『りぼん』2002年3・4月号感想

3月号表紙画像 4月号表紙画像

3月号、4月号の感想の合併になります。(一部作品のみ。「
ウルトラマニアック」は3月号のみです。)

1.特別ふろく

【3月号】
適当に状態のいい『りぼん』を買ったのですが、「パステルポーチ」の色はブルーでした。別に使わないのですが、ピンクの方がよかった。

2002年1月号の感想でカラーページについて書きましたが、特別ふろくを見ていると、カラーページの印刷代をふろくに回しているように思えてきます。
何度も書いているように、私はカラーページの方がマンガとして一生残っていくと思うので、いいと思っています。
しかし、これからの『りぼん』の漫画家は、表紙しかカラーを描かなくなるので、マンガのカラーページを描くのが下手なることでしょう。本当に残念です。

2.りぼんわくわくステーション(『りぼん』のコーナー)

『りぼん』の「りぼんわくわくステーション」のページですが、公式サイトよりよくできていると感じます。及川えみり先生の力によるところが大きいか。

【4月号】
「めだかの学校」のゲームができましたが、森先生は公式サイトにいかれたのかな。。(メールのやりとりした中に、「まだりぼんHP見てない」と書かれてあったので。)

3.突撃!!まんが情報

【3月号】
欄外漫画に、BJがRMCに「うわーこの本すげーレア」と言っているコマがありますが、私には『りぼん』の編集者がRMCのプレミヤについて事情を知っているとは、到底思えません。必死でプレミヤマンガを探したことがあるわけないのだから。

「ビバ!バレーボール」(井出ちかえ)
…「ビバ!バレーボール」は巻数が揃っていると価格はもっとあがるでしょう。私もその価格の高さで断念して、まだ読んだことはありません。井出先生の『りぼん』での作品はそれなりにチェックしたのですが、「ビバ!バレーボール」は別格。

山岸涼子先生のもの(「アラベスク」以外。)
…山岸凉子先生は、『りぼん』の24年組の中では一番高いです。(一条ゆかり・もりたじゅん・おおやちき先生の中では一番高い。)
「アラベスク」は版刷をかなり重ねていますし、白泉社コミックスでも出ているので、新書版は手にいれやすいです。もちろん、全集・文庫化など復刻もされていますしね。

巴里夫先生のもの
…貸本業界では大御所。貸本に興味ある人には必ずチェックしておかなければならない人です。高いので、なかなか手にいれられないので、私もそんなにチェックしていません…

ちなみに、RMCの発刊がはじまる前の『りぼん』作品も高いです。

「マキの口笛」(牧美也子、虫コミックス)
…たぶん、『りぼん』作品最強の値段の作品。3巻には、牧先生の夫である松本零二先生との合作漫画なども収録されており(松本先生は『りぼん』にも作品を掲載されたことがあります。昔は男性作家が少女漫画を描くのが普通だったのです。)、マニア心をくすぐるのだと思います。

「ハニーハニーの素敵な冒険」(水野英子)
…この作品がなかったから、『りぼん』の一条ゆかり先生はいなかったはず。(一条先生は水野先生のファンで、この作品を読むために、普段は買ってなかった『りぼん』を買って新人漫画賞の応募の知らせを見て募集したから。)

あげだしたらきりがない…

お答えプリーズですが、編集者と一緒のことを考えていました。別に残念だとは思いませんが。

【4月号】
りぼんの漫画家さんおともだちリレー・メッセージは、森先生から亜月先生でした。組み合わせがひっかかったので、何故だと思ったら、「りぼんおたのしみ祭2000」のサイン会で私はお2人を見ていたからだと気づきました。(りぼんおたのしみ祭2000レポート、参照。)

森先生は、ご自身のHPの1月20日の日記で岡田あーみん先生について語られています。(注1)
岡田先生は嫌いな方がいるとも思えないほど、非常に人気があり、評価されている漫画家です。森先生はギャグ漫画家ということもあり、好きだという事実に、新鮮味を感じませんでした。
マイナー路線の漫画家とか、同じ有名作品でも、「砂の城」(一条ゆかり)…メロドラマ、「銀曜日のおとぎばなし」(萩岩睦美)…感動作品が好きとか言われたら、作風の違いを楽しめるのですが。

