ダークバロンさんから素晴らしい小説をいただきました♪

是非お読みください!!


 

バーサーカードラッグ

その9 暴走したバロンと蘭の願い

作:ダークバロンさん

 

   

   その翌日の夜、大阪府警本部長室前にて…

  「やっと終わったわ…」

  「そうかしら…。貴方のお父さんが相手だったから、この程度の時間で済んだのよ?他の人だったら軽く2〜3ヶ月はかかっていたかもね?」

 二人は、あの後(正確には蘭が新一の所に行ってしまったあの夜から)ずっとここで事情聴取を受けていたのだ。

 もちろん、新一が阿笠邸にいたときから彼の分まで受ける為に警視庁に通っていたのだが、本格的な事情聴取の為にこの一件における警察側の中心人物である平蔵の処で集中的にやる事になったのだ。

 その間二人は半ば軟禁状態でほとんど徹夜で事情聴取を受け続けていたのだ。

 もちろん、本来こんな事は許されていない…。

 だが、組織の残党が宮野の命を狙っている可能性が高く、またその暗殺者が警察関係者の可能性が否定できなかった為、平蔵は二人の同意の元でこんなやり方をしたのだ。

 もちろん、同席した警察関係者も平次の知り合いや平蔵の信頼の置ける人間だけで構成されてそれ以外で唯一、二人に接触出来る和葉の差し入れで食事や着替えを行っていたのだ。

 もちろん何も知らない部外者対策の為、表向きは大きな事件で平次が府警本部に泊まり込み、その差し入れに和葉が来ている事になっていた。

 そして、ようやく数日ぶりに府警本部から表に出た二人を和葉が迎えた。

  「平次に宮野さん、二人とも疲れてる所悪いんやけど…。」

  「そう思ってるなら、何も言わんと家で寝かせてくれ…。さすがに疲れたわ…。」

  「そうはいかへんねん…。毛利のおっちゃんが大騒ぎしてるんや。」

  「蘭さんが行方を眩ませたって騒いでるのね?」

  「えっ?!な、何で判ったん?」

  「二人には話してなかったけど、大阪府警の迎えが来た夜に蘭さんが工藤君の車に乗って行っちゃったのよ。」

  「えっ?!そやけど工藤君の家はおっちゃんが真っ先に調べたけど留守やったって言ってたで?」

  「和葉…お前は何を聴いてるんや?工藤の車で姿を眩ませたんやったら、日本の何所かにある工藤の別荘の方やで?米花町にあるあの家を調べても意味はあらへん…」

  「ほ、ほんなら、おっちゃんが言うてた誘拐?!」

  「そんな訳あるかい…。もしそうやとしても、この場合は駆け落ちやな。」

  「とにかく、東京に戻りましょう…。毛利さんに事情を説明しないと…。」

  「東京に戻る言うてもこの時間やったら何もあらへんで?平次のバイクを使うん?」

  「俺もこのねぇちゃんも命を狙われとるからそれは出来ひん…。と言うて、オヤジからパトカーを借りるような事やないし…。しゃあないな…。明日の朝一番の飛行機で向こうへ行くと連絡するしかあらへんな。」

 

 

   翌日、毛利探偵事務所3階にて…。

  「警部殿!アタシが何度も言ってます様に、蘭の奴がアタシ達に内緒で家出をし、且つ何日も連絡をとらないなんて可笑しいんですよ!!きっとあのクソ忌々しい探偵坊主が蘭をさらったに決ってるんです!!!」

  「毛利君、少し落ち着きたまえ!!確かに、蘭君が君等に何の連絡も無く行方を眩ませると言うのは考えられん事だ…。だが、だからと言って工藤君が犯人だと決め付けるのは推理の飛躍のしすぎだと思うがね…。」

  「しかし、警部殿…!!」

  「アナタ!少し落ち着いたら如何なの!!!」

  「英理!!お前は何んでそんなに落ち着いていられるんだ!!!」

  「あの子はもう十分自立した大人なのよ?2〜3日連絡が無いからって大騒ぎしすぎよ!!」

  「だがなぁ…。」

 小五郎と英理が目暮を巻き込んで朝から大喧嘩していた。

 その理由は、言うまでも無く新一(バロン)の策略が引き鉄ではあったが、今や蘭が何故勝手に行方をくらませたかでお互いに罵り合っていた。(傍から観れば)

