是非お読みください!!
バーサーカードラッグ
その1 悪夢の始まり
作:ダークバロンさん
三日後…工藤邸
新一は自らの悪夢にうなされていた…事の始まりは阿笠邸で宮野達の話を聞いた直後から始まっていた。
最初は只の夢から始まっていた…新一にとっては悪夢でもあったが…
その夢とは…自らの独占欲に負け、毛利蘭を誘拐する自分…そして蘭に自分以外の男を見るなと要求する自分…そして自らの欲望の赴くまま、蘭をモノにしていく、蘭はそんな新一にショックを受け心を破壊され只の肉便所と化していく…そして、そんな蘭を見てようやく正気を取り戻した自分が発狂する…そして目覚めるのだ…自分の出した悲鳴に驚いて。
しかし、そんな新一の変化に気付く者は一人として居なかった…服部と宮野は新一自身が自信たっぷりに“大丈夫だ”と言ってしまった為、恥ずかしくて新一がこの事を言わなかった上に、二人ともこの一件の当事者として事情聴取を受けていた忙しさもあって気付く事は無かった。
だが、それから三日経った今日新一の前にある物が送られてきたのだ。それは彼自身が全く見に覚えが無い代物であったが、生来の好奇心と彼とその両親しか知り得ないはずのカードの口座からの引き落としであった事から受け取ってしまったのだ。…それが、新一を更なる悪夢に引きずる代物とは気付かずに…
箱は二つあり、大きい方は大型テレビが入るぐらいの大きさ。小さい方には“ワレモノ注意”と書いてあり、大きさは大体30×25×18cmと言った所…
新一は取り敢えず大きい方から開けてみた…そして絶句した…
中に入っていたのは、一着の奴隷服(ボンデージ)それも胸の部分が強調された代物…
(胸のデカイ蘭が着たら似合いそうだ…ハッ!!!な、何を考えているんだ俺は!!!)
新一は一瞬そう考えた自分に気付き、慌てて否定した…
気を取り直し、更に中を調べると…ボールギャグ、4つのリストバンド(SM用)、鞭(当然SM用)、2mの荒縄3本(もちろんSM用)、首輪(人犬用と書いてある)、さらに…
「なんだこれ?緩衝材?!ワレモノが入っているのか?」
新一はウレタンの箱を恐る恐る開けた。中に入った物を見て更に驚いた…
「こ、これはひょっとして…」
そう…中に入っていたのは、巨大な注射器。しかも…
「グ、グリセリン?!!つーことは…?!!!」
新一は自分の考えに恐怖した。当然だ…グリセリンといえば浣腸液の主成分である…高校生探偵を自負する自分でなくても気付くと言う物だ…この巨大な注射器の用途を…さらに…
「おいおい…ちょっと待てよ…」
新一がそうボヤクのも無理は無い。その薬液(グリセリンが入ったビン)の事を書いたチラシによると…“今ならお得!1ガロン(約3.78リットル)お買い上げのお客様に1クォート(1ガロンの4分の1…約1リットル)増量中!!!!”と、書いてあったのだ…つまり、合計で1.25ガロン(ほぼ5リットル)有るとい言う事…更に…
「これは…?!」
さしもの新一も知らない物が出てきた…それは何かを作る為のセット。新一もそれが何なのか判らず、取り敢えず説明書を読んでみた。
「えー…なになに…………………」
新一はそのまま絶句した…無理も無い、それは自分の男根(ペ○ス)の型を取り、自分の物と同じ大きさのバイブを製作するセットであったのだ。
大きい方の探索を終えた新一はふと気が付いた…
「ちょっと待て…大きい方に入っていた物はこれだとすると…?!!」
そう…大きいほうがこんな物である。ならば小さい方は…?