しかし、このように、『りぼん』の漫画家が『りぼん』のマンガについて触れる機会に遭遇することは多くありません。『りぼん』の漫画家の想い入れのある作品についてお聞きしてみたいものです。作品を読み解く上でもキーポイントになったりして面白いんですよ。

4.ジョバンナ王子のうらら王国

【3月号】
ジョバンナ王子は26歳だという記述があります。最近、読者ページの担当編集者は26歳からが相場のようです。私は1歳若く、25歳からの方がいいのではないかと思います。
26歳といったら、浪人していなかったら、社会人4年目(3年8ヶ月)ということになります。編集者として一通りの仕事を覚え、一人前といえるキャリアがあるといえるのではないでしょうか。(何年も仕事を覚えられないような人を集英社が採用しているとは思えないし。)
仕事を一通り覚えた人に、読者ページを担当させるというのは、安全であるようで、反対に少し苦しいように思えるのです。編集者としてキャリアがある分、無理に若さをだそうと、不自然になって無理がくるというか…

みーやん(読者コーナー「みーやんのとんでもケチャップ」の担当編集者、2002年2月号の感想参照)は、1983年入社で、1985年4月号から読者コーナーを担当していたので、社会人2年目(1年10ヶ月)で読者コーナーの担当となったことになります。若さがありましたよ。
社会人としてキャリアがこれからというくらいの時から担当させてほしいです。

マコは、ジョバンナ王子よりも若いはずです。「ふろくファンルーム」のモリーが新人であることと、マコの態度からは、社会人1年目はありえないので、社会人2年目か、3年目と考えられます。
となると、24か、25歳ということになり、とうとう自分と同世代が『りぼん』を作る時代になったのだなと思うと感慨深いです。

「今月の反省」を読んで、やはりと思いました。私もマコについてばかり書いているような…
ジョバンナ王子は、少し下ネタが多いのが気になります。下ネタとはいえないレベルものですが、“エロおやじ”が入っても、このキャラは、読んでいて、別に楽しいものでも、おもしろいものでもないです。
バレンタインのこともですが、チョコをもらったことがない(彼女がいない)わけがないでしょう。本当のことを書くべきとは思いませんが、女運がないなら、もてないことよりも、そのことを書いた方がいいと思います。見え透いた嘘では、読者が楽しめるわけがないのです。

マコは、「愛の語らい」でキャラが固まって来ています。姉御肌。若い娘相手ですから、一番妥当だと思います。ジョバンナ王子よりも、本音がわからないあたりが、女って感じが私はしてしまうのですが。
ジョバンナ王子のキャラをどのようにしていくのかは、マコの協力なしにはありえません。(ツッコミ役と注釈が入っているくらいですし。)いろいろ工夫していってほしいものです。

【5月号】
読者の悩み相談コーナーは、読者コーナーに必ずありましたが、「愛の語らい」は、今まで『りぼん』を読んできた中で一番読めます。読者の悩み相談コーナーは、今までつまらないギャグとしか認識できませんでした。(「トミーのくねくね横丁」の時などは、下品で嫌いだったくらい。。)
マコが女性で、さらに同世代であるという部分によるところが大きいと思いますが、これからもこの部分だけは、女性でいこうよと思いました。(男性では、ギャグにしかできないことは、16年間で証明されている…)


上記で『りぼん』の編集者について触れました。今までに、2001年9月号の感想2002年1月号の感想編集長の存在などで『りぼん』の編集者について何度も書いてきていましが、この読み方は、私が集英社少女漫画読者であるからだと思います。

私は『りぼん』が好きです。しかし、『なかよし』・『ちゃお』は、読んだことはありません。『りぼん』が好きなのであって、児童向け少女漫画が好きなわけではないのです。また、『少年ジャンプ』も、読んだことはありません。私は少年マンガを読みません。白泉社・小学館・講談社の少女マンガも読みますが、作品単位で読んでいるので、作家単位で追っている(『りぼん』出身漫画家)集英社の少女マンガとは読む量が違います。

