『りぼん』2001年2月号感想

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感想を書くのが遅れていまい申し訳ありませんでした。年をはさんでの感想になってしまいました。
今月号は面白い作品があまりなく、忙しさもあり、書く気が起きなかったのです。
楽しい作品が少ないと感想を書くのは気が重いです。いくつかの作品を抜いてしまおうかと思ったのですが、自分への記録なのでやめました。


◆GALS!(藤井みほな)

つまらない。2月号の表紙&巻頭カラーで番外編を描かないでほしかったです。
見かけだけ豪華で中身がなく、今の『りぼん』かと感じました。まったくシャレにならないよ…

「GALS!」の安定度は最近かなり落ちているように感じます。楽しいときには楽しめますが、物足りないときにはとんでもなくつまりません。
「GALS!」の連載は蘭の高校卒業までなので、現在までのところ現実の時系列と一緒に時間が進行していることを考慮にいれると、2002年3月号(もしくは4月号)で連載が終了すると思うのですが、全体の構成はどうなっているんだろうと感じてしまいます。

今、『りぼん』で一番押されている作品であるわけですし、特に表紙&巻頭カラーの時には気合をいれてほしいです。
今月号の台湾編は「GALS!」ヒット記念のご褒美で、蘭と同様に修学旅行みたいなものだったようですね。取材旅行じゃないと読者としてはつまらないのですが。

御都合主義の連続で突っ込まずにはいられませんでした。
そもそも蘭に似たタレントがいるという設定からしてそうなんですが、キャラのそっくりさんが出てくるという話はマンガではよくあるしと流すとしましょう。

まず、修学旅行1日目の夜、リンが物陰から蘭たちのことを見ていますが(P38の1コマ目)、2日目に何故リンが蘭たちの居場所がわかるとは、偶然にしてもいい加減でしょう。
さらに、リンが日本語を話せたりするわけです。彼女が日本語を話せる理由をつけてくれないと納得いきません。
そして、リンが似ているというだけで、蘭たちにいきなり悩み事を相談していますが、断られたらどうするんだという躊躇もなく、意味不明です。
P49でリンはかわいいこと言っていますが、蘭たちに相談したのは紛れもなく自分と蘭がそっくりなのを利用したいからでしょう。自分の替え玉を先にリンから願い出してその理由を説明するというのが普通の流れではないでしょうか。かなり不自然です。
P58でリンが空港に見送りにきますが、熱愛宣言直後のタレントが自由行動しますかね?安易な気がします。

今月号の「GALS!」を読んで、「有閑倶楽部」(一条ゆかり)がいかに優れているかということを実感しました。メンバーが事件に巻き込まれていくのを当り前のように読んでいましたが、本当に上手くできているわけです。1、2月号連続で「有閑倶楽部」が掲載されていた頃の『りぼん』を思い出しました。
番外編だからといって、「有閑倶楽部」と同じフィールドにたつなんて無謀すぎます。最初からやめればよかったのにと感じました。


◆ガールクレイジー(芳原のぞみ)

芳原先生はどちらかというと好きな漫画家さんですが、いかんせんストーリーにアラが多いので、「5−ファイブ−」のあと、普通に本誌連載に戻ってこれて驚きました。(『りぼんオリジナル』の「桃天使」には私には楽しさはわからなかったですし…)
とはいえ、「ガールクレイジー」が排水の陣であるような気がしますので、脱皮を期待したいところです。

相変わらず、絵の面では問題なくいい感じです。作画枚数をこなした分だけ上達されていて(好きなタイプの絵です。『りぼん』の王道というか見てて安心できます。)、カラーも魅力的になっていると思います。
芳原先生の問題はとくかくストーリーというわけですが、連載初回としては次回に期待が持てるなかなかいいすべりだしだったのではないでしょうか。

