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前から思ってたことだけど、牧野は存外理屈屋だ。貧乏性とでもいうのかな?理屈があって理由があって、それで初めて行動していいんだってそんなふうに思いこんでる節がある。
だから今日も唐突に、こんなコトを言い出したんだ。
「おっ、女の子はね脂肪体質なの。だから一回冷えちゃうとなかなか元にもどらなくて運動とかしてがんばるより、あったかいものに触って熱を貰う方が早いのよ。で、でねっ、逆に男の子はね筋肉質でしょ?だから熱が伝わりにくくって、あったかいもの抱き締めるより自分で運動した方が早く身体があったまるんだって!」
ちなみにこのセリフ言い終えるのに牧野が要した時間はわずか20秒。よくもまあこれだけ口がまわるよね。俺なら確実に舌かんじゃいそう。
しかもこのセリフを吐き出した時の牧野ホントすっげぇおかしくってさ、つい思わず笑っちゃったよ!
だってさ、どうひいき目にみたって牧野生まれたての子猿そっくりだったんだもん!そりゃもうあますトコ真っ赤ッカ。赤くないトコ探す方が大変なくらい全身真っ赤になってたんだ。元が白い分だけ目立つってことだろうけど、それでもヤッパおかしいよね。
だからつい笑っただけなのに、相当せっぱつまってたのか牧野はすっかり御立腹でさ、もっともっと真っ赤になって握りこぶしで叫んでた。
「なっ、なによっ、花沢類!!せっかくイイコト教えてあげたのにどうしてそうして笑うワケ?!」
けどそうやって怒ったって、俺には全部お見通し。怒ってるのは恥ずかしいから、自分が欲していることを俺にわかって欲しいから。
それがわかってる俺だからとりあえず抱きしめて、それから先にひとこと言っとく。
「だってあまりにもあんたがホントすっげぇ可愛いから」
「!!」
途端ガチゴチに固まった牧野。『可愛い』どころか『愛してる』ももう何回も言ったはずなのに、牧野は全然慣れなくて、そんな牧野を溶かすように俺は優しくキスをした。
「…んっ!…ちょっと、花沢類ッ!!…」
キスとキスとキスの間に、そうして軽い抵抗を見せた牧野。瞳はすっかり蕩けてるのに理性的なフリするなんて、正直ちょっとずるいよね?
だから俺は知っていた事実────牧野の名言(??)を逆手にとって澄ましてみせることにした。
「あれ、違った?俺はてっきり『そういう』意味かと思ったから御希望に添おうかなって思っただけなんだけど。でもどうやら違ったみたいだね。ゴメンゴメン、悪かったね」
そして閉じ込めていた手を解放して牧野の身体を自由にしてやる。もうこれ以上何もしない、キスもそれ以上も当然しない、そのことの何よりの証明として。
けどわかってたとおり当然それは牧野の思ってる本心じゃない。だから慌てに慌てて慌てまくって、牧野は声を張り上げた。
「ちょっ、ちょっと、花沢類!!だっ、誰も、あたし、そんなこと、そんなっ!…」
ぷっ、ちょっと本気でおかしすぎるよ、牧野!今度は赤いの通り越して青くさえなってるじゃん。
でもゴメン、ちょっとからかうの止めらんない。だって牧野の顔色変わるの見てるのすっげぇ好きなんだもん。
だから悪いけどもう1つ意地悪することにした。
「ん?何?『そんなこと』って何?」
上目遣いに覗き込んでやると途端その場で必死の形相。
「やっ!そっ、それは、ええ〜っとっ!!!」
ハハッ、もうさすがに俺ももう限界!これ以上は無理ったら無理!
「プッ、もう牧野最高、おかしすぎ」
「・・・・・あっ、もしかしてまたからかったね、花沢類!」
はい、御明察。だってホントあんた最高!あまりに可笑しすぎるんだもん。ちゃんと判れた俺もなんなんだけど、ホントはたった一言で済んじゃう言葉、あれほど回りくどく言えるだなんてホントある意味感心する。最高に可笑しすぎるよ。
だけどさすがにこれ以上からかったらかわいそうだし、実は俺もとっくに20秒もかけて言われた言葉に翻弄されててタイヘンだから、この辺でもうやめとくよ。
その代わりと言っちゃ当然だけど、クギは最初にさしとくけどね。
「じゃ、そろそろベッド行こうか?牧野。あんたがてっとりばやくあったかくなれるよう───それから俺もあったかくなれるよう、それなりに激しい運動しよう。ま、おそらく互いが満足できるまであったかくなるには朝くらいまでかかるような気がするけどね」
「えっ?!あっ、あっ、あっ、朝ぁ?!?」
「うん、絶対『朝』」
さ、じゃ今日はいつもよりうんといっぱいがんばろうかな?俺の愛しいお姫さまが『抱いて』なんていう言葉、当分言いたくなくなるくらいにね。
THE END.
またまた類×つくしです。。ってかこのジャンルは類つくしか書く気がありませんが。。
自分からうまくは誘えなさそうっていうのがつくしのイメージ。また誘って貰えてまぁうれしいけど、けど女から誘わせるのは男として情けないかも??って思いそうなのが類のイメージ。それをかみ合わさせるとどうしてもギャグになりますね。。
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