『りぼん』を読んでいるだけでは、編集者について強く意識しようにも、情報が少なすぎて線にならないのではないかと思います。
例えば、現編集長が「ママレード・ボーイ」を担当されていたことは、『りぼん』を読んでいればわかりますが、前編集長が『別マ』にいたことや、元編集長が後で『マーガレット』の編集長になったこととかは、『りぼん』を読んでいるだけではわからない情報なのかもしれないと思うのです。

ということで、編集者ネタ2つ。

1.ときめきミッドナイト

「ときめきトゥナイト」ファンの中では、話題となっていて、何人もの方からメールをいただきました。私は興味がわかなかったので(パロディなので)、読むつもりはなかったのですが、ふとコンビニで『クッキー増刊』を目にしたので、立ち読みしました。

ストーリーについては、パロディーだというだけなのですが、印象に残ったのが池野先生のコメントのK氏です。生みの親でもあるというコメントから、「ときめきトゥナイト」の初代の担当編集者、熊谷さんのことだと思います。

「ときめきトゥナイト」の連載がはじまったのが、1982年。20年経っても、作品を捧げられてしまうほど、慕われているというのはすごいことです。
池野先生は「ときめきトゥナイト」の初期段階のアイデアについて、編集者・アニメからの影響があったことを素直に語っています。自分のアイデアではないことを公言するのは、漫画家では珍しいことだと思います。

2.一条ゆかりの食生活

森ゆきえ先生のHPの1月12日の日記に


担「別にHP作るのは勝手にしていいけど りぼんの内部事情は書かないでね。」←1回目
私「はい、もちろんわかってますよ〜」
担「変な事書かれると困るから。」←2回目
私「ちゃんとわかってますって。」
担「特に他の作家さんのこととか書いちゃだめだよ。」←3回目
私「はいはい、かきませんよ・・・」
担「しめきり日のこととかも書かないでね。」←4回目
私「へ〜 それも駄目なんですか。じゃあ書きませんよ・・・」
担「・・・・・・絶対 変な事書かないでよ?」←5回目」


という記述があります。
森先生は『りぼん』の漫画家の中では、比較的編集者のことを描くことが多い方なので、担当編集者が、森先生にこのようなことをいったのだと思います。(別に信用していないどうこうということではなく、普段書かない人には言わないでしょう。)

編集者が、りぼんの内部事情(編集側)、他の作家さん(漫画家側)、しめきり日のこと(編集と漫画家)に触れないように忠告したことは、『りぼん』がすべてに当たり障りのない関係を築いている現状を感じました。(読者をふくめて。)信頼関係が築き上げられていたならば、心配する必要ないことだからです。

話がすれましたが、1・2月に一条ゆかり先生のエッセイ本が3冊発売されました。
一条先生は、誰にも止められないのでしょう。エッセイでは、森先生が書かないようにと念を押されたことを、描いていらっしゃいます。(多方面に信頼関係も築けていそうですし。読者に恐れることもなさそうですし。)

「一条ゆかりの食生活」(一条ゆかり、ヤングユーコミックスワイド版、全1巻)で、『りぼん』読者として、いくつかおもしろいところがあったので、紹介します。

第7話「料理はダシが命です」
「女ともだち」(RMC全3巻・集英社文庫コミック版全2巻)で、菜乃と晴臣との関係のキーポイントとなった“中華風茶碗蒸し”の秘密がわかります。菜乃の言っていた“こつ”がずっと気になっていたので。(レシピもあればもっと嬉しかったのに〜)

第18話「食生活・海外出張 in 韓国」
またも、一条先生のエッセイにがんちゃん(エッセイでは、岩ちゃん。読者コーナー「ペチャクチャらんど」(略して、ペチャらん1981年1月号〜1984年3月号)と、「ふろくファンルーム」(1986年4月号〜1995年4月号)の担当編集者)登場。
がんちゃんは、一条先生の担当編集者をしたことがないはずなのに、不思議な繋がりです。(しかし、似顔絵をみて太ったなと思いました。若き日の写真を見ているから。)