新一もさすがにためらったが、ここまで来たら後に引けないと言った心境になり、小さい方も開けてみた…
中には…緩衝材と思われる丸められた新聞紙。新一はそれをゴミ箱に捨てながら中身を調べた。すると…
「な、なんだぁ?!!また注射器ぃ?!」
そう…今度は通常の医療用の注射器が入ったプラスチックの箱しかも三本分(針もある)。さらに…
「………!!!!!こ、これは……?!!!」
新一はさすがに顔面蒼白になった…当然だ。そこには各種(それこそ粉薬からチューブ式まで)いろいろなタイプの発情促進剤(つまり媚薬)が入っていたのだ。さらに…
「こ、これ…経口避妊薬?!!!」
そう、それは何十錠もの避妊薬も入っていたのだ。こんな物を誰に何の為に…新一は判りきった答えを遭えて考えようとしなかった。
全ての探索を終えた新一はしばらくの間呆然としていたが、ふとある事に気が付いた。
「ちょっと待てよ…こんな物俺は頼んだ覚えねーし、それにどうやってこんな物を注文したんだ?」
新一は自分で出した疑問の答えを自分のパソコンに求めた…そのパソコンは本来海外にいる両親にEメールを送ったり、父の過去に暴いた犯罪データ(コナンになっていた時阿笠博士が管理していた)を検索するのに使った物…
新一は早速メールソウフトの送信記録を調べてみた…
「俺が注文したなら受信欄に残っているはずだ。」
そう…新一がこんな物を通販で入手する為にはインターネットでその手のホームページにアクセスし、注文しなければならないはずだ。当然、ちゃんとしたサイトなら確認のメールが届いているはず。そして…見つけた。
「宮野の言う通り、やっぱちょっと甘かったか…」
新一はそう自嘲気味に笑った。しっかり残っていたのだ…受信欄に注文の確認と利用を感謝するメールが…
「しかも、わざと残してやがる…あのやろー…」
新一はそう呟いた…そう彼自身の闇である“ジュニアバロン”もまた薬によって出来た人格とは言え、新一である事に間違いは無い。つまりメールを消して証拠を消し去る事など朝飯前のはず…
「わざと証拠を残して自分の存在をアピールしたな…だが!ぜってー負けねーぜ!!!!お前の手から蘭を守って見せる!!」
頭に血が上った新一は気付いていなかった…既に自分の闇であるジュニアバロンの策略にはまっていると言う事を…
更に二日後の夜、毛利探偵事務所の三階…
蘭はここ最近孤独と絶望感にさいなまれていた…理由は簡単、この一週間ほとんど誰ともあっていないのだ。
それは新一(正確には“ジュニアバロン”)の策略による物だった…彼はコナンの時に使っていた蝶ネクタイ型変声機を悪用し毛利小五郎、妃英理、鈴木園子、そして遠山和葉を罠に掛けたのだ。やり方は非常に巧妙だった…まず、小五郎と英理を深刻な夫婦喧嘩の状態にした(二人の声を使ってそれぞれに喧嘩を吹っかけた)。小五郎はそうなると、酒や麻雀にうつつを抜かす様になり、蘭どころでは無い様になっていた…(本来止めに入るハズの蘭が落ち込んでいる為、歯止めが利かなくなっていた)
遠山和葉は服部平次が戻ってきた時点で(概略を平次から聞き、蘭を慰めていた)工藤新一が戻って来ていると思い込み、邪魔をしてはいけないと連絡をわざとしない様にしていた。無論、新一は一度も(組織を潰してからは)蘭に遭っていなかった…遭えば欲望(ジュニアバロン)に負け蘭を襲ってしまいそうな気がしていたからなのだが…
鈴木園子は京極真とデートに浮かれていた為(これも新一が裏で暗躍していた)、蘭の事をすっかり忘れていたのだ。無論、彼女はそこまで白状ではない…なぜなら、蘭自身からもうすぐ新一が帰って来ると嬉しそうに話していたせいでもあったが…これは新一がまだコナンの時に最後の戦いに赴く前に、蘭を元気付ける為に言ったのだが…
そんな理由もあってか、蘭は一人で自室に閉じこもり泣いていたのだ…
「新一ぃ…早く戻ってきてよぉ…私もうもたないよう…」
蘭は新一が既に帰って来ているとは知らずにむせび泣いていた…ジュニアバロンの策略にはまり、男勝りの気が強い空手の都大会チャンピォンにして帝丹高校の空手部主将の蘭は抹殺され、蘭本来の寂しがりやで、泣き虫な処を剥き出しにしていた…
そう…新一は蘭の為に遭わないように努力していたのだが(遭えば蘭を襲ってしまうと恐れていた)、それはバロンの手の平で踊っているような物だった。
同じ頃…
新一は父親が日本に残した車を使い(免許はハワイで国際免許を取得していた)今日送られてきた物を処分しようと車を親の購入した別荘に走らせていた。
(いくらなんでも、不法投棄は不味いな…見つかったらスキャンダルになるし…)
