。適度に読めて、適度に読めないという感じが反対に面白いように思えます。

小柴の陽菜に対して敵とも味方ともとれない距離のおきかたが面白いです。友達だから、全面的にというのではなく、押したりひいたり、いいところも悪いところも指摘してくれたりというタイプでいいですね。(一色は完全に+だけ、西崎は完全に−方向にしか作用しないのでもの足りないんだけれど。)こんな人がそばにいてほしいものです。


◆Wピンチ!!(亜月亮)
亜月先生はトト丸を描くのがお好きなようだと思っていたのですが、P464のコメントを読んで、かなりの犬好きだったのかと納得しました。今月号では、犬がたくさんでてきますが、やたらかわいいです。最後のコマでは、ありさよりも周りの
犬のかわいさに目がいってしまいました。

最初のエピソードで、高価な実験器具はとても使っているようには見えないので(ただの三角フラスコ・試験官ではね…せめて顕微鏡くらい描いてくれないと。)、解剖とか生き物を使うのでリアルとスリルを出してほしかったです。(中2ではないかも。)盛り上がりにかける入りだったので、P309の「快・感−」がつまらなかったのが残念です。

とはいえ、話のメインの流れであるP311からありさ、暁名、猪神の三角関係で一気に盛り上がりました。P313のありさが暁名の口を手でふさぐシーンと、その後の猪神へのセリフ、P317のありさから暁名へのセリフ、P328のアリサから猪神へのセリフと、ストーリー全般にわかって絶妙なバランスで3人絡みがあるので、三人の関係はどうなるのか、猪神の正体(目的)は何なのかといったところが気になってしまいました。

細かい部分では、P319でトト丸の技を募集していますが、亜月先生はこの手の企画を出してくるのが上手いですね。『りぼん』で企画してくれなくても自らやってしまうという。こういうのって単行本になったらどうなるのでしょうか。ネームを差し替えないとまずいですよね。柱のフリートーク部分でごまかすのかな。

あと、P323の最後のコマの「…動けねーんだ ガマンしろよ」は、ちょっとセリフがおかしいです。ありさの怪我の有無を確認したところまではいいのですが(「…大丈夫か?」)、その後は動ける状態であるかを確認、自分は動けないから自分で逃げるように指示(自分ひとりならなんとかなる、とか助けを呼びに行ってくれとか。)するのが自然です。私は、ドキドキしながらも、暁名が動けないという状況を察して、ありさが始めてアリサの登場を願うなど(いつもとは違った変身経緯)盛り上げてほしかったです。折角いいシーンなのにいつも通りだったのが残念でした。


◆聖・ドラゴンガール(松本夏実)
私は松本先生の絵は苦手なので、絵の面では勘弁してという箇所も見受けられましたが、『りぼんオリジナル』2000年10月号を読んだ時には、今月号のはどうなってしまうのかと思ったのですが、心配することもなかったです。
男性キャラの印象が、細アゴと口元から、松乃美佳・木月庭子先生とダブります。表情がなくて怖い感じで、苦手な系統です。カッコイイとか思わないので。まあ、3人ともストーリーで男性キャラを見せてくれるのでそれはそれでいいかなと思いますが。

ゲストキャラの雷華ですが、フィアンセ=美少女・結婚宣言などあまりに典型的な設定・展開はいいにしても、雷華があまり美少女には見えないところはなんとかしてほしかったです。遠い親戚なのに、名字一緒とか。別に親戚だけでよかったのではないかと思いました。(イトコがすでに登場人物の中にいるからといって、出していけないとも思えないし。)
あと、私は女の子で一人称を「ボク」と言うタイプのキャラは苦手です。(あだ名でいう人もボクほどではないにしてもちょっと苦手。)雷華はいいキャラだと思うのですが、こういった狙った(私には一人称ボクというのはそうにしか感じられない。)設定はなんとかしてほしかったです。

前半はベタな展開で進み、面白いと思うこともなかったのですが、P345あたりの桃花の竜牙に対する態度が変化するところからの展開がスムーズでした。
細かい「それいけ!!まんが情報隊α」で松本先生が「単純にスカッとできる作品を目指しています。」といわれていますが、まさに今回はまさにその通りに爽快でよかったです。
P372〜P379のアクションシーンとP381の観覧車に気合を感じました。


◆ソラソラ(槙ようこ)
先月号は連載初回だったので触れませんでしたが、「ソラソラ」には
アキレス腱があります。単純なものなのですが、最も危険なもの、つまり似ている作品があるというものです。
気付いている人は多いと思いますが、槙先生の女の子の絵は、『別フレ』の上田美和先生に似ているところがあります。そして、「ソラソラ」を最初に読んだ時に、
「ピーチガール」(『別フレ』で連載中の上田美和先生の大ヒット作品。1999年講談社漫画賞受賞作品。人気も名誉も勝ち得ている作品です。)を連想した人の何人かはいることでしょう。

「ソラソラ」と「ピーチガール」との共通点は、ももと空子、結季とさえという女性キャラにあります。地黒で遊んでいるように見えてしまうもも、関西弁を話す空子。立っているだけで、話しているだけで目立ってしまうヒロインと、仮面をかぶり男目当てにヒロインを執拗にいじめる(ヒロインもだまちゃいない性格)心底悪役タイプの結季とさえ。
槙先生の絵は『りぼん』では珍しいタイプかもしれませんが、上田先生はメジャー作家なので作品を読んでいる人も多いでしょうから、「ソラソラ」の連載前から2人を重ねていた人はいるはずです。そこに、話が重なってしまったわけです…

私は「ソラソラ」は面白いと思うし、好きな作品です。細かいエピソード、キャラは生き生きしていて、心を奪われるものが詰っています。今月号では空子と結季の言い合いがよかったです。女同士のバトルは私は好きなのです。女同士のバトルは、体力とかいうものではなくプライドのぶつかり合いなのです。痴話ゲンカなんか全然及びにならないものがありますから。
空緒が空子を川に突き落とすシーンもインパクトあってよかったです。

空子というキャラを応援しようという気持ちはそうありません。女なんて普通に前に進もうとするだけで大変なことなどたくさんあります。自分の好きなように進むのが大変なのは当り前。先に告白した方が有利ということもあるでしょう。
次号の展開が楽しみです。


-- Talk top ---- Log top --
--
← 10月号 ---- 12月号 → --

Presented by Eiko.