さらに、元りぼん編集長、山田英樹氏登場。(1985年12月号〜1992年4月号の『りぼん』編集長。岡田あーみん先生のマンガにも幾度となく登場し、私と同世代か、少し下の読者にとってはある意味名物編集長)髪型とか『りぼん』の編集長時代と同じ…

さすがと思ったのはその気前のよさ。

「集英社関係のえらいさんで通称一条の“ふぐパパ”の山田さん
年に2回はふぐをおごってくれるんだ♪」

山田さんは、『りぼん』がバブル期の編集長なので(山田さんが編集長の時期、『りぼん』は公称発行部数が100万部から200万部となりました。)、バブルのイメージがあるのですが、一条先生にふぐをおごられるとは、期待を裏切りません。(韓国でもおごられたそうで。)
今後、『りぼん』には200万部時代はないだろうな。子供の数が減っているし。

懐かしいメンバーの組み合わせで、当時の『りぼん』に熱中した私は感慨深いものがありました。



◆愛してるぜベイベ★★(槙ようこ)
とても楽しく読むことができました
「あたしはバンビ」では、あちゃーと思うことがかなり多かったので、新連載にそうは期待していなかったということもあると思いますが、槙先生の連載作品でこんなに楽しめたのははじめてです。(他に今まででいいと思った作品は、「きいてきいて、王子」。)

「あたしはバンビ」は、“麻衣の成長漫画なので”(2001年4月号「スクープ!まんが情報」より)といっておきながら、成長漫画ではありませんでした。情緒不安定で、自己中心的なヒロインに、今っぽさを感じながらも、もっと成長しろと感じてしまいました。また、槙先生は、ストーリー作りには長けている方ではないので、既存の漫画と同じようなストーリー展開・エピソードの連続であったことも気になりました。

今回は、主人公を男の子に変更し、心理描写を極力排除しているため、麻衣を見ていると感じたイライラ感をなくなりました。私は女性キャラの視点からマンガを読むので、男性キャラが主役の作品だと、物語・状況を客観的に楽しむように読み方が変化したことが、槙先生の作品のスタンスの取り方を調整できた部分もあるでしょう。(今までは、入り込まないと読めない体質の作風だったので。)

キャラは、とにかくゆずゆがかわいいです。「愛してるぜベイベ★★」がよかったと思えるのは、ほとんどゆずゆに絡む部分(絵・エピソードetc.)がよかったからだと思います。(結平の姉弟もいい感じ。これからに期待したいキャラ。)
主人公の結平は、もてるけれど物事にはいい加減、というよくあるタイプのキャラだと思います。これから結平のキャラが固まっていくのは、ゆずゆが動きにあわせてになるような気がします。

絵が変化したように思います。作品を面白いと思ったのだからいい方に変化しているのでしょう。(私は槙先生の絵は好きではないので、どう変化しようとあまり気にならないのですが…嫌いではないので、苦手な絵柄となっては困るけれど。)
コマ割り・構成はやたら上手くなったなと歓心しています。

今後の槙先生の成長が楽しみと感じる初回でした。第1話だけで「あたしはバンビ」を超えていると思いました。若手の漫画家の勢いってすごいな…


◆GALS!(藤井みほな)
蘭の高校卒業と同時に連載が終了することは想像の範囲内でしたが、4月号・P101の最後のコマの「あたしが大好きな渋谷をみんなにも愛してもらえる街にするにはパンパな決心じゃ足りねぇってさ」のセリフを読むと、就職浪人(蘭は警察官か、学校教師しか道はないと思う…)しそう…

“高卒内定率、過去最低”というニュースが毎月のように新聞で掲載されています。今の蘭で就職できたら世の中の高校を卒業して就職しようと苦労している人に失礼だろうと思いますので、正しい選択だと思います。
もちろん、フリーターという選択肢も考えられます。(高卒でフリーターは最近とても多いそうですし。)しかし、人に養ってもらうつもりならいいと思いますが、蘭の性格から不自然なので、ちゃんと就職して、自立してもらいたいです。

