『りぼん』2002年10月号感想

表紙画像

ひとことのみ。(内容はありません。)

★イベントグッズプレゼント
東京だけの開催ということもあり、最初からプレゼントを前提としていた気がします。(売れたらそれもよしという感じですが、あまりにもあまり過ぎのようなので。)
しかし、イベントグッズの売り上げには多少利益を見込んでいるのはずだから、“イベント=予算が出ていく”ものでしかやはりないんだろうな…

★オリジナルアニメ「ウルトラマニアック」&「満月をさがして」
『りぼん』の全プレへの力の入れ様はかなりのものですが、単発が多いので、読者の継続的な確保よりは、ふろくの延長という意味合いが強いのかも。
応募しても見ないで終わる可能性があり(前の「グットモーニング・コール」と「時空異邦人KYOKO」のオリジナルアニメまだ見てない…)応募すべきか迷ってしまいます。


◆ダイス(椎名あゆみ)
椎名先生を語り出すとかなり熱くなるのでカットさせてもらいます。椎名先生ほどの漫画家が初回で外すわけもなく、キャラは生き生きしているし、エピソードもしっかりしているし、さすがです。
注目はアイドル型のヒロインではない美咲と、これまた普通の少年の武藤。椎名先生が主役クラスに普通のキャラを出してきたところに注目。


◆桜ヶ丘エンジェルズ(高須賀由枝)
連載2回目だからか、面白くない。というか、高須賀先生の作品のツボが私には面白く感じられません。私は高須賀由枝先生は合わないのでしょう。ヒロインがそもそも苦手。諦めモード…(ストーリーも初回は面白いと思ったけれど…)
しかし、今の高須賀先生の絵を見ていると、大塚由美先生の「ピースな奴ら」の連載当初の絵の変化を思い出す…(おでこが広くなって、ヒロインの幼児化&元気いっぱいみたいな…)


◆愛してるぜベイベ★★(槙ようこ)
2002年8月号に続いての「愛してるぜベイベ★★」カラー3ページです。カラー3ページってやっぱりいいです。(カラーについては、『りぼん』2002年11月号感想、参照のこと。)
巻頭カラーでもカラー3ページが復活していますし、ふろくにカラーをさくなんてことに今後は流れてないでほしいものです。
表紙以外漫画でのカラー(P65)が槙先生の作画レベルと比較してかなり落ちているの見ると、カラーを描かせてなかったからこんなことになってしまうんだとか感じてしまいました。


◆満月をさがして(種村有菜)
今月号で一番面白かったのは、P165の4コマ目でした。若き日の若王子と、いつも人の鞄にゴミをいれるらしい葉月キャラのユニークさが感じられて、P165の最後のコマもいいエピソードだなと思いました。

相変わらず、大重さんと社長の不倫の設定に何の意味があるのかとか(不倫をしていてもかまわないのですが、ストーリーの面ではセックスシーンいれてまで誌面を割く意味がない気がしてしまいます。単に描きたいから描いただけのように思えてしまいます。)、P152は満月がエスパー化しているとしか思えないのに、満月が平然と若王子に答えて(普通ビルのガラスがあんな風に割れたら驚きます。)その後の混乱も描かれないし、P159では満月は納得済だったりと変なととろが多いのですが、矛盾を上げだしたらきりがなく、ツッコミどころも満載で、パクリ問題が常にあることが、すでに種村先生らしいところのような気がしています。


◆MAXラブリー!(倉橋えりか)
作品から、悪趣味さ・品がなさが感じられる時がままあるのがとても嫌です。「GALS!」との一番の違いはこの部分だと思います。キャラは悪くはないと思うのですが、いかんせん作品に品が。。

とりあえず、事件の予感という回だったのでストーリーに関しては特に何を言ってもという感じですが、菊川怜が菊川玲になっていたので単行本では修正して下さい。


◆ウルトラマニアック(吉住渉)
ジョバンナ王子がおたのしみ祭で「ウルトラマニアック」に関して、次号急展開ということを言っていましたが、まあ確かに。
今月号の山場のP248の展開は「星の瞳のシルエット」(柊あおい、RMC全10巻)(注)、正確には「花ぶらんこゆれて…」(太刀掛秀子、集英社文庫コミック版全2巻…幼なじみ&泥沼三角関係ものの原点の作品。)でしょう。
吉住先生は泥沼を描けないので、その点では違います。しかし、この手の話は泥沼化している方が盛り上がるエピソードなので、最近盛りあがって読んでいただけに、この部分だけ急に冷めてしまいました。亜由、仁菜、架地が泥沼化するとは思えず、他の部分はとても楽しいのでさらっと流れてしまうのではないかと思いますが。(吉住先生はキャラの関係構築に関しては、超一流ですが、泥沼に関しては三流。ヘビーな人間関係をさらっとエンターテインメントというのが吉住先生の何よりの売りだと思います。)


