虎王先輩の回想2

「中はピンクだ。見たことあるか?」
「ない‥です」
 耐えられなくなったのか笹原は指を抜いた。
「準備が出来たってこと?」
「もう、‥大丈夫だと‥思います」
 笹原は自分だけで煽り煽られ息も荒い。
「でも俺は全然まだなんだけど」
 楽しんではいたけれど、性的には俺のモノはチラッとも反応してなかった。

「触ってもいいですか?」
 おずおずと俺に近付く。
「何をする?」
「あっあの‥、都築くんさえ嫌でなければ口で‥」
 奉仕されるのは嫌いではない。
「嫌じゃない。女に負けないほど気持ち良くしてくれるんだろう?」
 この「女に負けないほど」が引っ掛かっていた。
「はい」


 笹原は下を脱いだ俺をベットに腰掛けさせると、足の間に入り込む。両手で包み込むようにそっとペニスを持ち上げた。
「いいですか?」
 俺が頷いてやると棒付きキャンディーを舐めるように先端を口に含んだ。えらが張ってるところまでを口の中で舌を使って回す。
 その仕草は本当にアメを舐めてるようで、ひどく美味そうであった。
 口に含まれてないサオの部分は右手が皮ごと扱く。左手はその下の袋の中をゆっくりと転がす。
 自信があったのが頷ける。フェラチオは当然、経験があったが、ここまで丁寧にしかもそれをすることが幸せであるかのようにされたことはない。
 女は恩着せがましい。これだけしてやったんだから返して貰って当たり前だと思っている。

 しかしどうしても男だと思うと気分が萎える。そこまでして、ようやくと半勃ち状態だった。
 それでも笹原はそれを止めようとはしない。勃たせることが出来れば幸福が訪れるとでも思っているのだろうか。
 持たなくても良くなったモノから手を外し、俺の両太ももに手を置くとグッと頭を着けた。根元まで口の中に呑み込まれる。舌が裏筋から全てを舐め上げる。面積を拡げた柔らかいモノは俺のペニスを舐め尽くす。
 頭が上下に動き出すと、喉の奥まで入れているのか、時折くぐもった苦しそうな息が漏れる。液体が啜られる音が響く。さすがに俺もイきそうになる。女の裸だけでも抜こうと思えば抜けるほどには若いのだ。

「もうっ、‥出る」
 少し荒い息づかいでそう言ってもまだ止めようとしない。啜り上げられたと同時に達した。口の中に射精する。笹原はそれをやはり美味そうに飲み干す。
「こっ‥コーチ、そんなの飲んで美味いの?」
 どうしても同性の者にそんな風にすることが信じられなくて訊く。
「ええ、都築くんは気持ち良かったですか?」
 笹原はにっこりと、満足げに微笑む。
「ああ、女より良かった」
 そう言ってやると破顔した。


 すっかり用が済んで、スッキリした俺は帰ると告げた。また笹原は焦る。
「あっあの、まだ‥」
「まだ何かあんの?」
 興奮した顔をますます赤くさせて笹原は前を勃たせたままで言葉を紡ぐ。
「いっ‥入れて、‥下さい」
「ふーん、やっぱコーチってそこに銜え込むのが好きなんだ」
「ちっ違いま‥‥。いえ、そうです。きっと。都築くんのモノを入れて欲しいと思ってますから」
「でももう役に立たないぜ」
 出してしまったから当然、萎えている。
「もう一度‥したら、入れてくれますか?」
 よく分からん奴だ。初めは入れずに済むと思ってホッとしてたんじゃなかったのか。


 今なら何となく分かる。笹原にしてみれば取り敢えず触れ合いたかったのだろう。ただ俺のモノを銜えただけじゃ関係を持ったと思えない。


 きっと口はどうかなってるだろう。顎がガクガクしてるかもしれない。2回も口淫すればかなり辛そうだ。でも今度は寸前で止めた。そのまま入れろと言う。俺は笹原の勢いに押されてたのかもしれない。最初の予定、「置いて帰る」は実行できなかった。
 仕方なく言われたとおりに、笹原が自分で解したところに先を合わせる。力を入れて突っ込む。潤滑剤と唾液のおかげで亀頭が入り込む。
「きっきつい」
 俺のモノは締め上げられて痛いくらいだ。笹原は必死で力を緩めようとする。何とか動けそうになるとピストン運動を始めた。
「くっ‥、‥ぅ‥んっ」
 苦しそうな相手のことなどあまり考えずに取り敢えず突きまくった。想像よりはるかに良かったので2回目も難なく抜けた。

「もういいだろう」
 俺は笹原が達してないことなど気にしてなかったので、サッとシャワーを浴びると帰り支度をする。
「一度だけって約束だったよな。確かにフェラは女より巧かった」
 笹原は縋るような目で俺を見る。
「何度でもします。また‥」
「勝手にしろ」
 最後に言い放った台詞がまずかったのか、大人の部が終わる土曜の晩は待ち伏せされた。悪くはなかったのでそのまま付き合う。


 関係は何度にもなり数を重ねた。しかし一体こいつは何が楽しいんだろう。俺に奉仕するだけして、自分は最後突っ込まれて、でも一度も達することもなく終わるのだ。
 ただ、部屋に入るまではバレーのコーチとバレーが好きな中学生だ。笹原もバレーを愛してる。話題に事欠くことはなく俺は退屈することがなかった。それが長続きした原因の一つでもある。
 しかし部屋に入ってしまうと途端に俺は尊大になる。笹原の態度が歯止めを無くす。俺の傲慢さは加速する一方だった。