「GALS!」では、蘭の落とし所が最も気になる点だったので、こうきたかという意外性がありました。
意外に思ったのは、「ママレード・ボーイ」でのバブル期のご都合主義の受験状況、「天使なんかじゃない」での『りぼん』作品ではこれが精一杯だろうという受験状況(あまりリアルにしてもしかたないですし。)を、リアルタイム&主人公と同い年で体験しているからかもしれません。

私が小学生の時読んでいた作品「月の夜 星の朝」(本田恵子、集英社文庫コミック版全4巻)、「星の瞳のシルエット」(柊あおい、集英社文庫コミック版全6巻)、「ポニーテール白書」(水沢めぐみ、集英社文庫コミック版全3巻)、「いるかちゃんヨロシク」(浦川まさる、集英社文庫コミック版全3巻)などでは、マンガ的な中でも普通に受験状況が描かれていました。
私は中学生受験をしたので、受験の状況を体験していましたし、小学生のときには、漠然と進みたい道をみつけていたので、これらの作品の描き方が普通だと思っていました。

最近の『りぼん』の作品では、描かれる未来像は“お嫁さん”ばかりです。(小花美穂先生以外は。小花先生は受験は描かれませんが、未来像を描いていらっしゃいます。)
いくらりぼんっこが結婚に強い願望があっても(「ハンサムな彼女」第9巻でりぼんっこの結婚願望について吉住先生が書かれていましたが。)、結婚したらそれだけでいいというのは、欲が少ないでしょう。(少なくとも私は、結婚だけでは満足できないんですけれど…)
単なる“お嫁さん”だけではなく、受験・進学を描くからこそ出てくる未来像(なりたい職業etc.)が、「GALS!」で来月号に描かれることが私は楽しみです。

残念なことに、3月号での事件のまとめ方には、盛り下がった印象を受けました。クライマックスがどこにあるのかという決め所がはっきりしませんでした。

3月号・P27の1コマ目、蘭の正面のアップで、読者が蘭の内面に入り込めるようになっています。P29の1コマ目で蘭が泣くシーンも上手いと思います。
P30の最後のコマからエピソードが大和の事故から事件解決へと場面が変換されます。P32、33でタツキチの名前を出して読者にタツキチの存在を印象付けるのも上手いタイミングだと思いました。

問題はここから。
P35の最後のコマで乙幡が蘭に「おまえ 他にも 探すもんあるんじゃねーの?」と声をかけます。蘭の答えは悪いわけではありませんが、ここで乙幡がタツキチのことを蘭に問い掛けるのは、作品の流れからずれているように感じます。
2月号から続いてきた、事件を柱にした作品の流れが、乙幡のおせっかい(的外れの会話)で盛り下がった印象を受けました。蘭には何も言わず、P37の3コマ目の「−さて 俺は人探ししてくるか」の後のシーンにつなげた方が私は読みやすかったです。

しかし、私の読み方が藤井先生の意図とずれていました。
P39〜P47の9ページにわたり乙幡とタツキチの会話、P48〜P53の6ページにわたり蘭とタツキチの会話と続く事で、ストーリーを盛り立てる要素を大和の事故ではなく、蘭とタツキチとの関係へもっていこうと藤井先生が演出しています。
私は、ずっと蘭&大和の事故を主軸で話が進むと考えていました。それが、蘭に絡んでタツキチが出てくるなら違和感なく読めたと思いますが、いきなり乙幡を中心にもってこられて、部外者がなんでこんなところでと感じました。
綾にしてもそうです。乙幡が出てくるから綾との関係までご丁寧に描いていますが、人の生死がかかっている状態で、キス未遂のエピソードで2人の関係が明確に読者に認識させているにも関わらず、わざわざシーンを割く必要性を感じませんでした。

作家と意図が合わなければ、個々のエピソードは練られていると歓心できても、ものたりない印象を受けます。
結果的に、P54からの病院のシーンが盛り上がらない…
P57で「…よかったね」「うん これで仲直り」という綾と美由のセリフがありますが、大和は意識不明のままなのです。綾はともかく、美由は恋人同士なのだから、やけに余裕あるよなと感じます。
ストーリーの主軸を蘭とタツキチ(ナオキチ)との関係に移動したと考えれば、当然のシーンなのですが、大和の事故を中心に考えて私は読んでしまったので(読み返しても、大和の事故を中心になってしまう…蘭とタツキチとの関係のエピソードのパワーの無さ、わざとらしさがそうさせるのだと思いますが。)、違和感を感じるシーンとなりました。