全体のイメージは「杏ちゃんのめくるめく日々」に似ているように感じました。
「杏ちゃんのめくるめく日々」は別れ話(キスを妄想)からで、「ガールクレイジー」は夢から(キスを妄想)という感じで、ヒロインのタイプも負けずキライだけれども、ちょっとアカ抜けない雰囲気、ヒーローは無愛想タイプ(P358に「また無愛想な男を描いちゃってすみません。」って断っていらっしゃいますね。)ということからです。

タイトルですが、「GALS!」・「ペンギン☆ブラザーズ」があるので、「ガール“ズ”クレイジー」と読みそうになってしまいますが、前2作よりも馴染みやすく、芳原先生が最も得意とするタイプのヒロイン&ヒーローの組み合わせだからか、キャラが生き生きしていると思います。

ただし、先月号の予告からなんとなく気になっていたのですが、ヒロインの名前の未はおかしいと思いました。名前の漢字として使えるのは、常用漢字、人名用漢字だけです。(名前に使える全漢字リスト
は常用漢字外なのでパソコンで変換はできません。(だから、気がついたのですが、画像を作って表示しています。)「ガールクレイジー」の世界観に、
常用漢字外の漢字を利用した名前は合ってないと思います。

少女マンガには、常用漢字以外の漢字を使ったヒロインは存在します。
例えば、透(水樹和佳「イティハーサ」)、妃(佐伯かよの「妃」)。しかし、「イティハーサ」(古代神話がモチーフ)、「妃」(贋作とかが絡み世界中が舞台)の作品世界だったら、それもありだろうと納得でいます。茗子(吉住渉「ママレード・ボーイ」)も使えませんが、ヒロインではないですし、茗子のキャラクターがそれを許してしまえるのです。

予告の段階でわかっていたことだと思うのですが、担当編集さんはなぜとめなかったのでしょうか?
「桃天使」の時にも感じたのですが、芳原先生はキャラの名前に凝り過ぎです。名前は凝っていればいいというものではないと思います。世界観に合い、読者の心を打つセンスのある名前をつけるように心がけてほしいです。未来にしたくなかった気持ちはわかりますけれど、実来・美紅とかあるのに…

今後、テニスがテーマになっていくのかはわかりませんが、前2作でモデル・バンドという設定を活かしきれずやたら中途半端に感じたので、前2作よりもキャラが立っているので、その点を活かした展開を期待したいです。
なつめ・篤子を上手く展開すると、いい作品になるような気がします。楽しみです。


◆時空異邦人KYOKO(種村有菜)

展開がとてもスピーディな点は評価したいところです。しかし、読んでいて心が動かされません。ストーリーの軸は面白いとは思いませんが、展開の速さがあるので飽きてはいません。「時空異邦人KYOKO」の世界観も突っ込みどころ満載ですけれど、種村有菜先生のオリジナリティーがその世界観に表現できていると思うので、とてもいいと思います。

気になるのはやはり細かい心理描写・状況描写です。
特に、種村有菜先生の
恋愛描写が私が苦手だという点が大きいように思います。共感できないし、納得できないし、感動できない。
先月号も手法的な部分では上手いと思いましたが、華蓮の恋愛そのものについてはついてはいけませんでした。
私は乙女ちっく系列作品+一条ゆかり先生作品で少女マンガの恋愛描写を叩き込んだ人なのですが、この系列ではないんですよね。

今月号のキーポイントとなる響古のセリフに「ばかね 「大嫌い」って言われたとき心臓が止まりそうなくらい苦しくなかった? つまりね 「死ぬほどすき」ってことでしょう?」がありますが、響古というキャラからしてこのセリフに説得力が感じられないのです。
恋愛描写が派手さはある(次々と複雑になっているので)けれども、中身がない(お決まりみたいな感じ)ように感じてしまいます。

種村有菜先生の恋愛描写がシンプルな作品を読んでみたいものです。「時空異邦人KYOKO」が「神風怪盗ジャンヌ」よりも好きなのは、恋愛描写が淡泊だからかもしれません。

あと、響古にキスしていたのは逆滝ではないことは明らかなので、順当にいって氷月でしょう。(少女マンガではそのようなのが定番なのです。水沢めぐみ「空色のメロディ」で学びました。)裏をついて、ちょこらとかいう落ちを期待したいものです。


