『りぼん』2001年7月号感想

表紙画像

今年の『りぼん』の夏のイベントは、アニメの上映をメインにした参加者を抽選方式としたものです。1991年、1994〜1997年は、このようなものでしたが、1998〜2000年は、読者の自由参加でサイン会のみ抽選方式としたののだったので、久しぶりとなります。

最初のイベントである1991年の「りぼんファンタジックワールド」は以下のような内容でした。

時期・場所・招待人数 ゲスト 内容
9月29日
御堂会館(大阪)
500組/1000名
吉住渉
高田エミ
浦川まさる
  1. 「ハンサムな彼女」・「ねこ・ねこ・幻想曲」のアニメ上映。
  2. ビデオ「有閑倶楽部」上映(ロビー)。
  3. りぼん原画コーナー(ロビー)。
  4. ビデオ“少女漫画家の一日−矢沢あい先生−”の上映。
  5. ゲストの先生方のトークショー&質問コーナー。
  6. TAROKOと読者のみなさんの“ちびまる子ちゃんアテレコ大会”。
  7. TAROKOの歌。
  8. プレゼント抽選会。

総合司会・TAROKO

補足:
1991年9月〜11月号のカラーページに、ゲストの漫画家の顔写真が掲載されています。
岡田あーみん先生の美人説は、1991年11月号の顔写真から出たものであると思われます。(美人というよりも、普通にキレイな方だと私は思いますけれど。)

10月20日
都久志会館(福岡)
320組/640名
水沢めぐみ
吉住渉
矢沢あい
沢田とろ
11月17日
名古屋市教育センター(名古屋)
430組860名
高田エミ
柊あおい
楠桂
あいざわ遥
大塚由美
12月8日
共済ホール(札幌)
330組660名
一条ゆかり
柊あおい
高田エミ
吉住渉
岡田あーみん
12月26日
日比谷公会堂(東京)
1000組2000名
一条ゆかり
水沢めぐみ
柊あおい
吉住渉
矢沢あい

私は参加したわけではありませんが、内容の濃さが誌面から伝わってくるようなものでした。
その後の1994〜1997年のイベントは、規模こそ大きくなったものの、内容的には落ち着いた印象を受けました。そのため、1998年から始まった読者が自由参加できるイベントは、アニメに頼る事無い『りぼん』独自のイベントとして画期的なものだったと思います。
1996年5月号から編集長に就任した今井さんの改革の1つだと思っていたのですが、なぜ元に戻したのでしょうか。

一番最初に考えられる理由は、経費の問題です。創刊45周年の昨年の会場費・イベントスタッフ費・運送費は馬鹿にならない金額に膨れ上がっていたと思います。(赤字の可能性が高い。)
会場を狭くしたり、スタッフの人数・グッツの数を減らせば、苦情(何時間も会場に入れないとか、ほしいグッツが無いetc.)が出るでしょうし、実際に大量に出ていたと思われます。それを参加者を抽選方式にしたイベントならば、すべてを解決できるのです。(もちろん、編集者・漫画家の負担も格段に楽になります。)

また、「グットモーニング・コール」のオリジナルビデオアニメの上映がありますが、今までも「ハンサムな彼女」・「ねこ・ねこ・幻想曲」・「天使なんかじゃない」「こどものおもちゃ」「ベイビィ☆LOVE」がイベントで上映されていました。しかし、後で発売されたり、全プレになったりしているので、“アニメの菜緒ちゃんが見られるのはこの会場だけ!”というのは嘘でしょう。
つまり、グッツの数は来場者の人数で推定しながら数を作り、アニメの制作費も後で回収でき経費が節減できるのです。(イベントスタッフも少ない人数、かつ1日でOKですし。)

しかし、「グットモーニング・コール」のプッシュの理由が分かった気がします。イベントが過ぎたら終わるものなので、クライマックスに向う事を期待したいところですが…


◆アンダンテ〜Andante〜(小花美穂)
「アンダンテ〜Andante〜」はプッシュされているんですね。「パートナー」を読んでいた時や(カラーではありましたが、プッシュとは程遠い扱いだったので。)、連載開始時に巻頭カラーではなかったことから、『りぼん』は小花美穂先生を見限ったのかと思っていました。先月号と今月号の表紙での字の大きさと、「GALS!」に渡した連載初回での巻頭カラーを今月号にもってきたことに、プッシュはするけれど今は「GALS!」があるから我慢してとでもいうような、両方共にいい顔をしている感じがしました。