ヒロインの身近な人が意識不明というシチュエーションは、マンガでは珍しいエピソードではありません。『りぼん』作品で印象に残っているのは2作品。
まずは、「いるかちゃんヨロシク」(浦川まさる)。ヒロインに想いを寄せるキャラ(第3部の主軸キャラ。)の妹・正美の手術。浦川先生のベタベタ演出も第3部となると小学生の私でも、うっとなることもありましたが、漫画家のテンションがそれを押し切るものがありました。(『りぼん』で浦川先生が表紙・巻頭・カラーと這い上がっていくのをリアルタイムで体験しました。「いるかちゃんヨロシク」は紛れもなく浦川先生の代表作でしょう。)これは、野球の試合と手術とを重ねています。

二つ目は、「マリンブルーの風に抱かれて」(矢沢あい)。「天使なんかじゃない」の1つ前の作品で、矢沢先生がのっているとはじめて認識できた連載作品です。ヒロインに想いを寄せる幼なじみのいとこの手術。この作品では、サッカーの試合と重ねています。
いるかちゃんは正美ちゃんの手術のときに、応援団長として雨の中、旗を降り続けましたが、遥は何かをしたという具体的なエピソードはなかったので、この後一平が後遺症が出て、一気に「ホットロード」(注2)に突入していきます。

手術だけではエピソードにならないので、何かに重ねることは定番なのか(「GALS!」では、ひったくり事件。)などと関係ないことを考えながら読んでいました。


◆満月をさがして(種村有菜)

“「満月をさがして」アニメ化”の情報がネット上に流れたのは2月上旬だったように思います。
私は、『りぼん』の情報には疎いですし、ネットを毎日もしない生活だったので、『りぼん』関連の情報に目をギラギラさせているような人と比べると、私が情報を手にしたのはかなり遅い方だったでしょう。

そのため、アニメ化の情報を聞いて、まず感じたのは情報の流れ方のずさんさでした。
私はアニメには興味ない人なので、知っても知らなくてもどうでもいいことなのですが(『りぼん』のアニメは「ときめきトゥナイト」以外見たことがない。)、アニメ化の情報を知りたがっている読者は多いと思います。それを『りぼん』からではなく、他のところから先に流れるという状況にはため息をつきました。

公式サイトが開設されました。『りぼん』(関連誌を含めた)の発売を待たなくても、すぐに『りぼん』の最新情報を、他のメディア(サイト)からではなくて、独自のルートで読者に発信することが『りぼん』には可能となりました。今回の対応は、『りぼん』の公式サイトが形式にとらわれている一面を感じました。

次は、多くの人が感じたようにアニメ化決定の早さです。
種村先生は前作「時空異邦人KYOKO」をご自身の意志で連載を終わられていらっしゃいます。だからといって、『りぼん』編集部はともかく、アニメ制作側(&スポンサー:ゲーム・おもちゃ会社etc.)がはじまってもいない新作のアニメ化を望むとは思えません。
「満月をさがして」がアニメ化するのは、「時空異邦人KYOKO」のアニメ化を予定していたのに、種村先生が連載を終えてしまったので、お鉢がまわってきた&「GALS!」のアニメが終了するのに、『りぼん』にはアニメ化するのに適当な作品がなかったと思いました。

私は今回の「満月をさがして」のアニメ化のニュースを聞いて、まず『りぼん』にアニメ化するのに適当な作品がないことに気づき驚きました。
なんとなく『りぼん』側としては、「聖・ドラゴンガール」がアニメ化を狙っていたように感じていました。結局、アニメ化するには決め手に欠けていたようで、最近はあつかいも冷めてきていて、人気商売の残酷なところだよなと思います。