◆グットモーニング・コール(高須賀由枝)

展開する回だったのでストーリーが動いて、面白くはあったのですが、すでに「グットモーニング・コール」に何にも期待していない状態…
同棲がばれる展開になるということは、クライマックスに向っているのではないかなどと期待しても、肩透かし何度もくらってしまいましたし、千崎はクライマックス用のキャラとしては弱いように思いますしね。(男女一緒の病室であるあたりは強引・強力な感じがしますが。)

久しぶりにカラー3ページでしたが、カラーはよかったですね。いつも似たような感じでつまらないと感じていたのですが、ひきつけられるカラーでした。


◆世紀末のエンジェル(倉橋えりか)

今月号で唯一面白かったのは、P191の2コマ目の悦のお見合い相手の顔。これはツボでした。きっと今月号だけのキャラだと思いますが、レギュラーに加えてほしいものです…美男美女ばかりでは退屈なんですよね。顔の区別もつきませんし。

P192の3コマ目に悦が「冗談じゃねーおれはまだ中学生だそつ」で気づいたのだけれども、(編集者さんのミスかもしれませんが、“つ”は小さくしたほうがいいと思う。)“これまでのお話”に書いてある“高1”というのはミスですね。年齢とか学年のミスは、結構多いような気がします。

今月号の主軸となっているP199〜216の悦と雅の話ですが、どれもこれも「ときめきトゥナイト第2部」(池野恋)の焼きまわしに感じました。

P199の3コマ目に「えっちゃんが留学〜〜!?」っとありますが、大学院かわかりませんが、高校から留学するわけでもないのだから、今から準備しれば何の問題もないでしょうと思ってしまいます。いいじゃないの留学。
1コマ目の「まあ…じゃ将来は悦さんはT大へ」というのも、東京大学を暗に指していると思いますが、付属の学校に通っているわけではないのだから、今からわかるわけないでしょう。
藤井先生もやたら甘いですけれど、倉橋先生もこのあたりやたら甘いですね…

P207〜208ですが、「ときめきトゥナイト第2部」で、なるみはこうやって何度も何度も鈴世を助けていました。(なるみはヒロイン、鈴世はヒーロー)
第17巻収録されている超能力研究所に絡むエピソードでは、操られた鈴世(オオカミ)を傷つきながらもなるみが抱きしめて「かわいそうな鈴…世くん……」というシーンがあるのですが、その前後の盛り上がりやコマ割りもよく、印象的なシーンとなりました。

また、P208〜211は本当は盛り上がるべきなのでしょうが、反対に冷めてしまいました。悦の孤独感もっと出すようなエピソードや雅に対する想いの深さが感じられないのです。
空狐というのもありがちですね。今月号に掲載された「聖・ドラゴンガール」でも桃花に龍がついていましたし。これも借り物でしょう。
P214の雅の反応も、なるみと一緒です。なるみは鈴世が魔界人(オオカミ男)であることを自然に受け入れ、それどころか「すてき!」と言い放ちました。
さらには、P215の悦のプロポーズも、鈴世もなるみにしてたよななどと思い出しました。

「ときめきトゥナイト」は今後とも残っていく名作ですし、ある種の定番をつくったとも言える部分があるので、パクリとは思いませんが、「ときめきトゥナイト」と比較してあまりにも1つ1つのエピソードがすごく弱いです。行き当たりばったりで、おいしいところだけつまみぐいという感じはします。
倉橋先生はベテランなのでマンガの形式は整っているのですが、形式よりも血の通った生き生きしたキャラを描いてほしいと思います。

今野側ですが、こちらはいきなり「ママレード・ボーイ」かって感じですね。薄っぺらい焼きまわしでないようにしてほしいものです。
P218の天方のセリフは、今野が想起していますが、このようなインパクトなある重要な事実は、直接描いた後に、繰り返しの意味をこめて想起することが多いので珍しく感じました。

