BLEACH (一護←)織姫&ウルキオラ


At the end of halcyon days





 



※237話ネタバレです。まだ読んでない方、コミックス派の方でバラされたくない方はプラウザバックお願いします。。









 約束の時間、約束の場所。そこにすでに佇んでいたその人に織姫は思いっきり頭を下げた。
「本当にどうもありがとう」
 そもそもの原因とか、こうなった理由とかは考えない。例えそれらがどうであれ、こうしてある『今』を手に入れることが出来たのは、無理矢理にでもすぐ自分を連れ去っていくことが出来たはずなのに、それなのに12時間の猶予をくれたそのことはまぎれもない真実だから、だからその感謝の意味で織姫は思いっきり頭を下げた。
 そしてそんな彼女の姿に思わず彼も表情を変えた。
「女────」
 もちろん彼はなじること、怒ることはもちろんのこと、今のように礼をいうことだって彼女に許可してはいなかった。彼女に許した唯一は『はい』と頷くただそれだけ───それしか許してなどいない。だがそれでも幾らかは負の感情が発せられ、ぶつけられることは想定し、そして想像していた。
 しかしこんなのは予定外だ。欠片も皮肉とは思えぬ程、目の前の女は心から、言葉のままを思っている。
 そのことがウルキオラにも感じられ、だから思わず彼女に問うた。
「誰にも会わなかったのか?」
 それは自分が彼女に架した条件の難しさを推測してでの言葉だった。
 別れを告げてきていいけれど、相手に気付かれてはならないというのは、実際は誰にも会えないのと同じことだ。言葉を交わすまではいかなくとも、少なくとも互いがそこにいることを意識して初めて『合う』=『会う』となる。
 だからその意味で彼女が誰にも会えないことはウルキオラにもわかっていた。───いや、むしろわかっていてそうさせたと言っていいだろう。そのことで彼女により自分の立場を理解させ、受け入れさせるその為にあえて時間を与え、猶予を与えたのだから。
 そしてその甲斐あってか、彼女の覚悟は半日前よりより強固に、揺らぐことなく固まっている。自らの身を差し出すことで、そんなことをしてもどうせあと何ヶ月かすれば全滅する運命だというのに、それでも仲間たちの命運が尽きる日をわずかばかりでも伸ばさせるその覚悟を固めている。
 だから目的はちゃんと達せられ充分なハズなのだが、しかしそれでもウルキオラは、目の前にいる女の持つその感情がわからなくて、だからそう問うたのだ。他に適切な言葉が見つけらなかったが、それでも何も問わずにも居れなかった。
 なので紡いだその言葉に織姫は首を横に振り、こう答えた。
「いいえっ!おかげさまでちゃんと会えました!そりゃもうバッチリ!もう少しで性的犯罪しちゃいそうな程、美味しく会わせていただきました!」
「なら何故───」
 自分でもその設問もおかしいと思ったが、ウルキオラは織姫の返した言葉の中の一部に別の意味で疑問符をもちつつも、それでもそれほど喜ぶまで会いたかった人間と別れてきたというのに、これ程無邪気に、ある意味浮かれてすらいると言っていい織姫の返答に疑問の言葉を投げかけた。
 すると織姫はウルキオラの言葉を自分の言葉の中にあった一部に対してだと勘違いし、ゆえにこう返答した。
「だって大好きなんだもん。ずっとずっと大好きで───これからも一生、絶対好きで、死んじゃっても好きな程、黒崎くんが好きなんだもん」
 だから彷徨って───いえっ、血迷って、犯罪しかけてしまいました──────そう言って恥ずかしそうに肩をすくめるその姿に、ウルキオラは答えを見つけた気がした。
「───『だから』なのだな」
 内に絶対を持った時、その存在は強くなる。そしてこの少女はその為に、こうしてここに存在しているのだ。
 だからウルキオラは理解して言った。
「それほどの価値があの男にあるとは到底思えんがな」
 そしてそんなウルキオラの言葉に織姫はすかさず反発した。
「あるよぉ〜っ!!黒崎くんは素敵な人だよっ!強いし、優しいし、カッコいいし、お兄ちゃんだし、とにかく全然素敵なのっ!王子様なんだから」
 だから、と、織姫は改めてウルキオラに向かい、ウルキオラに向かって宣言する。
「嘘だったら許さないから───約束やぶったら許さないから」
 自分自身とひきかえに彼等に手を出さないという約束。
 無力で弱い自分だけれど、それだけは絶対に守らせてみせると、他の何でもなく自分に誓うその言葉に、ウルキオラは微かに目を見開いた。
「!──────」
 初めて会った時は───いや、今でも変わった術を使うが、それでも所詮はゴミだとウルキオラは思っている。だがこの瞳の強さに微かだが、そうではないと思う方向に心が動くのを感じていた。
 けれどそれは認めたくないことなので、ウルキオラはそれを振り払う為にも織姫に向かって宣言する。
「では行くぞ───藍染様がお待ちだ」
 それに織姫が頷くのを受け、ウルキオラは次元を越える為、彼女の手を手にとった。その小ささとやわらかさにやはり先ほどと同じように心が動くのを感じながら─────。





                                 THE END.







 237話を見て書かずにはいられなかったセルフ補完です。来週になってあまりにウルちゃんと織姫ちゃんの会話がずれてたら抹消するかもしれませんが、こんなのもありとおもってくださるとうれしいっす。。読んでいただけたなら察していただけたようにイチオリ前提の『織姫←ウルキオラ』を当方推奨しております。これを見て『イイッ!!』と思っていただけたらすぐさまウルオリ同盟にGO!

 ちなみに今作はお題『<水影的7人のお姫様>3 失うことなどこわくない【人魚姫】』です。彼女の生き方、考え方はまさに人魚姫のそれそのものだと私はおもっちょります。。

                    


 
 

 
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