『りぼん』では、池野恋先生を除いて2度作品をアニメ化された漫画家はいらっしゃいません。だからすごい事とも言えるのですが、結果的な話であって、双方ともにアニメが先行している印象を受けるので、アニメの枠が増えた今、アニメ化の数を比較する気には私はなれません。
アニメ化したことでの影響力・アニメの知名度の方が重要。私には『りぼん』のアニメ作品は、一般人も知ってるヒット作品「ちびまる子ちゃん」・「ひみつのアッコちゃん」・「魔法使いサリー」の3本と、「ちびまる子ちゃん」と共に『りぼん』の最大発行部数前後にアニメ化された「姫ちゃんのリボン」・「ママレード・ボーイ」・「赤ずきんチャチャ」の3本以外はどれも似たりよったり…(「こどものおもちゃ」は長期化されたことと作品で多少違いますが、他はアニメに詳しくない私には区別つかない…)

今回の「満月をさがして」のアニメ化についても、音楽的な要素が作品に入っているので、最近アニメでよくみられるレコード会社とのタイアップでもあるのかなと最初は思いましたが(「快感・フレーズ」、「グラビテーション」etc.)、4月号の「突撃!!まんが情報」での種村先生の作詞を見るとそれはなさそうです。幼い娘とアニメファン向けの普通のアニメになるのかなと想像しています。

『りぼん』で2度作品をアニメ化された漫画家がいないのは、それだけ次々と新人漫画家が出てきたからです。種村作品の2度目のアニメ化は、新人漫画家が出て来てない証拠だと思います。次にアニメ化される作品は吉住渉先生の「ウルトラマニアック」なんてことにはならないようにしていただきたいものです。(2作なってその内1作はというのならいいのですが)

私はアニメ化について、『りぼん』の最大発行部数を記録した時期ならともかく、『りぼん』での扱いがよくなる以外には、『りぼん』の大枠への影響はないと思っています。(作家・作品へは影響ありますが。)
『りぼん』ってあまりアニメに協力的ではないですし、「ちびまる子ちゃん」以外のアニメ作品がないと困る程度(「ちびまる子ちゃん」は『りぼん』連載作品ではないので。)ではないでしょうか。
新人漫画家の誰が出てくるのかということの方が、アニメ化して別格扱いになる作品よりも、今後の『りぼん』には重要なことだと思います。

【3月号】
全体的に楽しく読めました。
「満月をさがして」は、ねぎラーメンがいいです。死神ということはもちろん、ネコとうさぎに変身できること(かわいいです)、特に徐々に明らかになっていくタクトの設定・エピソードの組み立て方が上手いと思います。(反対に、ヒロインの満月は、設定も、エピソードもなんだこりゃですが…)

ひっかかった部分もたくさんあります。
まず、P132の最後のコマ。身体が弱い娘を倉に閉じ込めるとは到底ないでしょう。発作が起きたら(実際に作品中で起きていますが)、どうするの?「ガラスの仮面」のマヤだったら自然に読めてしまうところですけれど。

P137の1コマ目の「タクトとあの子… どこか似ているわ」というセリフはどこがと思いました。音楽(歌)ってだけでは似ているとは結びつきません。私のイメージでは、“近い”という言葉の方がしっくりくるかも。とにかく、似ている=タクトは満月と生前にかかわりあったのかと深読みしてしまいました。

【4月号】
3月号の予告では、“満月に歌手のライバル登場。彼女は実は…”というあおり(3月号P450)となっていたので、内容が全然違うなというのが第一印象。
このように種村先生は1歩先のことはわからないという作品作りの方のため、作品構成がかなり辻褄が合わない事が多いです。でも、行き当たりばったりの作品作りをしていても最後には辻褄が合うように、今後なっていくのではないかと思います。実際、「時空異邦人KYOKO」よりは、「満月をさがして」はまとまっている印象。

4月号はP135の全体的な雰囲気が好きです。
全体的には、家出してどうやって生きて行くつもりなんだろう(大重さんが面倒みてくれるってことになりそうだけれど。)、伝言くらい残さないと捜索願いを出されそう(伝言を残しても大事なのに。)とか、気になってしまって感情移入できませんでしたし、おばあちゃんとのエピソードもありきたりでその部分はさらっと読めてしまって得に面白くなかったのです。