今野と天方は、「ママレード・ボーイ」の遊と三輪と似たような関係なわけですが、今野が鈴花に二人の関係を隠すならば、二人の仲はこじれますが、そうだと「ママレード・ボーイ」と一緒になってしまうので、こじれようがないと思います。(しかし、なぜ前日電話で事情をきかなかったのだろう…通じなかったのでしょうか。予告によるとこじれるらしいので、不安。)


◆ランダム・ウォーク(吉住渉)

すごく面白かったわけではないのですが、やはり安定感があるので楽しめました。

「ランダム・ウォーク」を読んでいて気になるのは、吉住渉先生の“いい女”の定義ってなんだろうということです。素敵な相手をゲットできたらいい女ってわけではないですし、まさか最後、玲子さん(一条ゆかり「正しい恋愛のススメ」より。少女マンガにおけるいい女の例です。)のように一人身なんてことはないでしょうしね。
今までの吉住渉先生の作品から想像すると「ハンサムな彼女」の未央が、一哉をふりむかせるために、女優として頑張って、絶対振り向かせてやるとか言っていましたが、あまり向上心のあるキャラは描かれなかった方なので、いまいち想像できません。

優架は単純バカですけれど、向上心があって前向きなところが好きです。私は恋愛の切り替えは早くはないので、友達にはほしいかもしれない。
塔子と桂の対比による優架との絡みはとてもいい感じなのですが、桂のアドバイスは正当論なため、塔子の方が面白いので、塔子の方が友達にほしいタイプですが。

塔子のP229の3コマ目「恋愛は弱肉強食!気にすんな!」・P239の2・3コマ目「まあこっちから切るのはもったいないし とりあえずキープしといて他さがしなよ」セリフもよかったのですが、今月号は十和がインパクトありました
P247〜249の優架と十和の絡みは今月号の山場といえるのではないでしょうか?9月号の感想で「十和と優架の絡みがあまりにも平凡」と書いたのですが、きましたねと思いました。落し方もP250の2コマ目の「人並みにはやってるよ」ですし。
私も自分の恋愛に関して人並みだと思っているので、こう答えることがありますが、多いか少ないかしか世の中ないとので、含みがあるように感じられるんですよね。この辺の言葉の選び方が上手いなと思いました。

やっぱり、今まで読んだどんな作品にもない展開でくると、先を期待させられて嬉しいものです。来月号は、P65・P363に“優架、海斗、紗央里の恋のトライアングルに決着が!?”とあるので、優架と海斗が別れることが決定みたいですけれど、どう展開するのか楽しみです。


◆聖・ドラゴンガール(松本夏実)

絵が苦手ムードいっぱいで読んでいてつかれました。それだけ、ストーリーへ引き込まれなかったといえます。

「聖・ドラゴンガール」と「探偵レボリューション」は重なる部分(事件解決・友達以上恋人未満・読み切りタイプの連載)があるので、同号での本誌掲載はするべきではなかったと思います。比較されて相乗効果を出したいのであれば周到に用意をするべきでしょう。
「探偵レボリューション」の方が格上のため、「聖・ドラゴンガール」が損しているように感じられました。影が薄く感じられました。(格上というのは、松本先生と森本先生のキャリアはもちろん、本誌掲載の扱いの度合いからです。)

ストーリーですが、ネームの練り込み不足を感じました。
P272の4コマ目の「朱雀を無事に届けるのが先だ心して行け」と、P275の1コマ目の「朱夏様になにかあったら大変だろ 昼間だしオレひとりでも十分なくらいだ」という2つのセリフから、何か秘密でも隠して大変なことでもあるのかなと思いながら読んでいたら、P293の最後のコマの「あやつの行動はそなたの思うてのこと わかっておるな」というあまりにもあっさりとした落ちです。
このセリフは「相棒燃やされちゃかなわない」というセリフのみにかかるのがすっきりとしますし、、こんな中途半端では盛り上がることはできません。


◆探偵レボリューション(森本里菜)

