虎王君へ彼女志願 3


 同じ週の日曜日。

 私は指定された駅前のホテルのロビーにいた。

 今日は朝からエステに行き、全身脱毛と全身エステで身体中を磨き上げた。それから美容院に行きヘアセットからメイクまでして貰ってしまった。そして高くて手が出なかった1点もののワンピースを買ってしまった。おまけに輸入物の総レースの勝負下着‥。給料1ヶ月分があっさりと飛んでいった。


「よく来たな」
 ヒャッ、後ろから突然話しかけられて体が飛び上がった。自分で思ってたより、もっと緊張していたようだ。
「こっこんにちわ」
 立ち上がって後ろを振り返ると虎王くんと彼に隠れるようにくっついてる男の子が目に入った。

「これが冬哉だ。ほら、冬哉挨拶しろよ」
 冬哉くんはモジモジとしていたが、虎王くんにムリヤリ前に突き出される。
さん? こっこんにちは」

 名前は聞いていたのだろうか、そう挨拶してくれる。
 ええっ、こんな可愛らしい子の相手をするの? 無理しなくても彼女くらいすぐに見つかりそうだと思った。もっと女が相手にしないような子を想像していたのに。それでも我慢しようと思っていたのに。


「じゃ、行くか」
 もっもう? 虎王くんはホテルのカードキーを見せ、エレベーターへ向かう。
「そのレモンイエローの服はよく似合ってる」
 どうして。そんなに若いのにどうして一番言って欲しいことが分かってしまうのだろうか。嬉しいような恥ずかしいようなそんな思いで、顔が上げられない。

 暫くしてエレベーターは目的の階に着く。
 えっ、ここって‥。
「入れよ」
 ドアを開け私と冬哉くんを招き入れる。
「こっ虎王先輩‥。ここって高いんじゃない?」
 その部屋はきっと新婚旅行でもない限りは、一生泊まることはないだろうスイートルーム。
「ん? そんなことはない。上から3番目くらいの部屋だ。冬哉の記念日になるからもっといい部屋でも良かったんだがな。さすがにあんまり無駄遣いが出来なかった」
「さっさすが」

 なんだか納得してる冬哉くんは、戸惑ってドアから離れられずに居る私にそっと耳打ちしてくれた。
「虎王先輩って社長令息なんだよ。この言い方は似合わないけどお金持ちのおぼっちゃま。カードで好きなことしていいんだって。だから気にしなくていいと思うよ」
 ニコッと笑う顔はほんとに可愛らしくて。こんな可愛い高校生のお初の相手が本当に私でいいのだろうか。そんな心配をしてしまう。


 それにしても顔良し、頭良し、家柄良し、でおまけに背も高くて、運動能力も人一倍で、天は二物を与えずなんて言うのに、全てを兼ね備えてるってどう言うことだろう。
 もし私が社長令嬢でとびきりの美人でスタイル抜群で、頭も切れて人を惹き付ける何かを持っていたら。そしたらどうしてただろう。
 ちょっと考えてみたが残念ながら思想が貧困なのか、せいぜい芸能界にデビューする、くらいしか思いつかなかった。だって全てが揃うなんて夢の中でも考えられなかったのだ。

 物珍しそうに部屋中を探索してる冬哉くんを、楽しそうに見ていた虎王くんは充分に時間をおいてから命令する。
「冬哉、お前シャワー浴びてこい」
「えっ‥」
 瞬時に顔を真っ赤に染めて冬哉くんはバスルームへ消えた。

 部屋は全てがオレンジの暖色系で統一されてシンプルだけど高級感があった。そしてベッドとテレビの間をすり抜けるように歩く、なんて所と違ってダブルベッドの他にはちゃんと応接セットがあり、2人で並んで歩ける空間がたっぷりとあった。

、来い。ここまで来て逃げられると思うなよ
「はっはいっ」
 そんなこと思ってません!

 おずおずと近付くと腰を引き寄せられ、顎を摘んで上を向かされる。虎王くんはとても背が高いので首が痛いくらいに真上から顔が近寄る。
 そしてまたあの感じるキス。
 もう堪らない。するばっかりというのもあるだろうがこれだけで腰が抜けそうになってしまう。
 うっとりがグッタリに変わるほど長いキスをされてようやく解放される。

「ワンピースって選択は良かったな。下だけでいい。自分で脱げよ」

 そっそんな‥。いきなり?

 今までそう言ったことは男の役目だと思っていた。自分から脱いで迫ったことなどなかったから。言われたことをすぐにやらない私に次の言葉が飛ぶ。
それくらいもできないのか?

 出来ないって言いたいけど、そんなこと言ったら追い出されそうだった。脳裏に前回言われたことが蘇る。それに素っ裸になるよりはマシな気がしたので酷く恥ずかしかったけどストッキングとパンティーを一つずつ脱いだ。スカート部分はフレアーなので学校の教室で着替えるときのように手だけ入れて引っ張り下ろしたのだ。

 そしてまた腰を引き寄せられる。片手は私の頭を撫でながら残りの手はスカートの中に入ってくる。グッと引き寄せられて虎王くんにもたれる。広い胸に顔を付けると虎王くんの匂いがした。汗っぽい訳じゃないけれど、やはり男の匂いだろう。
 少しぼぅっとしていたらスカートの中に入った手はお尻を撫で回し始めてキュッと尻の筋肉が締まる。それを和らげるように揉まれて、段々と力が抜けてくる。
 その感じを読みとったのか割れ目に沿ってずっと奥へ入ってきた。