 そこに、平次達が入って来た。

  「おっさん、えらい荒れとるなぁ…。」

  「お、オメーは!!!」

  「は、服部君?!」

  「おっ、警部ハンも一緒かいな…。」

  「彼、何者なの?」

  「服部君だよ英理君。大阪府警本部長の息子さんと言った方が判り易いかもしれんな。」

  「ああ!!大阪の方で噂に聞いていたけど、彼が…。」

  「西の服部平次とは俺の事やで!おばハン。」

 そう言って、自慢げに胸を反らせた平次を和葉がたしなめた。

  「平次!そんな事する為にわざわざ来たんとちゃうやろ!!はよおっちゃん等に事情を説明せな!!」

  「「「事情?!」」」

  「事情と言うより、今回の経緯みたいなもんやけどな。」

 平次のその言葉に小五郎は激怒した。

  「あんだとぉ!!!き、貴様と言う奴は全てを知っていながら指を咥えて観ていただけだとぉ!!!!!」

 今にも平次に飛びかからんとする小五郎を目暮が叱りつけた。

  「毛利君!!!いい加減にせんか!!!!!」

  「警部殿!!止めないで下さい!!!」

  「止めて!!アナタ!!そんな事しても何の解決にもならないわよ!!」

  「英理!!オメーまでそんな事を…!!!!」

 目暮を巻き込んだ醜い争いに今度は平次が激怒した。

  「おっさん!!!エエ加減にしぃや!!!」

  「なっ…?!」

  「おっさん等がそんなんやから、あのねぇちゃんは工藤の所へ行ってもうたんや!」

  「なんだとぉ!!貴様、何も知らん癖に…!!!」

 なおも激高する小五郎を目暮が叱りつけた。

  「毛利君!!ワシは家庭の事情に口を挟むまいと思って黙っていたが、ワシも服部君と同じ意見なんだよ!!!」

 その言葉に思わず絶句する小五郎と英理…。

  「なっ?!」

  「警部さん…。」

  「ワシや工藤君は蘭君に物心がつく頃からの知り合いだからな…。君等がそんな風に何度も喧嘩しているのを観た事があるんだよ。」

  「と言う事は、この手の喧嘩は昔からやったんか…。」

  「その度に蘭君がどれだけ傷ついているのか、考えた事が有るのかね?!」

  「それは…。」

  「そんな昔からねぇちゃんは工藤に依存しとったんか…。」

  「その度に蘭ちゃんは工藤君の所に行ってたんや…。」

  「多分、優作君も有希子君も気付いておったんだな。だが、ワシと同様に家庭内の事として口を挟まなかった…。」

  「工藤もそうやったんや。何も言わんと黙ってねぇちゃんの心の傷を癒しとったんや…。」

  「ほ、ほんなら平次、あの2人は物心ついた時からそないな関係やったんか?!」

  「やろな。多分…。」

 その言葉に沈痛とした空気が辺りを包んだ…。そして、静かに宮野が全てを語り出した…。

  「全ては、工藤君がトロピカルランドで行われた裏取引を覗いた事から始まったの…。」

 

 

 ギシッ!ギシッ!!

 紐のきしむ音が響く…。

 グシュ!ジャブッ!!パンッ!!パンッ!!!!

 淫乱な音を響かせ、吊るされた牝とそれをいたぶる牡の行為が続く…。

 蘭は今、吊るされたまま犯され続けていた。

 両手はリストバンドに通された紐によって吊るされ、両足はYの字に開いたままリストバンドと紐そして、角材によって拘束されていた。

  「ああん!!」「あひぃ!!」

 牡のペ○スに子宮口を小突かれるたびに声を上げ、善がり狂う蘭…。

 彼女のふくよかな双乳はそのたびに前後にゆれ、その口や目から液体が垂れ流され続けていた…。

 バロンは既に常軌を逸していた…。

  「乱れろ…。いや、いっそ狂っちまえよ!!乱!」

  「バ、バロン様ぁ!良いのぉ!!もっと乱れさせてぇ!!!狂わせてぇ!!」

 乱は快感の余り半ば錯乱状態になっていた。

 

 