最初のホテルでのエピソードがありますが、私は国内ではなくて海外だと思ってしまいました。
私はシティホテルの屋内プールで泳いだ経験がないですし、今の季節が冬ということもあり、日本人しか出てこないというのに、常夏のどこかの国に行っているのだろうと勘違いしました。しかし、国内の高級ホテルのプールで女をナンパする“金持ちおぼちゃま”なんて設定はおかしいでしょう。(海外ならともかく。)まあ、勘違いした人って私だけでしょうけれど。

本誌と別冊ふろくで漫画をわけて掲載している例は、1982年9月号に「ときめきトゥナイト」以来だと思われます。
このような試みを行ったのは、2001年1月号に“本誌から続くかたちで盛り上がりも2倍!”と書いてあるように、前後編にして2号連続にできないなりに、作品をできる限り盛り上げる効果を狙ったのだと思います。

私は本誌を前から順番に読み、本誌のあと別冊ふろくを彩花みん先生の作品から読んだので、引き延ばしによる盛り上がりは体験できたと思います。
しかし、P358に「スクープ!まんが情報」がありますが、別冊ふろくに行く前にここで“注目はモールス信号でしょうか。←あっやばっ。ネタバレ?(笑)”なんて読んでしまったので、森本先生のせいでもありますが、便せんをみた時点でモールス信号ネタはわかってしまいました。こういう細かいところは注意が必要かもしれません。

あと、リアルタイム読者でないと意味のないものだと感じました。もちろん、本誌はリアルタイム読者のためなのでそれが悪いとは思いませんが、一般的に別冊ふろくの保存期間は長く(本誌は短い)、単行本のかわりとなりうる性質があるため、読みきりタイプにしておかないと後で読むと意味がわからないということになるかもしれないのです。

マンガの感想になりますが、別冊ふろくP11の「でも ま ほぼ自殺に決まりでしょ」に、こんな警官いるかと思ったり、偶然映研が抜井先生を映していたのは、出来過ぎだろうと思ったり、モールス信号ネタはばれていたけれどもモールス信号自体は読めないのでなんて書いてあるんだろうと思ったりしていました。
「探偵レボリューション」はあまり好きなシリーズではないのでこんなものでしょう。やっぱり「有閑倶楽部」とか、赤石路代先生の作品とかと比較してしまうのです…「聖・ドラゴンガール」より楽しめたのは、森本里菜先生のパワーに押されたのだと思います。

楽しかったのは、「スクープ!まんが情報」での森本里菜先生の話です。
語学留学されたんですね。漫画家は語学留学される方はたくさんいらっしゃいますが、最近の『りぼん』の漫画家にはいなくて、行動範囲の狭さを感じていたので、行動力がありそうな森本里菜先生らしいなと思って嬉しく感じました。私も社会人なって、お金たまったらやりたいです。


◆ペンギン☆ブラザーズ(椎名あゆみ)

私には今の『りぼん』で一番楽しい作品です。(楽しみな作品は他にもありますが。)来月号は表紙のようですが、巻頭カラーもそろそろ周って来そうですね。っていうか、「ペンギン☆ブラザーズ」に周ってこないのはおかしいでしょう。

今月号は全体的に絵がかわいかったような気がします。先月号は扉絵についていけないと思いましたが、今月号は椎名先生得意?のレズ系で、本編に絡んで読む前から期待度がアップしました。(発売延期だった「お伽話をあなたに」が出るというニュースがあって嬉しかったからかもしれません。)

陽菜は、「ピーターパンの空」の由香と「無敵のヴィーナス」の楓にあった元気のよさと、「あなたとスキャンダル」の友香にあった脳天気さを合わせ持った椎名先生お得意のキャラで、読者と一緒に走りながら、時に下に、時に上に現れる自在ぶりに毎度歓心してしまいます。

読者が主役より事実を知っているけれども、読者も主役と一緒で先がわからない、という状況は作品を読者に面白く感じさせるものです。
例えば、「星の瞳のシルエット」(柊あおい)では、読者は香澄と久住くんが両想いであること、さらに、司が香澄を好きであること、沙希が司を好きであることを知っています。しかし、マンガのキャラ達は、真理子が久住くんを好きであるという事実しか知りません。それぞれの秘密がいつばれるのか、ばれたときにどうなってしまうのかということで毎号大変な盛り上がりとなりました。