P140の“お月様のペンダント”ですが、石はなんなのでしょう。3月号のP141にアップがありますが、妥当なところだと、18K(あるいは985シルバー)+ムーンストーンってところでしょうか。3月号を見ると、カットが球面なのに(だから、ムーンストーンかなと思いました)、4月号では六角形になっていて、かなり未確定の小物のようです。
種村先生の作品では、小物使いで上手いと思ったものはないので(コスチュームのデザインとかものの形にはこりますが、ものにエピソードをつけてストーリーを盛り上げるということはまったくといっていいほどない。)このペンダントに限らず、考えていってほしい部分です。


◆ウルトラマニアック(吉住渉)
「ウルトラマニアック」には直接関係ないですが、りぼんわくわくステーションの吉住渉先生のプロフィールに度肝を抜かれています。
『りぼん』の漫画家のプロフィールは常にすべてに目を通すようにしていますが、吉住先生が圧倒的にすごい…地なのでしょうけれど、ここまでできるとは恐れ入りました。吉住先生は別に愛想がない方という印象はありませんが(漫画家の交流の広さでは、『りぼん』の漫画家で圧倒的に1位だと思います。)、この手のキャラだと広告塔としての役目を本人が嫌いそうですが、編集側としてもまかせにくいところかなと思います。(やってほしいだろうに。)

なぜこんなことを書いたかというと、『りぼん』には今、広告塔がいないと感じるからです。藤井先生や、種村先生は、外に対しても期待通りに行動されるので、『りぼん』側としてはある意味扱いやすいと思いますが、「GALS!」の知名度では藤井先生の露出度は限られていましたし、「満月をさがして」がアニメ化するといっても種村先生は作品にオタクのイメージがあるので一般化しずらいですし。(オタクで一般化するは、相当でないと…少女マンガだと「美少女戦士セーラームーン」とか。)
『りぼん』は読者層が一般的なので、一般的な広告塔がいればなと思うのですが、吉住渉先生は「ウルトラマニアック」がヒットの兆しがあるのに、なるつもりがなさそうだなと思ったのでした。

集英社の他の雑誌は、『クッキー』は「NANA」で矢沢あい先生。『マーガレット』は「花より男子」の作品自体。『別マ』は「問題のない私たち」でメディアに猛烈アピール。リニューアル『コーラス』は一条ゆかり先生が1人、各社の雑誌を周り奮闘。(当然、集英社も公式サイトを始め、あちこちで「有閑倶楽部」復活祭が。)
本当に、『りぼん』は『りぼん』であることが何よりも強いんだとつくづく感じます。

本人はともかく「ウルトラマニアック」は『りぼん』の柱と編集側はしたがっているようです。さすがというか、作品はファンタジーものなのに全体的にあっさりした作りで、吉住先生らしく上手くまとめている印象をなと思います。主要4人のキャラも「ランダム・ウォーク」よりも明確に形作られているので、読みやすいです。

【3月号】
とにかく笑えたのが、P183、184。これはすごいと思いました。
吉住先生のいつものパターンから考えて、連載2回目だからだれかとキスするだろうと思ったのですが、寝顔を写真にとるという意外性と、それを中断される部分の描き方の上手さにやられました。「ハンサムな彼女」のキス未遂を読んでいるので普通のレベルではここまで楽しめなかったと思うのですが。


(注1)
同日の日記の最初に私のサイトのことが書かれてありますが、この日記の内容に関しては、事前に2度も連絡があり、人が思うような裏があるものではありません。(私は森先生の書かれた文章について修正をしてはいません。)

(注2)
紡木たく先生の作品。『別マ』作品での単行本売り上げNo.1。14歳といえば、「ホットロード」。というくらいの認識が、リアルタイム世代ではない私の世代にもあり、中2(14歳)の時に私も読みました。
中学生になってから、少女漫画の過去の名作をよく読むようになっていましたが、この作品というか、紡木たく先生の作品だけは生理的に駄目です。(「輝きもせず」をはじめ、結構読んだのですが、どうしても共感できないし、感動できない。)
だから、「マリンブルーの風に抱かれて」の「ホットロード」路線の部分は苦手です。矢沢先生は、亜流・紡木たくなので、反対に全然読みやすいのですが。


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