 全てを聴いた3人は暫し言葉を失っていた。

 だが、いち早く冷静さを取り戻した目暮が宮野に質問した。

  「宮野君。」

  「はい。」

  「蘭君は全てを知った上で工藤君の元へ行ったんだな?」

  「はい。私は止めたのですが…。」

  「なぁ、宮野さん…。」

  「何?遠山さん。」

  「あの2人はもう戻って来ないんやろか?」

  「さぁ…。私に言える事は、あの薬が時間的にも最終段階に入ったと言う事だけ。」

  「最終段階…?なんやそれは?」

  「あの薬が何故、“バーサーカードラック”と名付けられたと思う?」

  「人間を狂わせるからやろ?ちゃうんか?」

  「あの薬自体にそこまでの効能は無いわ…。有るのは欲望を押さえる理性のストッパーを外す事だけ。」

  「ほ、ほんなら…。」

  「狂っていくのはね、良心の呵責に耐えられなくなったから。」

  「どう言う事だね?」

  「今、工藤君は2つの心の狭間で苦しんでいる筈…。」

  「2つの心…?それは一体何だと言うんだね。」

  「ええ。一つは蘭さんをメチャメチャにして後悔している工藤君の良心。」

  「もう一つは…?」

  「もう一つは蘭さんを独占したいと言うどす黒い欲望。」

  「工藤の言う“ジュニアバロン”やな。」

  「そう。そして今、“ジュニアバロン”は消滅の危機に怯えている。」

  「消滅の危機やと?!」

  「ええ。“ジュニアバロン”はあの薬によって生み出された人格だと思っているの。実際は違うんだけどね。」

  「違うんかいな。」

  「当たり前でしょ。薬で人格を作れるならとっくの昔に人類は滅びてるわよ。自分自身の欲望でね。」

  「せやったら…。」

  「問題は彼自身がその人格を押さえつけようとしている事…。それにより、“ジュニアバロン”の方が焦っている筈、薬が切れたらまた自分自身を封じられると思って…。」

  「ほ、ほんなら工藤は今どうなってるんや?」

  「自暴自棄…つまりやけくそになっている状態ね。どうせ消える運命なら好き勝手してやろうと言う感情のまま行動してる筈…。」

  「では、蘭君はどうなるのかね?」

  「如何にもならないわ…。蘭さんはもう身も心も工藤君に依存しきっているから…。」

  「全てを受け入れると言うのか…。」

  「ええ。肉奴隷でも工藤君専用の性液便所でも関係無いのよ。彼女にとっては…。」

 

 

 新一は自分に嫌気がさしていた。

  「く、くそぉ…。ま、まただ…。お、俺はまたオメーをメチャクチャにしていた…。」

  「それが悪い事なの?」

  「オメーは…、オメーは恐くないのか…?」

  「全然。」

  「何故だ、自分自身が消えるんだぞ?自我が崩壊するんだぞ?」

  「同じ事だよ…。」

  「なに?!」

  「だって、私は気付いたら新一しか見てなかったんだもん。新一が居ない間もコナン君に新一の面影を観てたんだよ?何度コナン君が新一だったらと考えたよ?そんな訳無いと自分に言い聞かせながら…。でも…。」

  「でも…?」

  「でも、同じ事だった…。コナン君が新一と認めてしまった今、新一がどう変ろうと関係無いよ…。」

  「蘭…。」

  「私は、新一しか愛せない…。だから…、良いよ…。好きにして…。」

 そう言って、蘭はゆっくりとその意識を手放した…。もう2度とその意思が戻らないかも知れないと言うのに…。

  「蘭っ!」

  「バロン様ぁ…。」

  「なに?!」

  「バロン様ぁ…。乱を…、乱うぉメチャクチャにしてぇ…。」

  「お、オメー…。」

  「最後の薬うぉ…、ここにぶち込んでぇ!!!もっともっと乱れさせてぇ!!!」

 そう言って乱は自ら足をM字に開け、濡れきった蜜壷を指で開いた。

 蘭の余りの変貌に新一は愕然とし、息を呑んだ。そして勤めて冷静に聴き返した。

  「最後の薬って…。」

  「あそこに有るのぉ…。乱の乱れたおまんちょに注射してぇ…。」

 乱の指し示した物…それは、バロンが用意した注射器の最後の一つだった…。

 新一はそれを見た瞬間、全てを悟った。

 蘭は乱れた女(乱)と言う人格を創ったのではなく、彼女自身の淫乱な部分が表に出ただけであると言う事に。

 

                                          続く


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