「ペンギン☆ブラザーズ」では、陽菜は読者よりも事実を知りません。陽菜はP380の1コマ目で一色にいわれているように“おめでてぇ”キャラなのです。
読者が知っている白雪がスネークであることも知らず、「あたしあの人には嫌われたくないよ」(P379の最後のコマ)と言い、一色が「今度 三嶋陽菜に手を出したら 殺す」(2000年1月号、P181・182)と言ったのも知らず「一色くんの口から はっきり 誤解だって 言ってよ」(P379の最後のコマ)と言います。
読者がわかっている事実を陽菜が気づきもしない事実を重ねた後、一色に「ホント おめでてぇな おまえ」と言わせ、一色に意味深なセリフを言わせます。
そして、陽菜はぶち切れて一色に能面男(上手いあだ名)呼ばわり。陽菜の気持ちに合わせて(P383)、読者としては「今度 三嶋陽菜に手を出したら 殺す」に戻って、陽菜が記憶喪失で忘れている一色との間に何を想像してしまうのです。
盛り上げているのに、これは伏線の部分であり、本筋の“白雪グレーに”もしっかり描いています。

本筋では、白雪の魅力を引き出した、P399の「最後まで…冷血人間のままで いてくれた方がよかったわよ」が印象的でした。P389〜395の陽菜との会話もよかったです。この流れでいくと、白雪はせあら系なのかなと感じました。

しかし、陽菜の「欲しくてしょうがないのに手に入らないもの」(P386)は気になりますね〜ついに、“主役が知っていて読者が知らないもの”が出たかって感じました。


◆Wピンチ!!(亜月亮)

クライマックス突入です。伏線も何もはってないので、連載が伸びることはないと思うので、4月号、長くても5月号で最終回でしょう。
今月号は最終回へ向けての前段階という感じで、ありさの記憶が戻りかけたり、猪神の正体をにおわしたりしていました。猪神女の子説は今まで描かれた番外編で推測された方が結構いたしたようで、掲示板で話題になったときに知りました。私は女装説だと思っています。(猪神は男だと思っています。ネチッコさは女の子バリですが。)

取材旅行もかねてって里帰りって資金は出してもらえるのでしょうか?実家に帰るついでという感じで出してくれなそうですね…「GALS!」のように豪華に取材旅行費を出してくれないほうが、「Wピンチ!!」に似合っているようなというのは失礼だと思いますが。

しかし、少女マンガってなんでこんなに川に落ちたり、入ったりするシーンが多いのでしょう。最近では、「ソラソラ」(槙ようこ)・「ペンギン☆ブラザーズ」(椎名あゆみ)がありましたが、少し前では「POCHI」(小花美穂)が印象に残っています。懐かしいところでは、「空色のメロディ」(水沢めぐみ)は好きでした。
海だと場所の制限があるので、ストーリーに前置きもなくいれることはできませんし。(池野恋「ときめきトゥナイト」、矢沢あい「マリンブルーの風に抱かれて」、今月号の「時空異邦人KYOKO」etc.海バージョンも多いです。海だと大げさにできるので、死にかかたり、人口呼吸でドキドキ〜ってのが定番。)

来月号の展開が楽しみです。


◆偽りのライオン(朝比奈ゆうや)

なんとなしに、槙ようこ先生を思い出した。新人漫画家特有のものかもしれませんが、背景の使い方が上手くないので(コマ割りが奇を狙うから背景は効果ばかりになってしまう)、トーンを多用して意味不明に重く感じるというところです。

例えば、P450〜460がそうです。全体的に顔にトーンが重なっているコマや、意味不明に背景にトーンをはって緊迫感を出そうとして重くなっているコマが多いと思います。
顔にトーンを重ねるのは、小花美穂先生が多用されていましたが、小花先生は背景は丁寧に描かれていらっしゃいました。背景の書き込みと合わせてなので、絵のバランスはとれているわけです。

