◇◇◇ 「BSマンガ夜話」レポート ◇◇◇

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「BSマンガ夜話」第16弾ラインナップ紹介・あいさつ
  (略)  
大月: というわけで、今日は二日目。(略) 目指せ、少女マンガ界の山田五十鈴(注1)。一条ゆかり先生のご登場でごさいますのでご期待下さい。 (注1)
一条先生は有名人に喩えられることがあります。
小椋冬美先生は「いつまでも現役でいようとするところ。なんだかジュリーのようで。」
(『ぱふ』1983年12月号)といわれていますが、「昔はジュリーが好きだった。」(一条ゆかり「おしゃべりな唇」)ということを知っていたのでしょうか?
また、「少女漫画界の美空ひばり」
(『AERA』99’1.18)というのもあるのですが、新谷かおる先生が「まさに不死鳥のような人です。」(『ぱふ』1983年12月号)と言われていて、“不死鳥=美空ひばり”と連想できたくらいで、実際に「美空ひばり」と形容されたものを私は見たことがありません。
一条先生はいろいろに形容されますが、最も多いのが“少女マンガ界の女王”だと思います。私が見た中で一番古いのは集英社漫画文庫「風の中のクレオ」
(初版・1976年12月31日)の作者紹介に「少女まんが界の女王といわれる」と記述されているのが最初です。デビュー8年目にはすでに“女王”だったというわけです。
他にも、“巨匠”
(集英社コミックニュースヴェブ)、“トップをひた走る異端児”(婦人公論)、“恋愛まんがの大家・恋の哲人”(PUTAO)、“永遠のスーパースター”(CREA)など有名人以外にもたくさんの敬称があります。
ちなみに、友達からは“ゆかりちゃん”と呼ばれているようです。
ゲストの紹介・あいさつ(大江千里/わかぎえふ)
  (略)  
大月: 意外と一条先生って少女マンガとか論じられるときには(略) 能書き言うオッサンの目から割と外れているんですよね。割と大島弓子さんとか、竹宮惠子さんとか、早くからよう言われていますけれども、一条先生を論じているものをあんまり見たことない(注2)と思うんですけれど、今日はその辺じっくり語ってみたいと思うんで、よろしくお願いいたします。 (注2)
漫画には素人のゲストの2人には、この大月さんの言葉がどのように理解されたのでしょうか?
一条先生は昭和24年生まれながら、“24年組(昭和24年前後に生まれ、70年代に少女漫画を革新した漫画家たちの通称)”
(『COMIC BOX』1998年8月号)に最初に挙げられる漫画家には含まれてはいません。(萩尾望都・竹宮惠子・大島弓子・山岸凉子・木原敏江先生がまず挙げられる。)
男性の評論家による少女マンガ評論は24年組から始まったものなので、24年組にそう含まれることはない一条先生の作品は、マンガ評論で取り上げられたものは少ないのです。
しかし、女性による漫画関連本
(荷宮和子「少女マンガの愛のゆくえ」、横森理香「恋愛は少女マンガで教わった」、藤本由香里「私の居場所はどこにあるの?」)では必ず大きく取り上げています。
レギュラー陣の紹介・あいさつ
いしかわ: 一条家はですね。家から歩いて2分(注3)くらいのところにあるですよ。敷地の面積も同じくらいなんですよね。単行本の売れ行きは100倍くらいかな。 (注3)
一条先生は漫画家が多く住んでいることで有名な吉祥寺に住んでいらっしゃいました。(現在は、西荻窪に引越ししました。)いしかわさんも同じ吉祥寺ということで、近所ネタとなりました。(岡田さんも吉祥寺。)
一条家の外観を見たい方は、「一条さんちのお献立て」を読みましょう。
  (略)  
夏目: 昨日がですね。やっぱり、本来、週刊連載で読むべきものだとすると、今日はたぶん、これ、単行本でまとめて読んだ方が面白さがわかる本(注4)じゃないかと思います。 (注4)
私は『コーラス』は購読していないので、単行本で新刊を心待ちにしていた読者なので憶測しかできませんが、「正しい恋愛のススメ」をはじめ一条先生の作品は月刊誌で読んでも面白いと思います。
夏目さんが単行本の方が面白いという作品の基準は、「絵の密度が異常に高く、言葉の要求する深度が深すぎる。単行本で読むべきものだ。」
(夏目房ノ介「マンガの力」)だそうですが、一条先生は作品をずっと月刊誌に発表されてきたので、読者の引き込み方など心得ていると思いますし、週刊連載が多い少年マンガの感覚で、少女マンガを判断するべきではないと思います。
月刊誌でも単行本でも面白いという中立の位置に一条先生の作品はあるのではないかと私は思います。
作者のプロフィールと作品のストーリー
  デビュー以来34年。華麗な絵柄と緻密な構成で、常に少女マンガ界に君臨し続ける(注5)一条ゆかり。特に「有閑倶楽部」は、幅広いファンを獲得し、講談社漫画賞を受賞しています。(略) (注5)