新一がそう考えるのも無理は無い。何しろ今捨てようとしているのは、二日前に来たあの二つの箱…見つかれば高校生の自分が見つかるとヤバイ物を不法な方法で捨ようとしている文字通り大スキャンダル…自分は自業自得だが、両親をこんな事に巻き込めない…そう思って取り敢えず別荘に隠そうと考えたのだ。
別荘に着くと早速鍵を開け二つの箱を目立たない場所へ置いた。
「これでよしっと。後は“ジュニアバロン”を消してから考えるとするか…」
新一はそう呟くと別荘を後にした。だが…実はこの別送こそジュニアバロンが毛利蘭を調教し嬲りモノにした場所になる…
その日の深夜、工藤邸にて…
新一が車で家に戻ると、玄関先に蘭が居た。新一は驚いて車から飛び降りた。
蘭「遅かったね…待ってたんだよ…」
新一「蘭…?お、おめー…?」
新一は混乱していた。当然だ…長い間事件で行方を晦ましていた自分がひょっこり帰って来たのだ。なじられ、罵られ、泣かれると思っていたのだ…それが微笑んでいるのだ…さしもの名探偵工藤新一にも理解できなかった。
新一「な、何で…?」
蘭「服部君から全部聞いたよ…」
新一「ぜ、全部…?」
蘭「今まで、新一が何所に居たのか、如何して5日も前に戻ってきてるのに私に会おうとしないのか…全部。」
新一「なっ……!!!!!」
蘭「あのね…」
蘭の回想…新一が別荘に行っている頃の毛利探偵事務所の三階…
蘭がむせび泣いている時、不意に自宅の電話が鳴り響いた。蘭は新一からの連絡かもしれないと思い急いで電話に出た。
蘭「も、もしもし…新一?」
平次『ねーちゃんか?おっさんは?』
蘭「服部君?!お父さんなら…多分呑みに行ってると思う…」
平次『ねーちゃん…泣いてるんか?』
蘭「ねえ…服部君…新一何所に居るか知らない…?」
服部はその会話で全てを理解した…宮野から“バーサーカードラック”の事を聞いていた事と西の名探偵と言われた推理力を駆使して今の新一と蘭の状態が判ったのだ。
蘭「は、服部君…?」
平次『ねーちゃん…今から言う事をよー聞きや…』
蘭「えっ?!!」
服部はそう言って全てを告白した…
蘭「それでね…ここで待ってたら、宮野さんが来たの…」
新一「宮野が…?」
蘭「うん。それでね…」
回想…少し前の工藤邸玄関先…
蘭は服部から全てを聞いた後、急いでここに来たのだ…ひょっとしたら新一は闇(ジュニアバロンの事)に負けた自分を責め自殺を計ると思っていたのだ。そしてその不安を煽るかのように工藤邸は不気味な沈黙を保っていた。
「新一…う、嘘だよね…ど、如何して…何で自殺なんか…」
蘭は自分の考えが正しいと思い込み、路上であることを忘れ泣き始めた。その時不意に誰かから話し掛けられた。
「ら、蘭さん…」
「だ、誰っ?!!」
振り向くと、そこに立っていたのは赤みがかった茶髪のショートヘアーの美人…何所かで見た事のある顔と知っているような雰囲気の…
蘭「あ、彼方は…?」
宮野「始めまして…と言うべきかしらね。蘭さん…私が宮野志保…彼方には元灰原哀と言った方が良いかしら?」
蘭「あ、彼方が?!」
宮野「その様子だと服部君から全てを聞いてるみたいね…」
蘭「ええ。」
宮野「悪い事は言わないわ…今すぐここから立ち去りなさい…意味判るわね…」
蘭「でも…」
宮野「服部君も工藤君もあの薬を甘く見すぎているのよ…彼夕方頃ここから車に乗って出掛けたけど、その時の顔は私の知っている江戸川君…いえ工藤君じゃなかった…まるで欲望に刈られた悪魔のような顔…完全にバーサーカードラックに犯された顔よあれは…」
そう言って宮野は蘭を見つめ驚いた…蘭はその話を聞いて驚くどころか微笑んでいたのだ。
蘭「よかった!!」
宮野「…???ら、蘭さん…?!」
蘭「私ね…宮野さんが哀ちゃんだと聞いた時、新一を取られると思ったの…でも安心した…宮野さん勘違いしてる…新一はねああ見えても独占欲強くてね、けっこうスケベでHな処があるの…その“バーサーカードラック”とか言う奴でその感情が強くなっているだけなんだよ。」
宮野「蘭さん…でもね…アナタは人間として扱ってもらえないわよ?犬、いえそれ以下の扱いを受けかねないのよ?」
蘭「どんな扱いでも良いよ…新一が私の側に居てくれるのなら…」
宮野「蘭さん…あなたと言う人は…」
宮野はそう呟くと阿笠邸に戻っていった…説得しても無駄だと諦めたのだ。
蘭「だからね…もう無理をしないで…ね…私で良ければあげるよ…新一。」
新一「本当だな。」
突然、新一の話し方と雰囲気が変った…そうそれは正に…
蘭「し、新一…?」
Jrバロン「いや違うな…あいつ言う所の“ジュニアバロン”さ。」