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5.BSマンガ夜話レポート

2000年11月1日、BSマンガ夜話で一条ゆかり先生の「正しい恋愛のススメ」が取り上げられました。番組に私なりに、突っ込みと解説をいれたレポートです。

番組では一条ゆかり論ということでは、深いところまではいかなかったので意外性のあるような意見は少なかったのですが、一条先生の良さは十分に論じられていて満足できました。

4.“少女マンガ界の女王”

一条先生はいろいろに形容されますが、最も多いのが“少女マンガ界の女王”だと思います。かくいう、私も「一条ゆかりあらかると」の紹介文に利用しています。では、一条先生はいつからこのように呼ばれるようになったのでしょうか?

私が見た中で一番古いのは集英社漫画文庫「風の中のクレオ」(初版・1976年12月31日)の作者紹介に「少女まんが界の女王といわれる」と記述されているのが最初です。デビュー8年目にはすでに“女王”だったというわけです。

他にも、“巨匠”(集英社コミックニュースヴェブ)、“トップをひた走る異端児”(婦人公論)、“恋愛まんがの大家・恋の哲人”(PUTAO)、“永遠のスーパースター”(CREA)、“不死鳥”(ぱふ)、“少女漫画界の美空ひばり”(AERA)などたくさんの敬称があります。ちなみに、友達からは“ゆかりちゃん”と呼ばれているようです。

当然のことながら、“少女マンガ界の女王”と呼ばれるのは、少女マンガの王道を突き進み、常にトップに居続け、作風は常にゴージャスというところからきています。少女漫画家で一条先生以外に“女王”と呼ばれる人はおらず、浸透しているというのが、一条先生のすごいところでしょう。

3.エッセイマンガ

一条ゆかり先生は、現在のように多くの作家がエッセイマンガを描く以前からエッセイマンガを描かれています。今も、『YOUNG YOU』と『メロディ』でエッセイマンガを連載中です。

少女漫画家のエッセイマンガのネタはこの不況のご時世に合わないバブリーな内容ばかりです。また自慢話が中心になりがちなため、エッセイマンガは実は作家が嫌われる原因にかなりなっているのが現状です。一条ゆかり先生も例にもれず、バブリーな内容に自慢話の連続なのですが、嫌われている率が低いように思います。

現在、一条先生が一番反感を買うのは「男にもてる」という部分だと思います。女はもてる自慢には敏感ですから仕方がないのですが・・・ 一条先生は昔よりも今の方がこの点に関してあけっぴろげになっているように感じます。しかし反対に昔ほどには誇張して描いていないように思います。しかし。このような作風の変化よりも、読者の年齢層が上がったため、一条先生の話に笑えなくなっているのかもしれません。

しかし、一条先生のエッセイマンガは、作品と一条先生自身を重なる点が反対に魅力になっているので人気があるのだと思います。どんなにバブリーでも「一条先生らしい」となってしまうのです。

そして何よりも、エッセイマンガが面白いとかいうことではなく、普段の作品が面白いからだと思います。読者とは冷たいもので、マンガが面白くない、描いていない過去の栄光にすがっているだけの作家のエッセイマンガには風当たりは冷たいものだと思います。売れている時にはどんな内容のエッセイマンガでも楽しいと思っても、売れなくなればよほどの才能がないかぎり、エッセイマンガを喜ぶのはファンだけで、ただの読者にとっては反感を買うだけのこともありえます。その点、一条先生は、人気連載の合間をぬってのエッセイマンガの掲載ですから強いのです。

2.未完の大作「5愛のルール」

一条ゆかり先生の作品でもっとも謎に満ちているのは「5愛のルール」でしょう。1975年5月号〜12月号に『りぼん』で連載された、一条先生唯一の未完の作品です。

一条先生は「有閑倶楽部」「こいきな奴ら」といった形の作品を除いて、発表された作品は作品を書き上げられています。だからこそ、未完の作品の存在は気になるのです。

「5愛のルール」は、「デザイナー」と同様に広告業界を舞台にした仕事をしているヒロインの作品です。「5愛のルール」が発表されたのは、不定期に連載された「こいきな奴ら」の間、連載では、「デザイナー」と、「ティータイム」の間です。『りぼん』でもかなり人気もあったらしく、連載開始から5ヶ月連続で巻頭カラー、最終回も巻頭カラーでした。

第1部終了となる1975年12月号からは、第2部をすぐに書くつもりがあるようなふしを感じ取れます。第1部がかなり盛り上がったところで終わっているために、単行本未収録作品であるにも関らず、今でも「5愛のルール」はファンの間では忘れられない作品になっているようです。

第2部がなくなった原因はわかってはいませんが、一条先生が「BSマンガ夜話」の「SLAM DUNK」の回のゲスト出演で、「SLAM DUNK」の続編があるのかという話題になったとき、

ちょっと休んでね。そのうち描こうと思って休もうとおもったと思うの。それで休んじゃったら、もう戻れないと思う。一旦ね。自分でね。火を消してしまうと、もうこの勢いに戻れなくなると思う。

というコメントをしています。モチベーションが下がってしまったということも、原因の1つにあるのかもしれません。

「5愛のルール」の詳しいストーリーを知りたい方は、ぽいママさんのサイトの1ページ、5愛のルールあらすじを参照していただければと思います。
(文庫化決定!2003年8月8日発売予定)

1.ファン像

一条先生はネット上よりも、実際の方が人気がはるかにあるように思います。もちろん、マンガ関連ページで一条先生の話をすれば、必ず反応があります。しかし、一条先生のファンは、マンガ関連のページを作ったり、ページを回ったりする人が少ないのではないでしょうか?

漫画の濃い話をするのではなく、日常的な話題で盛り上げるところが、マンガが好きで読みつづけているのだけれど、濃いマニアではないという“集英社少女マンガの読者=一条ゆかり先生の作品の読者”の姿のような気がします。


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