表紙は、最近もので一番よかったように思います。P439の「スクープ!まんが情報」の「表紙イラストによせて」でサックスについて触れられているのに、あっさりと「GALS!」と「ナツの甲子園」で隠れてしまっているとことに、世の中そんなものかもとか思ってしまいました。

今月号の「アンダンテ〜Andante〜」は、小花美穂先生の作品で久々に満足感を得ることができました。最近は、先生のインタビューの方が興味深かったくらいに、作品への興味が薄れかけ、好きな漫画家であることを忘れかけそうなくらいだったので、嬉しい限りです。
キャラも手になじんできたのか、描き方がこなれてきてみやすくなりましたし。

小花美穂先生の優れている点は、キャラの心情をとても丁寧に描くところだと思います。今月号はなんといっても、茗・那都・メルの三角関係(茗・那都の兄妹関係)でしょう。茗と那都に焦点を当てた描き方が、感情移入しやすくしたように思います。(メルについては、P26の2コマ目〜5コマ目で、メルの過去に触れられているだけ。)

P24〜P28の1コマ目までは前後から、「−違う…お兄ちゃんが… メルに接している時のお兄ちゃんは私の知っているお兄ちゃんと違う…−」というネームにかかり、さらに、この部分がP47の5コマ目からP48の2コマ目で理由づけされて、P49のキスにつながります。
その間に、茗が告白されたり、那都がTVに出演したりするエピソードを絡めて、茗の心理と、那都のキャラについて丁寧に描かれていて、上手いなと感じました。

最後がキスシーンという終わり方が、「あたしはバンビ」にもありますが、続き方の1つとして定番なんだなと感じました。
来月号から、メルの過去(素性)が明かされてきそうな予感がします。小花美穂先生らしい、とんでもない設定なんだろうな…


◆ナツの甲子園(榎本ちづる)

前回の新人の読み切り競作で、榎本先生の「ハートのプレゼント」が一番好きだった私には嬉しい初連載となりました。(2000年12月号の感想参照)
しかし、つまらなくもないですが、オリジナリティーがなく、連載ものとしては弱さを感じました。

まず、絵ですが、『りぼん』で今、最も多い絵柄のように感じます。下手でも、嫌いでもない絵柄ですが、誰の絵だかわからない部分が私は好きではありません。下手でも、区別がつく(オリジナリティーのある)絵柄の方が私は好きです。既存の漫画家に似ていたりするのが許されるのは、関連誌の中だけです。本誌は、読者は新人ハンターをやっているわけではなく、人気連載の続きを楽しみに読む方がメインになるので、ひきつける独自の絵の探求をしてほしいと思います。

次に、ストーリーですが、「ガールクレイジー」に続いて古臭さ漂う王道路線ものとなります。(「ガールクレイジー」よりはおもしろくしてほしいもの。)

ヒロインがスポーツを辞めていた設定の話に「なみだの陸上部」(高橋由佳利、RMC全2巻)があります。榎本先生にはなんの関係も無いことですが、私はこの作品がとても好きです。(何しろ、高橋由佳利作品のNo.1は「なみだの陸上部」。オススメです。)
となると、「ナツの甲子園」の評価が厳しくなります。他人から思えば似ているとも思えないような設定だけでつまらないと思ってしまえるとは、酷だなと自分でも思うのですが、どうにもならないのです。エピソード一つ、一つを比較してしまって。得に、再びスポーツをはじめるあたりには、「なみだの陸上部」のシーンが目の裏に浮かんでどうしようもなかったです。

キャラですが、名前がとても悪いと思います。
ヒロインの夏子は、タイトルの“ナツ”の部分にもかけてあるわけですが、ナツといえば、「アンダンテ〜Andante〜」に那都(何故か、ふりがなはカタカタで“ナツ”)がいます。
ヒーローの大地は、大ヒット作品「姫ちゃんのリボン」(水沢めぐみ、RMC全10巻)のヒーローと一緒です。となると、ヒロインは姫子で、名前のシンプルさと、タイトルにヒロインの名前を入れることろが一緒だなと連想してしまいます。
榎本先生が「姫ちゃんのリボン」を超えるヒットを「ナツの甲子園」で出す気ならば、これもいいでしょう。(私は「ときめきトゥナイト」と重なる部分が多いため、「姫ちゃんのリボン」の評価は低いので、それくらいの思い込み許せます。)でも、そんな気はないと思うので、『りぼん』の歴代のヒット作に対して敬意をはらってほしいと思います。
これまた、「ガールクレイジー」に続いてですが(2001年2月号の感想参照)、担当編集が止めるべきことだと感じました。