◆ともだちだから…(ミトウナオキ)
ネームのイメージで『ぶ〜け』の作品を読んでいるうような印象。上手いのだけれど、面白いのか?という部分がある方です。

作品全体の中で印象的だったのは、オノマトペ。ミトウ先生の作品の雰囲気の半分はオノマトペによるところが多いように思います。
P226、227の丸で囲んたザワ、P260〜263の丸で囲んたミーン、P267のコツ、P271のコツとミーンのダブル、P272のワイ。漫画の手法としてはありますが、『りぼん』ではあまり使われてない手法でしょう。
同じく、全体にわたるきっちりとした字での描き込み。通常はもっと流した字で描くでしょう。これもあるにはある手法ですが、書体を活かす手法は今の『りぼん』では珍しい方法です。
オノマトペで最も印象的なのは、くしゃみ。P260の“へっくしょい!!”からはじまって、P267の“ひえっくしょい!!”までの1センテンスをオノマトペでまとめています。
1シーン、1カットをオノマトペで演出するのが通常の手法ですが、1センテンスをオノマトペでまとめるのは珍しい手法だと感じました。

反対に、オノマトペ・描き字がないページは表紙を除いた39ページ中、P259、P266、P269、P277、P280〜282、P287の8ページのみ。
オノマトペ・描き字がないページは内面を表現する部分と現実との会話がある丁度中間的なシーンが多いように思います。内面に入りすぎると、反対に画面転換にオノマトペを使い、現実部分の表現にはオノマトペを使っているように感じます。

コマ割りとしては、細かい部分では、P260の5コマ目と6コマ目の間、P2771コマ目と2コマ目の間。これのコマ割りは最近『りぼん』では見てない気がします。単に時間分節している効果しかないわけですけれど、めずらしいです。
大きな部分は、縦使い。P269、P265の最後のコマ、P277の4コマ〜P278の2コマ目まで、P281、P285〜286、P289〜291、P294と重要箇所で多用が見られました。横使いが好きな漫画家はたまにいますが、縦使いが好きな方は珍しいと思います。

上手いと感じたのは、“蓋”に絡むネーム&エピソードの絡み。P289は丸々1ページを心象表現に使っていたので、ここで失敗できないというところだと思いますが。(これも変わった表現です。)
反対に下手だと思ったのは、全体的な重さ(特にキャラの絵)。例えば、P292、P293は最後なんだからもっとすっきりまとめてほしかったです。

前作「サクラ・サクラ」を読んだ時にはイマイチだと思ったので、とりあえずいい作品で本誌に載り込めてよかったのではと思います。作品の題材としては、「サクラ・サクラ」の方が何倍のいいと思いますが、絵・コマ構成・キャラの作り込み・心象表現、つまりネームがいま一つでした。「サクラ・サクラ」系の話(進路絡み)はすんなりキャラの気持ちが前に進んでは駄目で、一度振りかえる、立ち止まる、考え直すという表現が必要なのです。(それがあるから悩みを乗り越えることにつながる。)大きなハードルをストーリーの中での起伏がなく、前にす〜っと進んでいるようで物足りないものでした。

「ともだちだから…」はテーマは新鮮味がまったくありませんが、「サクラ・サクラ」で問題視した部分がすべて上回っていたと感じます。
ただし、作品の構成力・ネーム・コマ割りと比較して、キャラの絵の魅力がかなり劣って感じられました。(別に新人だと思えば低くはないのですが、他の部分はかなり力があるので。)丁寧な書き込みで絵の欠点をある程度はカバーはできますが、それにしてももうすこしほしいと思ってしまいました。絵そのものの魅力を高められるような努力、工夫を期待したいです。

(注)
最近、「星の瞳のシルエット」を一話読み返したのですが、(単行本ではなく当然『りぼん』で)、当時の異様な盛り上がりをたった一話で思い出してしまいました。

読み返したのは、1988年6月号、表紙&巻頭カラー「星の瞳のシルエット」です。
映画館の前で出会った“久住&真理子”と“司&香澄”。→“久住&真理子”の前から司は香澄の手を引き逃げる。(それをじっと見る久住)→香澄が久住の気持ちを知っていたことを知る司。→思い余って香澄を抱きしめる司・司を振り切る香澄。→久住の様子に複雑な真理子。→自分が司の初恋だと知る沙樹。→真理子とのデートの帰り、すすき野原でうずくまる香澄と出会う久住・久住の胸でないてしまう香澄→つづく
これを面白いと思わないでどうなるんだというくらい息をつかせぬ展開です。「星の瞳のシルエット」の連載時の異様な盛り上がりを星の瞳世代の私は忘れられません。

ちなみに、「星の瞳のシルエット」の作者の柊あおい先生は、映画「耳をすませば」「猫の恩返し」の作者です。(「耳をすませば」は『りぼん』の作品です。)
『りぼん』の出身漫画家の中では、スタジオジブリの名を冠してアニメ化に最も成功している作家といえると思います。(テレビで記者会見をみて、柊先生のお顔をひさぶりに拝見いたしました。)


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