この辺の誤魔化しは新人だしねと思えますが、P438の1コマ目、P448の1コマ目、P465の最後のコマの校舎のカットが一緒で、笑えました。藤井先生などこのあたり上手く誤魔化されていますが、新人だとストレートにきますよね。
朝比奈ゆうや先生って連載2回目ですが、すごく新人っぽい勢いと強引さがあります。

ストーリーは取りたててあげることもなく、ありがちでつまらなかったです。ただ、たんぽぽ=Dandelionは気づかなかったのが悔しい


◆男だらけ(彩花みん)

“大 どんでん返し!?”はわかりませんでしたが、あまり好きな落ちではなかったです。
前半の男前女の子と、小さいかわいい男の子というのが、ありがちだけれども好みです。P5の最後のコマとか、P9の最後のコマとか、他にも何ヶ所も笑いました。
彩花みん先生が乙女ちっく系の作品をおもしろおかしくという流れの方がよかった…



「偽りのライオン」が来月号で最終回ということで、「Wピンチ!!」と合わせると『りぼん』の枠が順次空く事になるのですが、次に何がくるかということが気になってしまいます。

大御所で連載待機しているのは、彩花みん・小花美穂先生。
彩花みん先生は今月号に読みきりがありましたが、彩花先生自身が漫画家として自分を追いつめていらっしゃならければの話ですが(いしかわじゅんさんの話を聞いてから、ギャグ漫画家は壊れると思っているので)、早ければ4月号からあるかもしれません。
小花美穂先生は新婚生活を楽しみたいでしょうし、まったりマイペースという感じがするので、5月号からもなさそうな感じがします。読み切りがある可能性はあると思いますが。

次に可能性があるのは、あゆかわ華・長谷川潤先生。
あゆかわ先生は前回の連載で失敗しているので、芳原先生のように新人でもないので、即は連載できないのではないかと思います。(芳原先生は新人だからですし。ベテランだったら落とされているように思います。)
長谷川潤先生への『りぼん』の扱いもよくわからないところがあって(連載よりも読みきりってイメージ?)、連載を読みたいものなんですけれどもう来ないような気も。(大塚由美先生も「アップルパイン」で、落ちてほしくなかった…そんなに悪くないでしょうよ。)

新人漫画家の読み切り競作はありそうですね。連載の変わりになりますし。今、編集部側は誰を押しているのかは私にはわかりませんから。とりあえず、昨年、本誌に読み切りを載せた誰かが、今年初連載にチャレンジはするでしょうけれど。

4月号から即効、槙ようこ先生の新連載だったりして。今が押しだものな…少なくとも5月号からはあるでしょう。
うけた新人漫画家は熟す前に使いまくるのが『りぼん』の常ですから。一条先生のように仕事させすぎて、腱鞘炎にさせて苦しませるということがなければ、これはありかなと思います。(残酷な読者なんで。昔ほど倒れる漫画家減りましたよね。昔の漫画家みていると仕事しすぎだよって感じがしますよ…漫画家が長生きできない理由がよくわかるというか。今はそれほどではないですから。)


あと、
山口みずほさんに続いて2人目となりますが、HPを持っている高橋ひろみさんのデビューが決定しました。

山口みずほさんは、現在サイトを休止していますが、その理由の中に批判との関係があるように感じます。マンガに関して批判されるならいいでしょうけれど、サイトに関してとやかく悩むのは、デビュー直後の慌ただしい時期に大変だと思われるからです。

ほとんどの漫画家志望サイトは“友達作り”が目的なので、部外者がサイトに来ることをあまり想定しているとは思われません。だから、批判に弱く感じられますし。

今度も休止となってもおかしくないと思いますが、『りぼん』でデビューを目指す漫画家志望サイトがとても多いことを思うと、デビューが決まったら休止するという法則を作ってほしくないものです。


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Presented by Eiko.