 いつも通り散々口で奉仕させておいて、2度目を出すために笹原の尻に突っ込んでいた。そしていつも通り四つん這いになった腰骨をつかんで打ち付けていた。
 じっと耐えてる姿を見るのは楽しかったが、喘ぎをうるさいと叱ってからは亀のように固まってしまった。泣いているのを黙らせるのが楽しいのに、こうもあっさりと黙られると面白くない。
 それまで一度たりとも笹原がどう感じているかを考えたことがなかった。だが面白くなかったので何とか泣かせてやろうと思ったのだ。そう、笹原は俺に言われたことを忠実に守っていただけなのに。

 試しに手を伸ばし乳首を摘んでみた。

「‥ぁっ‥」

 こっちがびっくりするほど身体が弾けた。その後慌てて口を塞ぐ。
 俺のペニスはどくんと脈を打って暴れる。

 ‥‥面白い。

 今度は両手を伸ばして摘んでみた。
「はぁっ‥」
 また身体が弓ぞりになる。
 両乳首を摘んで捏ねた。
「あっ、‥あ‥んっ‥」
 声を漏らさないように必死で耐える。口に意識が集中しているのか、身体の方が派手に動く。指の動きに合わせて面白いように反応する。
「きつい、締めるな」
 ぴしっと軽く尻を叩いてやる。
「んっ‥」
 そんなことにも敏感に反応する。なぜこんな面白いことに気が付かなかったんだろう。そんなことに反応するほど笹原は触られることに飢えていたのだろう。

 虐げることにしか悦びを見いだせなかった俺は、確実に虐める方法が分かって、それが直接欲望に繋がる。今まで感じたことのない性的欲求が脈を打って込み上げてくる。こんなにムラムラと虐めてやりたくなったのは初めてのことだった。
 ひどく興奮して乳首を揉みまくる。笹原は苦しげに口を噛みしめながら、必死で逃れるように身体をくねらす。
「気持ちいいのか?」
「あっ‥んっ、いい‥です」
「じゃあ体を動かすことも、声出すことも禁止。それから下も締めるな。分かったか?」
 ずっと乳首を摘んでいるので苦しそうに頷く。

 もう少し力を入れて今度は擦り潰してやる。ひゅっと息を呑む音が聞こえ、頭が背中側に倒れる。一生懸命ビクッと痙攣する動作を押さえてる。ずっと嬲ってやってると今度は尻の方がきつくなってきた。
「おい、きついぞ」
「ぁっ‥は‥い‥」
 喘がないように話させるのも楽しい。摘んでる乳首を捻る。また必死で尻の穴に力が掛からないように耐える。後ろから抱きつくように乳首だけを延々と弄くる。下に反応しないように尻を振って刺激を逃す。

 俺の言葉でいやらしく身を捩る笹原を見て、こんなに俺が興奮するとは。
 とにかく笹原は俺の言ったことを守るために何もかも必死でしなくちゃならないのだ。そして必死だけどそれを守るためには快感にも耐えないといけないのだ。
 なぜこんな簡単なことに気が付かなかったんだろう。何かに耐えさせたり、我慢させたりしたかったらこっちから快感を与えてやれば良かったのだ。

 ここで俺は開眼した。
 しかも俺もこういう欲望を持っていたのだ。簡単に言うとサド気があったのだ。虐げることが出来たとき俺にも人並み、いや人以上に性欲が沸き起こると言うことがそれを証明していた。

 そうやって乳首だけを弄んでいたが、俺のモノが中に入ったままだったので、笹原は俺の前で初めて達したのだった。
 何度も身体を震わせて痙攣する。その間も素直に快感を貪ることもなく、俺をおいて達したことに罪悪感でもあるのか、それすらも体現しないように堪えてる姿がそそる。
 男のモノも顔も見てもしょうがないと思っていたので後ろからしか突いたことがなかった。初めて表に返して突いた。そして初めていいところを探してみた。
 少し浅めの所を突いたときに食いしばっていた口から声が漏れた。
「ああっ‥」
 苦しげに歪む顔を見るのもこんなに楽しいものだったなんて。同じ所を何度も何度も突いてやる。その度に必死になって出る声をかみ殺す。
「ここがいいのか?」
 笹原は潤んだ目で頷く。口を開いてしまうと我慢が出来なくなるのか返事をしない。とうとう中を突かれただけで達してしまった。
「ふ〜ん」
 俺にはあらゆる欲望がぞくぞくと集まってきていた。


 その次から俺は勉強し、研究した。一体どこがどう感じるのかを。そして一番いいところはどこなのかを。
 毎回のように笹原に自分の足を持たせ、後ろをさらけ出させていた。右手の人差し指を入れて触診する。一々感想を求める。そして指を増やしていく。
 当然、笹原には自分で穴を拡げる行為は続けさせている。あれはあれで面白いショーなのだ。止めさす理由がどこにもない。
 辿り着いた一番感じるところを3本の指で擦り上げる。硬いモノも一緒に扱いてやる。
「これが一番気持ちいいか?」
「‥はっ‥、は‥い‥」
 ビクビクと身体を震わせながら、それでも声を殺し、1時間でも2時間でもそうやって嬲られ続ける。両方の摩擦する速度を上げれば上げるほど呆気ないくらいに果てる。俺がこの性癖に目覚める前のことを思えば、信じられないくらいに笹原は絶頂を見る。まだ許してやらない。最後は俺自身を入れて突きまくってやるのだ。

 半年も経てば俺は男の身体の弱点も完璧に覚えてしまった。もう目をつぶっていても笹原が悦ぶところが分かる。
 普通は相手を気持ち良くしたい、と言う純粋な動機なのだが、俺のは最高に気持ちのいいところを覚えておいて、それを我慢させるのに使うのだ。
 初めは笹原は喜んでいた。やっとセックスらしくなってきたのだ。これからどんな目に遭わされるか知らないがために。でもこれはただの準備期間だったのだ。

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