画面で、デビューがりぼん新人漫画賞の「雪のセレナーデ」ではなくて、単行本デビューの「雨の子ノンちゃん」になっていました。
いしかわさんはりぼん新人漫画賞の時をデビューと言っていて(これが普通当然)、統一してほしかったように感じます。
“君臨する”という表現は、少女マンガ界の女王様といわれることからの表現のような気がします。
視聴者からのFAX&E-mailコーナー
  (略)  
フリートーク1
  (略)  
大月: クラスのお友達で、読んでいた人いました? (注6)
いしかわさんと大江さんでは、60年代後半から70年代前半にかけてという同時期の『りぼん』を読んでいてもその年齢はあまりにも違う(いしかわさんは大学生くらい、大江さんは小4くらい)一概には、珍しいと言い切れないのではないかと感じました。
のがみけい先生の「ナイルの鷹」・「風よ雲」などのスペクタクル作品は、男の子には受け入れやすかったように思うのです。濃いマンガ読みであったいしかわさんの基準と、小学生の基準とは違うように感じます。
大江: いました。(略)俺は「のがみけい(注6)だ」とか。
いしかわ: 男でのがみけいは珍しいよね。
  (略)  
大月: やっぱり、他の少女漫画(略)とは違いありま
した?
(注7)
「細野みち子と北島洋子も活躍した時代、もっとも最先端の洗練されたかわいらしい少女マンガのスタイルによって人気を得たわけだが、その後、次々と輩出してきた戦後世代の台頭によって、古手の位置に追われていった。」(「少女マンガの世界 II」)
北島洋子先生のお名前も、「スイートラーラ」という作品を『りぼん』でヒットさせたという事実も知っていましがが、リアルタイム読者の口から語られると説得力があって嬉しかったです。このために、わかぎさんはゲストで呼ばれたのだろうし、当たり前と言えば当り前なのですが。
わかぎ: 全然違う。その前に北島洋子さんっていうちょっとかわいい「スイートラーラ」(注7)というマンガ書いていた。
いしかわ: ちょっと世代上のね。
わかぎ: 小学校低学年のときには、おしゃれの代表という方だったのんですけど、その方にみんなすごい憧れていたんですけどが、一条さんが出てきたら、ちょっと(略)今っぽい、おねいちゃんっぽいみたいなあれで。バーンってみんな。
大月: ちょっと大人っぽい感じがあったんですね。
わかぎ: ゆうたら、その当時の流行の着た娘が出てくる。それまで少女マンガって、こんなパフスリーブのね。もういい加減にせーよって格好していた。(略)お話はほとんど覚えてないいですけれど。ただかっこーええなー、みたいな。そのまんま「デザイナー」ってマンガ描いてはるじゃないですか。(注8)あれにそのまま集約されるような、いうたらもう、レースビラ〜ってしているよりは、すきっとしたスタイルのものをダーっと描いてはって、それを着ている娘と顔とがようおうてるはみたいな。格好を楽しんでいたんですよね。 (注8)
「その後74年には、『モンシェリCoCo』と人気を二分した一条ゆかりの『デザイナー』が登場するが、パリのシックにアメリカの自由さをブレンドしたようなココのスタイルとは対照的に、『デザイナー』の亜美のファッションには、当時の日本のお金持ちが通う、銀座か赤坂あたりの高級ブティックを彷彿させるドメスティックさが漂っていた。」(『CREA』1998年1月号)
私が「デザイナー」を始めて読んだのは高校生の時でした。ストーリーには度肝を抜かれたので強い印象があるのですが、ファッションに関しては「こういうのが流行っていたのかな」という程度で、ファッションショーなどのシーンのキレイさの方がインパクトがありました。
大月: そういう一条読みていうか、一条ものの眼から見て、この「正しい恋愛のススメ」という作品はどういう印象を。 (注9)
一条先生は、「デザイナー」はもちろん、「有閑倶楽部」などでも、キャラ毎に明確に服を描き分けられていらっしゃいます。
私は一条先生の作品に出てくる服を着たいと思ったことはありません。それはつまり、服を見て憧れるということはないのですが、それぞれのキャラに本当に服を合わせているという事実には、ファッション誌を見てキャラに着せているだけではないキャラのすべてを自分のものとして描かれているのかなと感動してしまいます。
わかぎ: (略)久しぶりに読ませていただいたんですけれど。ちゃんとお金かかった格好と、お金かけへん格好とに描き分けられてて。(注9)それはすごいな〜と思いましたよ。(略)
  (略)  

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Presented by Eiko.