「やっ‥」
 思わず身を捩ってしまったが太い腕がガッチリと肩を抱いていて少しも動けなかった。虎王くんの見た目はマッチョには全然見えない。背が高いのでむしろ痩せて見える。でも腕にはしっかりと筋肉が付いており、抱きついた感じでも胸囲は相当ありそうだった。
 その逞しさが堪らない。

。もう濡れてるぞ」

 うっ、後ろから指が‥。

 足を割るように入り込んだ手は、その中の一本が入り口をなぞる。そのヌルッとした感触は自分でも濡れていることが分かる。恥ずかしいのに恥ずかしいところを触られて入り口はヒクつく。
「そう物欲しがるな。ク…ッ、お前は冬哉以上の好きものだな
 そう言うと肩を抱いていた手も下げた。そして今度は前から茂みをなぞられた。その中から突起を見つけ出され、チョン‥と触られた。

「あっ‥ン」
「ここ、感じるのか」
 分かっているだろうに意地悪を言う。でもそう言われるとよりいっそう熱くなるのはどうしてだろうか。
 後ろから入り口をなぜられて、前から一番敏感な突起を挟まれて摺り合わされる。

「やっ‥、あっ‥」
 虎王くんの腕に胸に縋り付くようにしてしか立ってられない。そのうち後ろの長い指はつるりと中に入ってきた。

「ああっ‥」
 中でも後壁の感じるところを擦り上げられる。
 中とクリトリスの刺激で息苦しくなってくる。そのうち前の指は一本でクリトリスをグリグリと押しつぶし、残った指が前からも中に入ってきた。

「溢れてるな。洪水のように」
 前からと後ろからと侵入した指がかなり乱暴に動き回る。それにつられて一番敏感な突起も激しく動かされる。

「あっ、ああっ‥」

 やっヤダ。私だけ立ったままイかされるなんて。お願い。セックスって呼べるもの、してからにして。

 そんな私の心中は察しているのかいないのか、動きはいいところだけを狙って振動するように出し入れされる。

「くっ‥ぅんっ」
 必死で我慢してみる。身体中に力が入る。そのときふと人の気配を感じた。胸から顔を反らして見ると、冬哉くんがその行為を隠れるようにして覗いていたのだ。当然虎王くんは知っていただろう。

 見せていたのだ。冬哉くんに。

 はしたなくスカートをまくり上げられて悦んでいるところを高校生に見られていた、そう思ったらブルッと身体が震えた。
 震えたと同時に私は頂点に達してしまったのだった。

 ビクンッ。
 ビクビクン。

 何度も身体をヒクつかせて痙攣する。こんなに深くオーガズムを感じたことはない。
「やっ‥あっ」
 恥ずかしい。まだ何にもされてないのに一人だけこんなになってしまって。しかもその相手は19歳で、そばには16歳の子が見ているのに。

 泣きたいくらいに恥ずかしかったがそれでも身体は火照ってくる。もっと確かなモノが欲しい。そう中から訴えてくるのだ。


横になれよ
 虎王くんはベッドを指さす。何か言いたい私は口止めされる。
何も言うな‥
 素直にそのまま横になった。

「冬哉、いつまでそこで見てる気だ」
 私を寝かすと今度は冬哉くんの方を向いた。やはり気が付いていたのだ。
「でっでも、先輩の彼女なんだから、やっぱり俺、帰る」
「ふ〜ん、お前。俺に逆らおうってのか」
「だっだけど、虎王先輩が勝手に決めたんじゃないか」

 あれ、冬哉くんがしたがってる訳じゃなかったのだろうか。
「いいから、こっちに来い。冬哉が童貞なのを気にしてるって狼帝が心配してたぞ。変な女とやるよりずっといいだろう。は気に入らないか」
「そっそんなこと無い‥。さんは綺麗だしスタイルもいいし‥。でっでも大人の女の人って俺みたいな子供が相手じゃ、つまんないんじゃないの?」
 冬哉くんの目がチラッと私を見た。

「つまらないかどうかは冬哉次第だろう。ほら、ここをこんなにして帰るつもりか」
 虎王くんは冬哉くんに近寄ると股間を触る。触られて冬哉くんは真っ赤になる。
「さっきのどうだった? 興奮しただろう」
 シャワーを浴びたはずなのにまた着ているハーフパンツのジッパーを下ろし、中に手を入れる。

「やっヤダって」
「せっかくやらせてくれるって言ってるんだ。素直になったらどうだ」
「ほっほんとにさんいいって言ったの?」
、どうだ。冬哉とやれるのは嬉しいだろう。思ったよりもずっと可愛いだろう」
 はい、全くその通りです。冬哉くんは本当に可愛らしくて。でも嫌がってるのならしない方がいいような気がする。女は初めての相手って一生の思い出にするけど、男だって一緒じゃないだろうか。

「でも冬哉くんがイヤなら無理にしなくても‥」
「おい、冬哉。お前女性にこんな台詞を言わせるなんて相当酷いこと言ってるんだって分かってるのか」
 冬哉くんはそう言われてしょげる。
「ごっご免なさい。俺‥俺で良ければ相手して下さい」
 ヤダッ。メチャクチャ可愛い。私の頭には淫行罪って言葉が浮かぶ。これなら男女逆でも適用されるかもしれない。

「冬哉、知ってるか。女とやるには男の方が先にイったらダメなんだぞ。お前がそのまま入れたらあっという間に射精して終了だな。一番恥ずかしいんだぞ」
「えっ、でも、俺‥どうしたらいいの」

 恥ずかしそうな冬哉くんとそれを見てニヤリとする虎王くん。2人の取り組み合わせは狼と赤ずきんちゃんのようだった。


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