花より男子 類×つくし


例外真理の美味しい事情 -reigaisinnri no oishii jijyou-





 


 他人(ヒト)が食べているものは得てして旨そうに見えるものだ。けど実際に食べてみればそれほどでない場合が多いのがこの世界に満ちてる確かな真理。
 けどたまには例外というのがあるもので、つい手を出して食べてしまったそれは思っていたよりずっと甘くてずっとずっと美味しかった。
 おかげですっかり御満悦の俺。けど喰われた方はたまったもんじゃなかったらしくて、顔を真っ赤にして怒ってる。
「なっ、何すんのよ、花沢類!!あっ、あっ、あたしっ!!」
 そうしどろもどろに叫ぶ彼女は半分以上泣きそうで、普段からこぼれ落ちそうな大きな瞳が一際おおきくパカンと見開きますます落ちそうになっている。
 けど怒ってるけど泣きそうで、泣きそうだけど恥ずかしそうで、恥ずかしそうだけど実際はたぶんだけど嬉しいんだってなんとなくわかるから、だからとりあえず両手を合わせて言ってみる。
「『ごちそうさま』」
「・・・・・へ?」
 ますます目を見開いた彼女。どうやらその表情から察するに俺は言葉を間違えたらしい。
 けど、あれ?違ってたっけ?確かこれであってたハズだと思うけど。
 だからもう一回、彼女が言う『天使の笑み』を浮かべながら、牧野に向かって手をあわせる。
「だから『ごちそうさま』。美味しかったよ」
 その言葉に牧野は今度は絶叫した。
「キャアッ!!!!!!なんてこと言うのよ、花沢類ッ!!『美味しかった』なんて、『美味しかった』なんて、ああっっ!!」
 そう言いながら頭を抱えるようにして悶えてる牧野の姿は思いっきりおかしくて、俺は思わず笑ってしまった。
「プッ」
「何笑ってンよ、花沢類ッ!!」
 こんなときばかり反応が早い彼女は拳をふりあげ睨み付けてくる。司程じゃないにしてもそれなりに頑丈な俺だけど、牧野の右手の鉄拳の威力は嫌というほど知ってるからね。それを喰らったりはしたくないから、何とかごまかそうと言葉を紡ぐ。
「ゴメンゴメン、あんまりあんたが可愛いからさ、つい本心がこぼれたんだよ」
「カッ、『可愛い』?!?」
 その言葉にますます真っ赤になって、潤みまくった目になった彼女。
 ホントもう、反則だよ、牧野。あんた可愛すぎ。俺にとっては本心だしウソのつもりはないけどさ、こんなお世事の常套句でイチイチ真っ赤になっててどうすんの?
 それにさ、その顔が男を本気にさせるってこと、あんた絶対わかってないでしょ?その顔がどんなに俺を魅了して、あんたなしじゃ生きられない身体に作り替えられていってるかなんてさ。
 なのにこんなこと言ったってあんたにゃ通じないからって黙ってあんたを見つめてたら勝手に自己完結しちゃってさ、こんなことまで言い出す始末。
「あっもうっ、またあたしをからかったね、花沢類ッ!!どうしてそうやってあたしで遊ぶかな?!そんなに遊んで楽しいの?!」
 うん、正解、楽しいよ。けどやっぱりそう即答したら殴られそうだから、とりあえず今思ってること言って、可愛いけどやまかしくて美味しい口、ふさいじゃおうかな?多分彼女のことだから、これでカチンコチンに固まっちゃうハズ。
「ねえ牧野、『おかわり』したいからちょっと黙って。俺いますぐにもっとあんたとキスしたい」
「!!!!!!!!!」
 ハハッ、俺の予想、やっぱり正解。

 
 



                                 THE END.





 類つくです。。日記に載せてたのの再録。。タイトルは今つけました。類の一人称は結構かきやすいみたいです、はい。
 


 
 

 
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