別に悪いことばかりではなく、エピソードを丁寧に組み立ててあるのは「ハートのプレゼント」で感じたよい印象のままですし、大枠以外の細かい部分は結構楽しめたのですが…次号以降で、評価が上がっていく事を期待します。

しかし、「ハートのプレゼント」でもスポーツものでしたが、榎本先生はスポーツものを題材とするのが好きなのでしょうか。2作しか読んだことないので、イメージが定着してしまいました。


◆ペンギン☆ブラザーズ(椎名あゆみ)

素晴らしい御都合主義!P351〜352の間でどうやってすりかわったのか説明もなくすっ飛ばすところには感服しました。「有閑倶楽部」(一条ゆかり、RMC既刊18巻)なら、論理的にいくところですが、基本路線が「いるかちゃんヨロシク」(浦川まさる、RMC全7巻)寄りですからね。はったり具合がいい感じです。(2作品が出てくる訳は、2000年2月号の感想参照。)

P342の2コマ目からP344まで久しぶりに一色が出ています。先月号の「あたしはバンビ」の感想部分で、一色のキャラクターのつまらなさには触れましたが、その点を、P343の2・3コマ目ですっぱ抜かれていて笑えました。椎名先生が、一色のキャラの弱さに無自覚なわけないですよね。
しかし、西崎はどうしたのでしょうか。まさか、まだ入院しているのでしょうか。藤重を出すのだったら、私は西崎が見たかったです。
現段階では、一色より、西崎の方がキャラが立っていると思います。ヤンキー系のキャラは『りぼん』には今いないですし、目立つんですよね。早く登場させてほしいです。(ヤンキーが入っている『りぼん』のキャラには、「有閑倶楽部」の魅録、「ときめきトゥナイト」の真壁くん、「天使なんかじゃない」の晃などがいます。ただし、西崎のキャラとは、まったく違いますが…)

P347の2コマ目の蝶野ですが、ダサいドレスであまりにもお粗末。イブニングドレスの研究をしてほしかったです。陽菜の服装も似たり寄ったりですけれど。
折角描くのだから、憧れるような服装をキャラにさせてあげてほしいです。小柴と一色をコスプレさせないところも残念でした。(「あなたとスキャンダル」の印象からか、椎名先生はさせそうな気がしたので。)

どうでもいいことですが、P361の2コマ目でよく見るとトーンで手があります。(2回目に読んでて気がつきました。)一色の手だと思いますが、変な描き方とか思ってしまいました。人が出て助けてくれることを読者が確認できるのは、P362になるわけで心理面での効果でも狙っているのでしょうか。
ちなみに、一色ですが、P362の3コマ目で左利き!?などと考えてしまいました。P364の最後のコマで「誰だったのかなー?」などと陽菜は言っていますが、手の怪我で即効わかってしまうことでしょう。
一色と小柴の2度目の対決…続きが気になるところです。


◆ランダム・ウォーク(吉住渉)
塔子とヒロのエピソードですが、もっと早くにいれてほしかったです。
2000年10月号のミニクラス会にヒロが彼女を連れてきたところのエピソードは、塔子が読者にき嫌われる原因になっていたと思います。ヒロインの親友が嫌われるのは、ヒロインとの恋愛絡み以外は避けた方がいいと思います。
今月号のエピソードを早くにいれておけば、塔子のキャラが浮き立ったと思います…ということを感じる以外には、今月号も、いいエピソードを描いてくるなと感じました。P392〜P395は得に気に入りました
優架と十和だけは何とかしてほしいです。好きなキャラですが、華がない…


今月号でりぼん歴18年目に入ります。(17周年)
2000年7月号の感想で、今年の目標を“あと4年分の『りぼん』の探求本を限りなく0に近づけること。”としたのですが、現在16冊となりました。今年1年で、32冊の『りぼん』を集めた事になります。(残り16冊/全探求冊数、118冊。)今年も『りぼん』探求の目標は継続します。
それにプラスして、サイトの方で、『りぼん』のデータの更なる収集(得に、目次の整備)と、『りぼん』の感想をネット上で書く人の輪を広げていきたいと思います。


P333の「8大ギャグ新キャライラスト優秀作発表」に関するお知らせですが、何のキャラだったのでしょうか。“関係者各位にお詫び申し上げます。”という一文が気になります。
っていうか、読者へのお詫びもあっていいのではないでしょうか。読者をなめているようで、不快でした。


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Presented by Eiko.